老後の年金資産を有利に積み上げていくことができるiDeCo(個人型確定拠出年金)が人気を集めています。

かつて、加入できる対象に専業主婦(第3号被保険者)は含まれていませんでしたが、現在では主婦や公務員、企業年金加入者も加入できるようになっています。さらに、2026年12月からは法改正によりiDeCoの加入可能年齢が「最大70歳未満」まで拡大されるなど、制度のアップデートが続いています。

そうした背景もあり、老後のために個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入しようか悩んでいらっしゃる主婦の方も多いかもしれません。

はたして専業主婦がiDeCoに加入するのは得なのか、損なのか?主婦にとってのiDeCoのメリット、デメリット、そして新NISAとの比較について分かりやすく分析していきます。

確定拠出年金とは何か?

確定拠出年金は、国民年金や厚生年金などの公的年金の上乗せとして利用可能な「自分用の年金制度」です。
企業が掛け金を拠出する企業型年金(企業型DC)と、個人の意思で加入して掛け金を支払う個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類があります。

iDeCoは、掛け金の全額が所得控除の対象となることや運用益が非課税になるといった税制上の大きなメリットがあり、近年加入者を増やしています。

個人型確定拠出年金の仕組みやメリット、デメリットについては「個人型確定拠出年金のメリット・デメリット」でまとめているのでこちらをご覧ください。

2017年の制度改正以降、主婦(第3号被保険者)や公務員も加入できるようになり、現在では基本的に20歳以上であれば誰でも加入することができる年金制度となっています。

それを受けて、専業主婦がiDeCoを利用することにメリットがあるのかどうかを詳しく調べてみました。

主婦が加入できる個人型確定拠出年金(iDeCo)の基本

なお、今回の「主婦」というくくりは、サラリーマンや公務員の妻である「第3号被保険者」という意味で使用させていただきます。ご主人が個人事業主などで第1号被保険者である場合、妻も第1号被保険者となります。そのケースでは、専業主婦であっても個人事業主と同じ条件でiDeCoに加入することになります。

第3号被保険者とは?

第3号被保険者は、第2号被保険者(社会保険に加入している会社員や公務員)の配偶者のうち、自身ではパート先などの社会保険に加入しておらず、年間の収入見込みが130万円未満の方を指します。

第3号被保険者は第2号被保険者の社会保険上の被扶養者となるため、健康保険料や国民年金保険料の支払いが事実上免除されています。

第3号被保険者制度の将来に関する注意点
2025年〜2026年にかけて、この第3号被保険者制度については「廃止」または「縮小」に向けた政治議論が活発化しています。主要金融機関の解説資料でも「制度廃止が議論されている」と注記されるほどです。もし将来的に第3号制度が廃止や見直しとなった場合、主婦の方のiDeCoへの加入メリット・デメリットの構造も大きく変化する可能性がある点には留意が必要です。

主婦(第3号被保険者)のiDeCo掛金と2026年12月の制度改正

第3号被保険者(主婦)のiDeCoの月々の掛け金上限額は「月額23,000円(年間最大276,000円)」です。

【2026年12月以降のiDeCo法改正のポイント】

  • 加入可能年齢の拡大:これまで「原則60歳未満(または65歳未満)」だった加入年齢が、「最大70歳未満」まで引き上げられます。これにより、長く拠出を続けられるようになります。
  • 掛金上限の変更:公務員や企業年金のある会社員は掛金上限の変更がありますが、第3号被保険者(主婦)の掛金上限は「月額23,000円」のまま変更ありません

主婦がiDeCo(イデコ)に加入するメリット

まずは主婦にとってのメリットからまとめていきたいと思います。結論から言うと、iDeCo最大の魅力である「掛金の全額所得控除(節税効果)」は、収入がない専業主婦にとっては意味がありません。
そのため、メリットは主に以下の点に限られます。

運用期間中の運用益が非課税になる

確定拠出年金(iDeCo)の場合、投資信託などの運用で得られた利益に対する税金(通常は約20%)が「非課税」となります。これは長期間にわたって複利効果を得ながら資産を増やす上で、確実なメリットと言えます。

パート収入がある場合は所得控除が使えるケースも

2018年の配偶者控除の見直しにより、配偶者控除(満額)を受けられる妻の年収上限が150万円に引き上げられました。そのため、「所得税が発生する103万円」を超えて「社会保険の扶養上限である130万円」未満で働くパート主婦の場合、103万円を超えた部分の収入に対して所得税と住民税がかかります。

この場合、iDeCoに加入して掛金を支払えば、その掛金分を所得から差し引くこと(所得控除)ができ、節税効果を得ることが可能です。
ただし、年収130万円未満であればそもそもの税率が低いため(所得税5%+住民税10%)、高収入の会社員が得られるような大きな節税効果は期待できません。

主婦がiDeCo(イデコ)に加入するデメリット・注意点

続いては主婦が個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用するときの注意点やデメリットなどをまとめていきます。

掛け金の節税メリットがないのに、受取時には課税対象になる

iDeCoの大きなメリットは掛け金が全額非課税(所得控除)となる点ですが、収入がない専業主婦の場合、そもそも差し引くべき所得がないため非課税メリットはゼロです。

一方で、将来iDeCoの資金を受け取る際には、受け取ったお金は「収入」として扱われ、課税の対象となります。
サラリーマンなどの場合「拠出時の非課税による節税額 > 年金受取時の税負担」となるためお得なのですが、専業主婦の場合は拠出時のメリットがないまま将来の受取時に税金がかかる可能性があるというアンバランスな状態になります。

ただし、現実問題としてiDeCoを一時金として受け取る場合は「退職所得控除」という大きな非課税枠が使えます。専業主婦の方であれば会社からの退職金と合算される心配がないケースが多いため、実質的に無税で受け取れる可能性が高いです。

【2026年1月からの受取ルールの変更(10年ルール)に注意】
2026年1月より、iDeCoと会社の退職金を両方受け取る場合の「退職所得控除」の通算期間ルールが変更されました。以前は「5年空ければ」控除枠が復活していましたが、現在は「9年以上(実質10年ルール)」空けないと控除枠が重複排除されるようになりました。
専業主婦で会社退職金がない方には影響が少ないですが、将来扶養を外れて働き、会社の退職金も受け取る可能性がある方は、受取タイミングに注意が必要です。

手数料(口座管理費用)がかかる

iDeCoは加入時や、毎月の運用期間中に「口座管理手数料」などの費用が発生します。
金融機関によって異なりますが、年間で2,000円〜5,000円程度の手数料がかかるのが一般的です。所得控除による節税メリットがない専業主婦にとって、この手数料負担は運用において純粋なマイナス要因(コスト)となります。

iDeCoの掛金を払っても、社会保険の「130万円の壁」は回避できない

「iDeCoの掛け金分が所得控除されるなら、その分パートでたくさん稼いでも社会保険の扶養から外れないのでは?」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、それは誤りです。

社会保険(健康保険・厚生年金)における扶養の判定は、税金の計算とは異なり「額面の収入見込み額(交通費含む)」で行われます。したがって、iDeCoの掛金をいくら払おうと、収入見込みが130万円(企業規模によっては106万円)を超えれば扶養から外れてしまいます。

【2026年最新】パート主婦の「年収の壁」とは?178万・130万・106万の壁と制度改正を徹底解説夫の収入だけでは足りないということで、家計の足しにするためにパート・アルバイトなどをしている主婦の方も少なくないかと思います。 そ...

夫が妻のiDeCo掛金を支払い、夫の所得控除にすることはできる?

国民年金保険料の場合、「収入がない子供の国民年金保険料は親が払うことで所得税・住民税が安くなる」のように世帯主が支払って自分の所得控除(社会保険料控除)にできる制度があります。

しかし、iDeCo(イデコ)の場合は、妻の掛金を夫が支払って夫の所得控除にすることは法律上認められていません。iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」という本人のみが対象となる控除だからです。

【結論】主婦ならiDeCoよりも「新NISA」が圧倒的におすすめ

以上を踏まえて主婦の老後資金作りを考えるなら、「iDeCo」よりも「新NISA」を活用する方がメリットが大きいと断言できます。

新NISAならデメリットなしで運用益が非課税に

2024年にスタートした「新NISA」は、旧制度(つみたてNISA・一般NISA)から大幅に拡充されました。

  • 年間投資枠の拡大:つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)合わせて年間最大360万円まで投資可能。
  • 非課税期間が無期限:運用で得た利益に対する税金が「一生涯・無期限」で非課税になります。
  • 引き出しが自由:iDeCo最大のデメリットである「原則60歳(または70歳)まで資金が引き出せない」という縛りがなく、子供の教育費や住宅購入など、必要な時にいつでも売却して引き出すことが可能です。
  • 口座維持手数料が無料:iDeCoのように毎月の口座管理手数料がかかりません。

専業主婦にとっては、iDeCoの「所得控除」という最大のメリットが活かせない上、毎月の手数料がコストとなり、さらに資金がロックされるという大きなデメリットが残ります。

一方の新NISAであれば、資金の流動性を確保したまま、iDeCoと同じ「運用益の非課税」というメリットを最大限に享受できます。

つみたてNISAが2018年スタート。積立NISAのメリット、デメリット。一般NISAとの比較2018年1月から少額投資非課税制度(NISA)に3番目の制度が加わります。それがつみたてNISAと呼ばれるものです。非課税の限度額が年...

もし「老後のためにお金を運用したい」と考えている主婦の方がいらっしゃれば、まずはiDeCoよりも先に、手数料無料でいつでも引き出せる「新NISA」の口座を開設し、非課税枠を活用することをおすすめします。

以上、専業主婦がiDeCo(イデコ)に加入するメリットとデメリット、そして新NISAとの比較について解説しました。

ABOUT ME
アバター画像
ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
【おすすめ】楽天モバイル三木谷キャンペーン

今、一番おすすめのモバイル回線は「楽天モバイル」です。

今は『楽天モバイル』が最強。楽天リンクを使えば通話かけ放題だし、パケットも使い放題で月々3,168円。データ通信をあんまり使わない人は1,078円で回線を維持できます。
さらに、家族と一緒なら110円OFF。

今なら三木谷社長からの特別リンクから回線を作ると、他社からMNPで14,000ポイント。新規契約なら11,000ポイントもらえるぶっ壊れキャンペーン中。

>>三木谷キャンペーン申し込みはこちら