ふるさと納税はもっとも効率的に寄付をすれば自己負担2,000円で寄付ができ、寄付金額に応じてお礼の品(返礼品)がもらえるという有利な制度です(※2027年度からは富裕層向けに控除上限193万円の制限が導入されます)。

たとえば、5万円寄付をして2万円分のお礼の品をもらった場合、自己負担の2000円を差し引き18,000円分が実質的にお得だったということになります。この“得をする”ということを考えたとき、普通はお礼の品という「モノ」ですが、それを転売して「キャッシュ(現金)」にできたらうれしいなという方もいらっしゃるかもしれません。

今回はそんなふるさと納税の転売と現金化についてと、2026年現在の最新のルール・注意点についてまとめていきます。

ふるさと納税のお礼の品、現金化しやすいアイテムは減少

2015年、2016年くらいまではふるさと納税のお礼の品は、自治体は寄付さえもらえればいいというところも多く、現金化しやすいアイテムを扱うところも多かったです。

例えば三重県伊賀市が実施していた“純金の手裏剣”は話題になりました。また、2015年には石川県加賀市が“DMMマネー(プリペイドカード)”をお礼の品として提供し、総務省から怒られました。

ただ、それ以前にも千葉県市川市はお礼の品に“Tポイント”を提供したことがあります。

このような汎用性が高すぎる、資産性が高すぎるふるさと納税が増えたことから、総務省は以下のようなお礼の品を送付しないようにすること、と通達を出しています。

  • 金銭類似性の高いもの
  • 資産性の高いもの
  • 価格が高額なもの
  • 寄付額に対する返礼品の調達価格が高いもの

こんなこともあって、汎用性の金券類や電子マネー、プリペイドカードなどはお礼の品から姿を消しています。

【2026年以降のさらなるルール厳格化】
2026年10月より、自治体はふるさと納税の寄付額のうち60%以上を自由財源として確保する義務が生じる「6割ルール」が段階的に強化されます。これにより返礼品の調達コストが実質的に圧縮されるほか、返礼品の「地場産品基準」も厳格化されます。転売目的でコストパフォーマンスの高い返礼品を狙うという戦略は、今後さらに成立しにくくなります。

地域商品券、感謝券の類は継続も転売禁止へ

ただ、金券類がすべてなくなったわけではありません。

例えば、特定の地域(温泉地)などで使えるような地域商品券、感謝券などは今でも発行しているところがあります。こうした商品券はその場所で使うのであれば現金のように使えるので、そこに旅行に行く人などにとっては大きなメリットがあります。

ただし、こうした商品券、感謝券は基本的に自治体は“転売禁止”としています。

転売禁止をいくら自治体が要請したとしてもあくまでもお願いベースです。ヤフオクやメルカリのCtoCプラットフォームが発達している現状で、現在も出品自体は確認できるようですが、規制は徐々に強まっています。

画像は「転売無効」と書かれている商品券がメルカリで落札された図です。

一方で、総務省は転売について、ふるさと納税の趣旨にそぐわないと、神経をとがらせているようで、自治体に対して強く要請しているようです。

地域商品券、感謝券、チケットは本人確認を厳格化する自治体も

こうした状況もあり、こうした地域商品券、感謝券などにおいても転売対策を強化する自治体が増えています。

本人確認を厳格化して、シリアルNoと本人確認が行えない限り使えないというような対策をとっている自治体もあるようです。

こちらは特に買う人の方がリスクがある話ですが、このような商品券、感謝券の有用性については自治体がルールを決めることができます。
上記のメルカリ出品物のように、転売無効と明記(ルール作り)をしている場合、それを無視して転売したら、商品券自体が無効になっても文句は言えません。

また、地域感謝券(くさつ温泉感謝券)で有名な群馬県草津町は以下のように、転売をする人に対して明確な警告を発しています。

草津町が、お客様へお届けした「くさつ温泉感謝券」をネットオークションへの出品等(不特定多数のものを対象とした売買)を行う行為は、くさつ温泉感謝券の取り扱いに関する条例に違反する行為です。
このような行為は、草津町(草津温泉)の信頼性や公平さを損なう行為であり、認められるものではありません。草津町は、悪質な行為を行うものに対して、提訴(損害賠償請求)をもって対抗する用意がありますので、厳に慎むよう予めご理解とご協力をお願いいたします。

今でもメルカリやヤフオクなどで“感謝券”と検索すると出品が見受けられますが、転売無効リスクや条例違反リスクを伴うため、買う側も売る側も大きなリスクがあるといえます。

人気のコンサートチケットみたいですね……。

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家電、ファッションは転売できるけど効率性は疑問

上記のような金券類については転売、現金化の風当たりは強いです。

それと比較すると家電やファッションなどは転売自体を禁止することは難しいため、それこそ、ヤフオクやメルカリで売ることはできます。

ただ、金券(商品券、感謝券)ほどの換金率にするのは難しいでしょうし、売れやすさも違ってくるでしょう。
また、大きなものだと送料の問題も出てきます。

ふるさと納税のお礼の品の目安はおおよそ30%程度というのが基本ルールになっています(前述の通り2026年10月からの6割ルールで実質的な価値はさらに下がる可能性があります)。
これを仮に定価の6割で転売したとしても0.3*0.6=18%になってしまいます。

5万円寄付して、15,000円分の商品をもらって、それを6割で転売したら9,000円です。2,000円の自己負担分も考えたら7,000円ですね。

お礼の品としてもらったはいいけど、やっぱり不要だったというようなケースならいいでしょうが、最初から売ることを前提にするのであれば、労力にまったく見合わないように思われます。

過去の「旅行券」錬金術は消滅!ポータルサイトのポイント付与も全面禁止に

2018年当時は、還元率50%案件や買取価格が高い「日本旅行ギフトカード」などが現金化・換金の最善手と言われていました。しかし、2025年の宿泊券・旅行クーポン規制の影響により、これらの換金性の高いギフトカード類は返礼品から実質的に姿を消しています。現在残っている旅行券・宿泊券系も「利用期限1年」「本人確認必須」のものが主流であり、転売リスクは極めて高くなっています。

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さらに大きな変化として、2025年10月1日よりすべてのふるさと納税ポータルサイトにおいてポイント付与が全面禁止されました。
これまで広く使われていた「ふるなびコイン(Amazonギフト券交換)」「さとふるのPayPay商品券」「楽天ポイント」などを活用した実質的な現金化ルートは、現在すべて無効となっています。

現在、合法的に還元効率を上げる方法としては以下の手段に限られます。

  • クレジットカード決済時のポイント還元(楽天カード等で1〜3%還元など)
  • 「au PAYふるさと納税」を通じたPontaポイントの活用
  • 「ふるなびのd払い」を通じたdポイントの活用
  • Amazon Pay残高での決済
  • 一部ポータルサイトが独自に提供する付加サービス(例:ふるなびマネーなど)の利用
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原則、ふるさと納税は“自分が欲しいもの、使うもの”をもらうべき

ふるさと納税の転売や現金化については、できないことはないかもしれませんが、現状の制度やルールの厳格化を踏まえると非常に非現実的でありおすすめできません。原則としては、純粋に自分で使いたいモノを貰うのが一番です。

また、2026年2月の閣議決定により、2027年度からふるさと納税の特例控除額に上限193万円(単身者の目安で年収1億円超の富裕層が対象)が設定されることになりました。これまで高額な寄付を前提に返礼品の転売戦略を考えていた層にとっても、大きな方針転換が必要になります。

冷蔵庫(冷凍庫)の空き容量の関係もあるし、食品ばっかりもらっても仕方がない。旅行にもいかないから感謝券もいらないという人も、少し工夫しましょう。

家電が完全になくなったわけではないですし、以下の記事でも紹介したようにファッション系やアウトドア系などのふるさと納税もあるわけなので、腐らないものを探すというのも一つの手かと思います。高還元のクレジットカード決済などを組み合わせつつ、ご自身が確実に消費できる返礼品を選ぶのが現在の最善策です。

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以上、最新のルールを踏まえたふるさと納税の転売、現金化のリスクと対策について検証してみました。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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