相続が発生し、亡くなった家族が生前に株を買っていたことは分かるし、株主総会の通知なども届くけれど、どこの証券会社で管理しているのかがわからなくて困っている……というケースがあるかと思います。

あるいは、自分自身で株を買った記憶はあるけれど、長期間塩漬けにしていて「どこで買ったか忘れた」「ログイン情報もない」というケースもあるかもしれません。

今回はそのような「どの証券会社に株を預けているのかわからない」ときの調べ方について、自宅の書類から探す手軽な方法から、公的機関を使って確実に調べる方法、さらに見落としがちな特殊な株式(端株など)の注意点まで、最新情報を交えて詳しくまとめます。

自宅にある書類や記録から証券会社を調べる方法

公的機関への照会はお金と時間がかかるため、まずは手元にある情報や書類から証券会社を特定できないか探してみましょう。

郵便物(配当金計算書や取引残高報告書)を確認する

株を保有していると、自宅に様々な書類が届きます。これらを確認するのが最も手っ取り早い方法です。

  • 配当金計算書・配当金領収証
    配当金が支払われる時期(主に5〜6月、11〜12月頃)に届きます。この書類には発行会社名や証券コードが記載されており、そこから取引口座をたどる手がかりになります。また、配当金の受取方法が「株式数比例配分方式」と記載されていれば、どこかの証券口座で管理されている証拠となります。
  • 取引残高報告書・保有有価証券残高報告書
    証券会社から定期的に(取引がない場合でも年1回程度)送られてくる書類です。これがあれば、証券会社名がはっきりと明記されています。

銀行の入出金記録から確認する

郵便物が見つからない場合は、銀行の入出金記録からあたるのもよいかと思います。証券会社へ資金を入金した記録、あるいは証券会社からの出金(配当金の振り込み等)の記録が残っている可能性があるので、通帳などで口座の履歴を数年分さかのぼって確認してみるのも一つの手です。

確定申告書類の控えから探す

株式投資の利益を確定申告している場合、その控え(申告書や添付書類)があれば、取引をした証券会社の名称が記載されているはずですので、そこから調べることができます。

ただし、証券会社の口座を「特定口座(源泉徴収あり)」に設定していて確定申告をしていない場合や、そもそも利益が出ていない場合は申告書類が存在しないため、このケースでは利用できません。

証券保管振替機構(ほふり)に開示請求をする

手元の書類でわからない場合は、これが確実な方法となります。ただし、費用と時間がかかります。

証券保管振替機構(通称:ほふり)は、電子化された株式の名義人の管理と名寄せを行っている機関です。そのため、証券保管振替機構に開示請求を行えば、「株式の名義人が、どの証券会社や信託銀行等に口座を開設しているか」を把握することができます。

【注意】ほふりでは「銘柄名」や「残高」はわかりません
ほふりの開示請求でわかるのは、「A証券会社に口座がある」「B信託銀行に口座がある」という口座開設先の金融機関名のみです。具体的にどの会社の株を何株持っているか、といった銘柄の詳細までは開示されません。開設先が判明した後は、ご自身(または相続人)が直接その証券会社へ連絡を取り、残高証明書等の発行を依頼する必要があります。

ほふりの開示請求にかかる費用(2026年最新)

証券保管振替機構のホームページにて手続き方法(登録済加入者情報の開示請求)が紹介されています。以前は1,500円程度でしたが、現在は以下のように費用が改定されています。

請求の種類 開示費用(税込)
本人請求(ご自身の口座を調べる場合) 4,400円
相続人請求(亡くなった方の口座を調べる場合) 6,050円
遺言執行者からの請求 6,050円

※同一株主について複数の調査対象(旧氏名と新氏名など)がある場合、2件目以降は1件につき1,100円の加算となります。
※相続人請求において、法務局発行の「法定相続情報一覧図」を提出した場合は、費用が4,950円(税込)となる特例があります。

開示までにかかる期間と必要な書類

開示請求の書類を郵送してから結果が自宅に届くまで、通常は1か月程度かかります。混雑状況によってはそれ以上、また書類に不備があればさらに日数が延びるケースもあるため、相続手続き(期限のある準確定申告や相続税申告など)に利用する場合は、スケジュールに余裕を持って早めに請求することをおすすめします。

相続人が開示請求できるのは「法定相続人」「法定代理人または任意代理人」「遺言執行者」に限られます。開示請求書と本人確認書類のほか、亡くなった方との関係を証明する戸籍謄本等の書類が必要となります。

機構では、発行会社が株主名簿を作成するために、発行会社に対して株主の情報を通知しておりますが、そのための準備行為として、あらかじめ証券会社等から当該証券会社等に口座を開設している者の住所・氏名等の情報(加入者情報)を受領し、当該情報を加入者情報登録簿に登録しています。
この登録済の加入者情報について、開示請求を行っていただくことによって、株主が株式等に係る口座を開設している証券会社、信託銀行等の名称及び登録内容(住所・氏名等)を確認することができます。

ほふりで確認できない「特殊な株式」の見つけ方

証券保管振替機構(ほふり)は万能に思えますが、実はほふりでは確認できない資産も存在します。以下のケースに該当する可能性がある場合は、別の方法で調査する必要があります。

ほふりで照会できない資産の例

  • 非上場株式(機構の取扱対象外のもの)
  • 外国株式
  • 国債・社債などの債券

これらについては、自宅の郵便物や通帳の履歴から地道に探すか、取引のありそうな証券会社に直接問い合わせるしかありません。

見落としがちな「単元未満株(端株)」の罠

通常の株式は100株単位(1単元)で取引されますが、株式分割や合併などで意図せず発生した100株未満の株を「単元未満株(端株)」と呼びます。

この単元未満株は、証券会社の口座ではなく、発行会社が指定する「特別口座(信託銀行等の管理口座)」に保管されているケースが多く、通常の証券会社の残高証明書には記載されないため、遺産分割の際に見落とすリスクが高いです。

配当金計算書が届いている場合、そこに記載されている「保有株数」が100で割り切れない数字であれば、端株が存在する証拠です。この場合、ほふりの開示結果に信託銀行が「口座管理機関」として表示されることがありますので、その信託銀行へ直接連絡をして特別口座の残高証明書を請求してください。

電子化前の「タンス株」について

2009年に上場株式はすべて電子化(ペーパーレス化)されましたが、それ以前に取得して証券会社に預けず、自宅の金庫などで紙の株券として保管されたままになっている株式を「タンス株」と呼びます。

相続等で株券(タンス株)を発見したときの対応方法と必要な手続きよくいただく質問の一つに、相続で自宅から株券が見つかったけどどうしたらいいのか?という内容があります。 故人の遺品整理などをする中...

これら電子化されていないタンス株も、ほふりでは照会できません。もし自宅から古い紙の株券が見つかった場合は、その株式を発行している会社の「株主名簿管理人(主に三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行などの信託銀行)」に直接問い合わせる必要があります。

まとめ

故人の保有株などは、もしかしたら複数の証券会社に分けて預けているケースも十分に考えられます。自宅の書類や通帳を確認しても全容がわからない場合は、手数料と時間はかかりますが、「証券保管振替機構(ほふり)」の開示請求を利用するのが最も網羅的で確実な手段です。

それでも見つからない外国株式や端株、タンス株が存在するリスクも念頭に置き、一つずつ丁寧に対応していくことが大切です。

以上、株主であることは間違いないけれど、どの証券会社で保有しているかわからないときの調べ方まとめでした。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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