公共職訓練とは、ハローワークで仕事を探している人が早期に就職することができるように、技能や知識を習得するために独立行政法人雇用能力開発機構や各地の自治体が実施している職業訓練の総称です。
公共職業訓練は勉強をしながら失業給付も受けることができるということもあり、近年利用者が増加しています。今回はそんな公共職業訓練の種類や受講の仕方、メリットやその注意点などをまとめていきます。
公共職業訓練にはどんなコースがあるのか?
公共職業訓練は「離職者訓練」「学卒者訓練」「在職者訓練」の3種類におおきく分類することができます。それぞれで特徴や受講条件が異なりますが、共通している条件は「受講開始日から遡り、過去1年以内に公共職業訓練を受講していないこと」です。
離職者訓練
名前の通り失業している人が対象です。ハローワークに求職の申し込みをしていることが条件となります。訓練期間は3か月~1年程度です。受講料金はなんと無料です。ただし、テキスト代は実費負担となります。
学卒者訓練
職業に必要な高度で専門的かつ応用的な技能や知識を習得させるための長期的な訓練となります。対象となるのは高卒者、中卒者です。
在職者訓練
ビジネススキルの向上や技術向上などの目的で実施されている講習です。受講料金は有料です。仕事をしながらでもできるように、土日や夜間なども幅広く設定されています。
職業訓練開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発促進センターなどで実施しております。
離職者訓練は失業中の強い味方
多くの方が利用している職業訓練が「離職者訓練」となります。以下では公共職業訓練のうち、離職者訓練にしぼってより詳しく説明していきたいと思います。
公共職業訓練はハローワークが窓口となります。
職業訓練の講座はかなりの数があり、自治体によっても異なるため、まずは情報収集を始めましょう。最寄りのハローワークで確認してください。
職業訓練を受ける失業中の3つのメリット
失業中の職業訓練はその受講によって知識や技能を身に着けて就職活動をより効果的に行うという目的以外にも失業中の方にとっての支援となるいくつかのメリットがあります。
受講料金が無料
通常だと何十万もするような講座を無料で受講することができます。近年では情報系、パソコン系の資格もあり人気が高いです。ほかにも蹴り委事務、建築、CAD、金属加工、調理師といったように幅が広い講座が用意されています。
特定の資格の受験資格が取得できるようなものもあり、キャリアアップにもつながるはずです。
給付制限期間の解除と失業給付期間の延長
離職者訓練の大きなメリットは「給付制限期間の解除」です。失業保険は「失業保険の基礎知識。給付条件や給付額、失業中のアルバイトや再就職手当」でも紹介したように、自己都合退職などの場合、失業しても3か月間は給付制限として失業手当を受け取ることができません。
ところが、離職者訓練を受ければ、すぐに給付が開始されます。さらに、職業訓練期間が失業保険の給付期間を超える場合は訓練終了までは給付が延長されるうえ、失業認定の手続きも学校が代行してくれますので不要です。
通学費用や受講手当、家賃までもらえる
至れり尽くせりなのが、学校までの通学費用(通所手当)が42,000円(上限)が出るほか、受講手当(日額500円)、寄宿手当(月額10,700円・家族と別居している場合)までもらえます。
また、細かいことで言えば、半年を超えるコースの場合、当該期間中は学生扱いとなる講座もあります。その場合は学割も使えます
職業訓練を受けるときの注意点
失業中の離職者訓練の受講にはデメリットと呼べるような問題点はあまりありません。
あえて挙げるとするのであれば、離職者訓練の講座にもやはり人数枠があるというところでしょうか。人気の高い講座については倍率が高く合格できないというケースもあります。
また、1年~2年といった長期コースの場合は受講開始日が4月~といったように決まっていることもあり、自分の失業のタイミングによっては受講できるコースが少ないというケースもあるかもしれません。
いずれにしても、情報事態はハローワークでたくさん手に入りますので、一度足を運ぶことをお勧めします。
以上、公共職業訓練(離職者訓練)について詳しくまとめてみました。
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