ソーシャルレンディングはおすすめしない?仕組み、危険性、投資前の確認ポイント
ソーシャルレンディングは、投資家から集めたお金をファンド業者を通じて企業などに貸し付け、返済利息などを分配する投資の仕組みです。
高い予定利回りが目立つ一方で、元本保証ではなく、返済遅延や貸し倒れが起きることもあります。
この記事では、ソーシャルレンディングを初心者に積極的にはすすめにくい理由と、どうしても投資する前に確認したい項目を整理します。
この記事の要点
- ソーシャルレンディングは融資型クラウドファンディングの一種です。
- 仲介者は第二種金融商品取引業の登録が必要です。
- 登録業者でも、金融庁や財務局が信用力を保証するわけではありません。
- 高利回りの案件ほど、貸付先の返済遅延やデフォルトのリスクを見ます。
- 貸付先、担保、資金使途、回収方針が理解できない案件には申し込まない判断が必要です。
ソーシャルレンディングの仕組み
金融庁は、ソーシャルレンディングを「インターネットを用いてファンドの募集を行い、投資者からの出資をファンド業者を通じて企業等に貸し付ける仕組み」と説明しています。
投資家はファンドに出資し、ファンド業者が借り手企業などに貸し付けます。
借り手が返済と利払いを行うと、ファンド業者を通じて投資家に分配や償還が行われます。
見た目はネット上で少額から申し込める投資サービスですが、中身は貸付債権を通じた信用リスクを負う投資です。
クラウドファンディング全体の種類はクラウドファンディングの基礎で整理しています。
初心者にすすめにくい理由
ソーシャルレンディングを初心者の主力運用にしにくい理由は、価格変動が見えにくいことです。
株式や投資信託は日々の価格が動くため損益が見えますが、ソーシャルレンディングは平常時には分配が続き、問題が表面化した時に一気に延滞や元本毀損として出ることがあります。
値動きが小さく見えることは、「リスクが小さい」を意味しません。
貸付先の業績、資金使途、担保価値、返済原資を投資家が直接確かめにくい案件では、情報の非対称性が大きくなります。
| リスク | 起きること | 投資前に見る点 |
|---|---|---|
| 返済遅延 | 分配や償還が予定日に行われない | 過去の遅延実績、延滞時の報告方針 |
| デフォルト | 元本の一部または全部が戻らない | 借り手の財務、返済原資、担保 |
| 情報開示不足 | 貸付先や資金使途を判断できない | 貸付先名、所在地、事業内容、利害関係 |
| 流動性 | 途中で換金できない | 運用期間、中途解約の可否 |
| 事業者リスク | ファンド業者の破綻や不正で影響を受ける | 登録状況、行政処分歴、分別管理 |
金融庁が注意喚起している点
金融庁は、ソーシャルレンディングの仲介者は第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があると説明しています。
無登録業者による募集は、詐欺的な商法である可能性が高いため、一切関わらないよう注意喚起しています。
登録業者であっても、金融庁や財務局がその業者の信用力を保証しているわけではありません。
金融庁の資料では、貸付先の属性、貸付条件、資金使途、担保情報、回収方針、返済遅延に関する情報などが、投資判断に必要な情報の例として挙げられています。
申込前の確認リスト
- 第二種金融商品取引業の登録番号を確認できるか
- 過去に行政処分や重大な延滞がないか
- 貸付先の商号、所在地、事業内容が開示されているか
- 資金使途と返済原資が具体的か
- 担保の有無、評価額、評価方法が説明されているか
- 延滞時や期限の利益喪失時の回収方針が説明されているか
- ファンド業者自身の財務や分別管理の状況を確認できるか
このリストを読んでも投資判断に必要な情報を理解できない場合、その案件には申し込まないほうが安全です。
金融庁の注意喚起も、情報提供の内容が理解できない場合は申込みを行わないよう求めています。
高利回り案件の見方
予定利回りが高い案件は、低金利の銀行預金より魅力的に見えます。
しかし、借り手が高い金利を払ってまで資金を借りる理由を考える必要があります。
銀行から低利で借りられる企業なら、わざわざ高い調達コストを負う理由は小さくなります。
もちろん、スピードや担保条件などの事情でファンドを使う企業もあります。
その場合でも、なぜその利回りになるのか、担保や返済原資で説明できるかを見ます。
避けたい案件の特徴
- 利回りだけが目立ち、貸付先の説明が薄い
- 担保ありと書かれているが評価方法がわからない
- グループ会社や関係会社への貸付で利害関係の説明が弱い
- 短期で高利回りなのに返済原資が具体的でない
- 延滞発生時の報告や回収方針が見えない
投資するなら上限額を先に決める
それでもソーシャルレンディングに投資するなら、先に上限額を決めます。
生活費、教育資金、住宅購入資金、近い将来に使うお金を入れる投資ではありません。
一つのファンドに集中せず、事業者、貸付先、期間、資金使途を分けます。
ただし、分散しても市場全体のトラブルや事業者リスクは消えません。
分散は損失を小さくするための工夫であり、元本を守る保証ではありません。
他の投資との違い
ソーシャルレンディングは、株式のように日々売買できる投資ではありません。
投資信託のように分散された市場全体へ投資する商品とも違います。
株式投資型クラウドファンディングは未上場株への出資であり、ソーシャルレンディングは貸付型です。
リターンの源泉が違うため、同じクラウドファンディングという言葉でまとめず、別の投資として判断します。
株式投資型の特徴は株式投資型クラウドファンディングの記事で確認できます。
初心者が先に整えたい運用
資産形成の土台がまだできていない人は、ソーシャルレンディングより先に生活防衛資金、低コストの分散投資、税制優遇制度を整えるほうが扱いやすいです。
ソーシャルレンディングは、資産運用の中心ではなく、仕組みとリスクを理解した人が余裕資金の一部で検討する位置づけです。
投資のリスク許容度は生活防衛資金とリスク許容度の記事で、投資コストの考え方は投資の手数料を下げる方法で整理しています。
次に読む記事
貸付型だけでなく、クラウドファンディング全体、株式投資型、未公開株のリスクも合わせて確認すると、投資対象を混同しにくくなります。
参考:金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」、金融庁「ソーシャルレンディング 高い利回りの情報だけで投資をしていませんか」
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