株式の約定日と受渡日とは?権利付き最終日、権利落ち日、税金計算の注意点
株式投資では、注文が成立した日と、株式や代金の受け渡しが完了する日が違います。
約定日は、株式の売買が成立した日です。
受渡日は、株式と代金の決済が完了する日です。
国内上場株式は、原則として約定日から2営業日後に受け渡しが行われます。
約定日を1営業日目として数える言い方では、受渡日は3営業日目です。
この数え方を間違えると、配当金や株主優待の権利取り、年末の損益通算、売却代金の出金で失敗します。
この記事では、株式の約定日と受渡日の違い、権利付き最終日、権利落ち日、税金計算、出金可能日の注意点を2026年時点の実例で整理します。
この記事の要点
- 約定日は、株式の売買が成立した日です。
- 受渡日は、株式と代金の決済が完了する日です。
- 国内上場株式の受渡日は、原則として約定日から2営業日後です。
- 配当金や株主優待は、権利確定日に株主として記録される必要があります。
- 権利付き最終日は、権利確定日の2営業日前になるのが基本です。
- 売却益や損失の年内計算は、約定日ではなく受渡日を意識します。
約定日と受渡日の違い
約定日は、投資家の売買注文が市場で成立した日です。
証券会社の画面で「買えた」「売れた」と表示される日は、基本的に約定日です。
ただし、その時点では株式と代金の決済はまだ完了していません。
| 用語 | 意味 | よく関係する場面 |
|---|---|---|
| 約定日 | 株式の売買が成立した日 | 売買履歴、取得単価、注文成立の確認 |
| 受渡日 | 株式と代金の決済が完了する日 | 配当金、株主優待、税金計算、出金可能日 |
国内上場株式の受渡日は、約定日の2営業日後です。
土日、祝日、年末年始の市場休業日は営業日に数えません。
たとえば2026年6月26日(金)に株を買った場合、6月27日(土)と6月28日(日)は数えず、受渡日は6月30日(火)になります。
| 日付 | 曜日 | 扱い |
|---|---|---|
| 2026年6月26日 | 金 | 約定日、1営業日目 |
| 2026年6月27日 | 土 | 市場休業日 |
| 2026年6月28日 | 日 | 市場休業日 |
| 2026年6月29日 | 月 | 2営業日目 |
| 2026年6月30日 | 火 | 受渡日、3営業日目 |
「2営業日後」と「3営業日目」は同じ意味です。
2営業日後は約定日の翌営業日から数える表現で、3営業日目は約定日を1営業日目として数える表現です。
権利付き最終日と権利落ち日
配当金や株主優待を受け取るには、権利確定日に株主として記録される必要があります。
権利確定日に株主として記録されるために買付けが間に合う最終売買日が、権利付き最終日です。
権利付き最終日の翌営業日が、権利落ち日です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 権利確定日 | 配当金や株主優待の対象株主を確定する日 |
| 権利付き最終日 | 権利を取るために株を買っておく最終売買日 |
| 権利落ち日 | この日に売っても、前営業日までに持っていた権利は残る日 |
2026年6月末が権利確定日の銘柄なら、権利付き最終日は2026年6月26日(金)です。
6月26日に買えば受渡日は6月30日となり、6月末の株主として記録されます。
6月29日(月)は権利落ち日です。
この日に買っても、受渡日は7月1日(水)になるため、6月末権利の配当金や株主優待には間に合いません。
2026年6月末権利の例
- 2026年6月26日(金):権利付き最終日
- 2026年6月29日(月):権利落ち日
- 2026年6月30日(火):権利確定日
権利確定日は月末とは限りません。
20日、15日、月中の日付を権利確定日にしている会社もあります。
たとえば20日権利の銘柄では、月末権利の感覚で買うと間に合いません。
株主優待と配当金で失敗しやすい点
株主優待や配当金で多い失敗は、「権利確定日に買えばよい」と考えることです。
実際には、権利確定日に受渡しが完了している必要があります。
そのため、買うべき日は権利確定日ではなく権利付き最終日です。
- 権利確定日に買っても間に合わない
- 権利落ち日に買っても、その権利月の配当金や優待は取れない
- 権利付き最終日の大引けまでに保有していれば、翌営業日に売っても権利は残る
- 貸株サービスを使っていると、株主優待や配当金の扱いが変わる場合がある
優待目的で買う場合は、権利付き最終日だけでなく、継続保有条件、保有株数、貸株設定も確認します。
株主優待の記事では、銘柄ごとの権利月や継続保有条件も個別に確認しておくと失敗を減らせます。
PTS取引の約定日はずれることがある
通常の東京証券取引所の立会時間中に売買した場合は、その日が約定日です。
一方で、夜間PTSなど立会時間外の取引では、証券会社や取引時間帯によって翌営業日の約定として扱われる場面があります。
権利付き最終日の夜間に買っても、その日の権利取りに間に合わないことがあります。
PTSで権利取りを狙うときの注意点
- 夜間取引の約定日がいつ扱いになるかを確認する
- 権利付き最終日の大引け後に買っても、権利に間に合わない場合がある
- PTSは流動性が薄く、価格が通常市場とずれることがある
PTSの取引時間やメリット、注意点は次の記事で整理しています。
売却代金を出金できるのは受渡日以降
株を売ると、証券会社の画面上ではすぐに買付余力へ反映されることがあります。
そのため、売ったお金で別の株を買える場合があります。
しかし、売却代金を銀行口座へ出金できるのは、原則として受渡日以降です。
2026年6月26日(金)に株を売った場合、受渡日は2026年6月30日(火)です。
すぐに生活費や納税資金として使う予定があるなら、売却日ではなく受渡日を基準に資金繰りを考えます。
銀行口座側の入金反映時間も関係するため、証券口座から銀行口座への出金は余裕を持って手続きします。
年末の税金計算も受渡日を意識する
株式の売却益や売却損を年内の損益として扱うには、年内に受渡しが完了する日程で売却する必要があります。
特定口座で損益通算をしたい場合も、年末ぎりぎりの売却では受渡日が翌年になることがあります。
| 約定日 | 受渡日の目安 | 税金計算の扱い |
|---|---|---|
| 2026年12月28日(月) | 2026年12月30日(水) | 年内受渡 |
| 2026年12月29日(火) | 2027年1月4日(月) | 翌年受渡 |
2026年は、12月31日から翌年1月3日までが年末年始の休業期間にあたります。
12月29日(火)に売却しても、受渡日は翌年1月4日(月)になるため、2026年分の損益調整には使えない可能性があります。
年末の損出しや利益調整をするなら、受渡日から逆算して余裕を持って売買します。
差金決済の禁止にも注意する
現物株取引では、差金決済が禁止されています。
差金決済とは、同じ資金で同じ銘柄を同日中に買って売って買う、または売って買って売るような取引で、差額だけをやり取りする形になるものです。
証券会社の画面では注文できないよう制御されることが多いですが、同じ銘柄を短時間で売買する投資家は仕組みを理解しておきます。
たとえば、A株を売った代金だけで同じ日にA株を買い戻した場合、その日のうちに再びA株を売れないことがあります。
別の余力があれば注文できる場合もありますが、受渡日前の資金の扱いが関係するため、デイトレード感覚で現物株を売買すると制約に引っかかります。
約定日と受渡日のチェックリスト
約定日と受渡日で失敗しないために、株を買う前、売る前に次の点を確認します。
- 配当金や株主優待を取りたい銘柄の権利確定日
- その権利月の権利付き最終日
- 権利落ち日に売ってよいか
- PTSや夜間取引の約定日扱い
- 売却代金を出金したい日と受渡日
- 年末の損益調整で受渡日が年内になるか
- 貸株サービスを使っている場合の権利取得設定
権利取りを目的にする場合は、証券会社の権利付き最終日カレンダーを使うと日付の数え間違いを防ぎやすくなります。
ただし、最終的には銘柄ごとの権利確定日、継続保有条件、貸株設定、PTSの約定日扱いまで合わせて確認します。
次に読む記事
権利付き最終日を理解したら、株主優待銘柄ごとの条件も確認しておくと、買付タイミングを間違えにくくなります。
優待クロスや信用取引を使う場合は、受渡日だけでなく逆日歩や在庫、手数料も関係します。
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