交通事故というものはどのようなタイミングで起こるかわかりません。特に自動車を運転する場合はどれだけ注意を払っていたとしても事故を起こしてしまうこともあります。そんな事故の加害者となってしまう可能性ももちろんゼロではありません。

もしも、あなたがそんな事故の加害者となったとき、取るべき対応、取ってはいけない対応や行動について説明していきます。また、交通事故の加害者となったときにも十分に対応するための保険についても説明します。

自動車保険(任意保険)への加入は絶対必要

自動車保険には確実に加入しておきましょう。
ベースとしては「対物無制限」「対人無制限」の二つは基本です。こうしておくことで加害者となったときでも相手に対する補償はほぼカバーできます。さらに言えば、下記の特約もつけておくとより安心です。

・超過修理費特約
相手の自動車などの修理費用が時価を超える場合には通常、時価の範囲内までしか保険ではカバーされません。この特約をつけておけば超過分でも保険対象となります。
たとえば、年式の古い自動車は時価はほとんどゼロに近い場合があります。そんな車と事故を起こして修理費用が多額に上ったケースでは保険会社は時価以上を補償してくれません。この特約を付けておけばまず安心です。
※ただし、一般的には50万円程度の補償上限額が設けられているため、無制限にカバーされるわけではない点には注意してください。

あとは保険が適用されないという状況だけは絶対に作らないことです。

代表的なものは「家族限定」「配偶者限定」「30歳以上限定」などの限定特約を付けている状態で、保険対象者以外の人が運転することが挙げられます。これだけは絶対に避けましょう。

基本的に上記を守っていれば、万が一交通事故をおこして加害者となったときでも、経済的理由で事故被害者に補償ができないということはなくなります。

示談代行についての注意点
保険会社が示談交渉を代行できるのは、保険会社に支払責任が発生する(加害者に過失がある)場合のみです。免責事故や無責事故などでは代行できないという条件があることは覚えておきましょう。

ちなみに、今回のケースとは真逆ですが、被害者となったとき、100:0の交通事故では示談交渉を自分自身で行う必要があります(弁護士法第72条の非弁行為の禁止により、当事者ではない保険会社が入れないため)。その場合に備えて「弁護士費用特約」をセットしておくと安心できます。

なお、自動車保険(任意保険)に加入していない方は以下の記事を参考にしてください。

任意保険に未加入で事故を起こしてしまったら?

もしも任意保険に加入していない状態で加害者となってしまった場合、自賠責保険の補償上限を超える損害賠償は、全額自己負担となります。重大な事故の場合、賠償金が数千万円から数億円に上ることもあり、自己破産に至るケースも少なくありません。

さらに、保険会社による示談交渉の代行が受けられないため、相手方との交渉もすべて自分自身で行わなければなりません。このような状況に陥った場合は、早急に交通事故に強い弁護士へ相談し、対応を依頼することを強くお勧めします。

事故を起こしてしまったときの初期対応

まず、事故を起こしたときには、道路交通法第72条により定められた「救護義務」「危険防止措置義務」「報告義務」を果たす必要があります。これらに違反すると処罰(ひき逃げ等)の対象となるため、必ず以下の手順で対応してください。

1. 運転を止めて事故の状況を確認

けが人の有無や車両同士の事故であれば損傷程度を確認します。道路の真ん中などでの事故の場合、自走可能であれば他の車両の迷惑にならない位置にまで車を動かします。

2. 負傷者の救護措置(救護義務)

事故で怪我人がいる場合は救護措置を行います。119番通報や応急措置など、人命を第一に考えた行動をとってください。

3. 危険防止措置(危険防止措置義務)

二次事故の発生を予防するため、必要に応じて後続車両の誘導を行います。発煙筒や三角表示板なども利用して事故があったことを知らせます。

4. 警察への通報(報告義務)

事故の程度にかかわらず必ず行ってください。基本的には上記の緊急措置義務を果たしてからの通報で問題ありません。警察への届け出は保険金を請求する交通事故証明書の交付に必要です。違反点数などを恐れて警察を呼ばないというのは絶対にやめてください。

5. 相手との情報交換と証拠保全

警察の到着を待つ間、相手の氏名・住所・電話番号・ナンバープレート・加入している保険会社と証券番号などを交換しておきましょう。
また、後々の過失割合の争いを防ぐため、安全が確保できた上で、スマートフォンによる現場写真の撮影や、ドライブレコーダーの映像保存を行っておくことが非常に重要です。

6. 保険会社への速やかな連絡

事故後、速やかに加入している自動車保険の会社(または代理店)に連絡してください。連絡が遅れると保険が適用されないリスクがあります。

加害者が負う3つの法的責任交通事故の加害者となった場合、以下の3つの責任を負うことになります。

1. 刑事責任
過失運転致死傷罪(7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)や、ひき逃げ(10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)などに問われる可能性があります。

2. 民事責任
被害者に対する損害賠償責任です。治療費、休業損害、逸失利益、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料などが含まれます。

3. 行政責任
交通違反に対する行政処分です。違反点数制度により、免許の停止や取消しが行われます(例:ひき逃げの場合は35点で即免許取消となります)。

事故を起こした後の被害者との示談交渉について

完全に加害者と被害者に分かれるケースもあれば、双方に過失割合があるケースもありますが、いずれの場合でも交通事故を起こした場合にはその損害を賠償するための示談交渉が行われることになります。

示談交渉で双方の過失割合や慰謝料などを決めることになりますが、基本的には自動車保険(任意保険)の損害保険会社が代行することができるようになっているので、交渉事は「保険会社に任せる」のに限ります。

示談開始のタイミングと慰謝料の基準
示談交渉は事故直後に行われるわけではなく、一般的に被害者の怪我の治療が終了し「症状固定」となってから始まります。後遺障害認定が絡む場合はさらに長期化します。
また、慰謝料の算定には「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判基準(弁護士基準)」の3つが存在し、最も高額になるのが裁判基準(弁護士基準)です。

その一方で加害者という立場にある場合は、被害者に対して誠意ある対応をすることが求められます。被害者の心証が悪くなると、まとまる示談交渉もまとまらなくなります。刑事罰の対象となる事故の場合、相手の心証が悪いと処分が重くなるケースもあります。

被害者に対する対応のポイントは「お見舞いなどに入って、お詫びの気持ちは見せるけれども、金銭的な交渉についてはすべて保険会社に一任しているので、申し訳ないがそちらとお話してください」という立場をとることです。

なお、示談がどうしてもまとまらない場合は、交通事故紛争処理センターなどのADR(裁判外紛争解決手続)や調停を経て、最終的に裁判へ移行する流れとなります。

事故の加害者となったとき絶対にやってはいけないこと

交通事故を起こしてしまったとき、加害者となってしまったときに絶対にやってはいけないことをまとめます。以下の項目は確実に守るようにしてください。

勝手に念書は書いてはダメ

事故を起こした相手から求められて、あるいは自分自身から「自分が100%悪い」という内容の念書を書くのは絶対にやめてください。交通事故における過失割合などは最終的には損害保険会社を交えた判断となります。

勝手なことをせず、念書などを求められても「事故の賠償に関する示談交渉は損害保険会社を通じて行います」と伝えてください。

勝手にお金を払うのもダメ。見舞金を個人で払うのもやめておこう

慰謝料にあたるお見舞金などを個人的に支払うのはNGです。示談が未成立の段階で行ってはなりません。ただ、現金ではなく一般的なお見舞いの品を持っていくのは問題ありません。3000円から5000円程度の菓子折りやフルーツ、お花などが一般的です。

トラブルになっている場合は、食品だと後ほど難癖をつけられる可能性も排除できないので、無難なお花にしておくのも一つの方法です。

とにかく事故相手に支払うお金に関してはすべて保険会社に任せる

重ねて書きますが、自動車保険に加入しているのであれば『賠償』に関することの一切は保険会社に任せるようにしましょう。被害者側から「保険会社は応じないから、あなたが応じろ」というような要求があるかもしれませんが、「賠償に関してはすべて保険会社に任せておりますので、そちらと交渉してください」といえばOKです。

相手の質が悪いような場合は会話を録音しておきましょう。度が過ぎた要求は「恐喝」となります。

保険に入っているから、責任はないというのは間違い

その一方で、保険に入っているから自分には全く責任がないという態度をとるのは絶対にやめてください。交通事故の加害者となった場合、事故を起こしたのはあなたであり、あなたに責任があります。

保険というのはあくまでもその事故を起こした責任の中で、金銭的な部分だけを補償してくれるものです。保険に入っているから自分は事故の被害者と関係ないといったような態度をとる加害者の方もいますが、これは大きな間違いです。

事故加害者としての責任を果たしつつも余計なトラブルには巻き込まれないように

交通事故の加害者になるというのは全くありえないという話ではありません。

ただ、任意保険(自動車保険)に入っていれば、万が一こうした事故が起こった場合でも、適切に行動すれば被害額をしっかりと補償してもらうことができます。

まずは、しっかりとした補償がでるレベルの自動車保険に加入をしておくこと(できれば超過修理費特約もつけておく)。その上で被害者には誠意を持った対応をしつつ、事故被害に関する金銭的な示談交渉は100%損害保険会社に一任するというのが、円滑に事故処理を進めるうえで重要な流れといえるでしょう。

以上、自動車事故の加害者になってしまったときに取るべき対応、NG対応のまとめでした。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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