年金振込口座の公金受取口座への登録案内を確認するシニア夫婦のイメージ

2026年8月から、対象となる年金受給者へ「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」が簡易書留で届きます。

この封書で最も大切なのは、登録したい人は原則として何もしない、登録したくない人は同封の不同意申出はがきを返すという、通常の申請とは逆に見える仕組みです。

何もしなければ、確認期間の経過後に現在の年金振込口座が公金受取口座として登録されます。ただし、年金の振込先そのものが変更される制度ではありません。

この記事の結論

  • 登録を希望するなら、意向確認書が届いても原則として返送は不要です。
  • 登録を希望しないなら、同封の不同意申出はがきを案内された期限内に返送します。
  • 意向確認期間は、書類の到着から最低45日間確保されます。
  • 記載された年金振込口座とは別の口座を登録したい場合は、マイナポータルまたは対応金融機関で別に手続きします。
  • 登録しても、国が預金残高や取引履歴を見たり、口座から勝手に引き出したりすることはありません。

意向確認書が届いたら何をする?行動は3通り

茶色の封筒が届いたら、まず宛名、記載されている金融機関名・支店名・口座の下4桁、不同意の回答期限を確認します。

そのうえで、次の3通りから自分の希望に合う行動を選びます。

希望すること結果
記載された年金口座を登録したい原則として何もしない確認期間の経過後に登録手続きが進む
公金受取口座を登録したくない同封の不同意申出はがきを返送今回の特例では登録されない
別の口座を登録したいはがきで不同意を示し、マイナポータルや金融機関で希望口座を登録自分で選んだ別口座を公金受取口座にできる

登録したい人が、勘違いして不同意申出はがきを返してしまうと「登録を希望しない人」として処理されます。

返信する前に、はがきが「同意書」ではなく「不同意の申出」であることを確認してください。

高齢の家族のところへ封書が届いた場合は、家族が勝手に処分せず、本人の意思を確認します。公金受取口座は1人1口座なので、夫婦で同じ名義の口座を登録することはできません。それぞれ本人名義の口座を判断します。

誰に届く?65歳以上でも届かない人がいる

送付対象の基準日は2026年4月15日です。この時点で65歳以上、つまり1961年4月16日以前生まれで、日本年金機構から年金を受給している人が基本対象です。

ただし、次に当てはまる人には送付されません。

送付されない主なケース理由
公金受取口座をすでに登録済み新たな意向確認が不要
2026年4月に年金が支払われなかった全額支給停止、振込不能など
国外に居住している今回の特例の対象外
共済組合などから支給される年金だけを受給日本年金機構が振り込む口座情報の対象外
2025年6月以降の年金請求で登録意思を表示済みすでに別手続きで意思確認済み

対象になりそうなのに届かない場合でも、2026年8月に一斉送付されるわけではありません。送付は2027年2月ごろまで順次行われる予定です。

転居後に日本年金機構へ住所変更が反映されていない、郵便物が不達になったといった場合は登録対象から外れることがあります。年金関係の住所を確認しておきましょう。

放置すると登録される仕組みと45日の期限

意向確認書が届いた後、最低45日間の確認期間が置かれます。その間に不同意の回答がなければ、登録に同意したものとみなされます。

日本年金機構からデジタル庁へ、口座情報と登録に必要な本人情報が提供され、デジタル庁が登録します。登録結果は後日通知されます。

封書到着後の流れ
  1. 簡易書留で意向確認書を受け取ります。
  2. 口座情報と回答期限を確認します。
  3. 登録希望なら返送せず、不同意なら同封はがきを返します。
  4. 到着から最低45日の確認期間が経過します。
  5. 不同意がなければ、日本年金機構からデジタル庁へ情報が提供されます。
  6. 登録完了後、デジタル庁から結果通知が届きます。

登録完了は封書を受け取った直後ではありません。給付金申請を急いでいて公金受取口座をすぐ使いたいなら、この特例の完了を待つより、マイナポータルや金融機関で直接登録する方が早い場合があります。

年金振込先と公金受取口座は別の設定

公金受取口座は、給付金、還付金、各種手当などを受け取るため、行政機関へあらかじめ登録する口座です。

今回登録されるのは「公金受取口座の情報」であり、年金の受取金融機関を変更する手続きではありません。

変更したいもの必要な手続き
公金受取口座だけを別口座へ変更マイナポータルまたは対応金融機関で変更
年金の振込先だけを変更年金受給権者 受取機関変更届などの手続き
両方を同じ新口座へ変更公金受取口座と年金振込先をそれぞれ手続き

「公金受取口座を変えたから、次回の年金も新口座へ振り込まれる」と思い込むのは危険です。年金振込先の変更は別に確認してください。

登録すると得すること、心配しなくてよいこと

公金受取口座を登録しておくと、対象となる給付金や還付金の申請で口座情報の記入、通帳写しの提出、行政側の口座確認を省ける場合があります。

災害や物価高対策など、対象者へ迅速な給付が行われる場面では、手続きの手間を減らせるのが実益です。

登録で行政へ伝わるもの:本人名義の金融機関名、支店、口座番号など、給付に必要な口座情報です。

登録だけでは伝わらないもの:預金残高、入出金明細、他の銀行口座の一覧です。

できないこと:行政が公金受取口座から税金や保険料を勝手に引き落とすことです。

口座情報を行政へ登録したくないという考えも選べます。その場合は、封書を放置せず不同意申出はがきを返送します。後から必要になれば、自分のタイミングで登録できます。

詐欺と本物の案内を見分ける

対象の案内は日本年金機構から簡易書留で届きます。登録希望者にATM操作、暗証番号、インターネットバンキングのパスワード、手数料の振込を求める制度ではありません。

電話やSMSで「今すぐ操作しないと年金が止まる」「口座を確認するため送金してほしい」と言われたら、案内に記載された番号へ折り返さず、日本年金機構の公式サイトにある連絡先を自分で調べて確認します。

公金受取口座を登録しないことを理由に、年金の支給が止まることはありません。

暗証番号やワンタイムパスワードを聞かれても答えないでください。

マイナンバーと銀行口座の基本的な安全性や登録制度は、次の記事でも整理しています。

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よくある質問

登録したい場合もはがきを返しますか

返しません。同封されるのは不同意を申し出るためのはがきです。登録を希望する場合は、原則として何もしないで確認期間の経過を待ちます。

不同意はいつまでですか

意向確認の期間は書類到着から最低45日間です。実際の回答期限は届いた書類に記載される日付を優先し、余裕を持って投函してください。

放置して登録された後でも消せますか

マイナポータルや対応金融機関で、公金受取口座の変更・抹消ができます。ただし、登録完了通知を確認してから手続きします。

年金が別口座へ振り込まれるようになりますか

なりません。今回の手続きは現在の年金振込口座を公金受取口座として登録するもので、年金の振込先変更は別手続きです。

封書は「返すか返さないか」を先に決める

意向確認書が届いたら、記載口座を公金受取口座にしてよいかを最初に判断します。よければ返送不要、嫌なら不同意申出はがきを期限内に返送、別口座がよければ別の登録手続きを進めます。

高齢の家族に届いた場合も、本人の意思、口座名義、回答期限の3点を一緒に確認すれば迷いにくくなります。

記載内容は2026年7月15日時点です。封書に記載された個別の回答期限と案内を優先してください。

参照:日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」

参照:デジタル庁「年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録」

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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