定期預金の解約の方法。解約に必要な物や本人以外が解約する方法
定期預金として預けていたけど、急にお金が必要になって解約したいというケースもあることかと思います。あるいは、預入時よりも有利な金利の定期預金や運用商品が見つかったから、解約して乗り換えをしたいと考えるケースもあるでしょう。他にも、本人がどうしても銀行や郵便局にいけない状況で解約が必要な場合や、ご家族の相続による解約手続きが必要な場合もあります。
今回は、そんな様々な定期預金の解約方法や必要な物、事前に知っておくべき中途解約のデメリットや注意点などを詳しく紹介していきます。
定期預金の解約はいつでもできる
定期預金という金融商品は、原則として「満期」まで解約しないことが前提となっています。満期まで持つことを銀行と約束する代わりに、普通預金よりも高い金利が付与されているわけです。
ただ、定期預金は満期前に解約できないわけではありません。急な資金の入り用などがあれば、期限前でも中途解約することができます。
ただし、一つだけペナルティがあります。解約の際には当初約束していた金利(約定利率)ではなく、中途解約利率と呼ばれるペナルティー金利が適用されます。あくまでも受け取れる金利が低くなるだけであり、元本割れが起こるようなことはありませんのでご安心ください。
なお、ゆうちょ銀行(郵便局)の「定額貯金」「定期貯金」も定期預金と同様に解約可能です。定額貯金や定期貯金については以下の記事で詳しく説明しています。
満期5年、金利0.5%の定期預金に100万円を預けていたとします。(※金利は計算を分かりやすくするための例示です)
途中でお金が必要になって1年後に解約した場合、本来なら0.5%の金利が適用されるはずですが、中途解約利率となり、金利が0.05%に下がってしまいました。
結果として解約時には、100万円の元本と「100万円×0.05%=500円(税引前)」の利息を受け取るという形になります。なお、実際の定期預金の金利計算は日割りで行われます。
中途解約のもう一つのデメリット:同じ条件で再預け入れできない
中途解約利率が適用されること以外にも、中途解約には大きなデメリットがあります。それは、「解約してお金を再び預け直そうと思っても、当初の約定金利と同じ条件が保証されるわけではない」ということです。
定期預金の金利は市場環境によって変動するため、中途解約して再度預け入れる際には、より低い金利しか提示されない可能性があります。特に金利低下局面では、解約と再預け入れの組み合わせが将来的な利息の大幅な減少を招くデメリットになり得ます。
金利上昇時の「解約して預け替え」は損か得か
上記とは逆に、市場の金利が上昇している局面では「今預けている定期預金を解約して、もっと金利の高い別の定期預金に乗り換えた方がお得なのでは?」と考える方も多いでしょう。
実際に2026年現在は日銀の利上げなどの影響を受け、定期預金の金利として年1.2〜1.3%以上の好金利を提示する金融機関も出てきています。以前の低金利(例:0.2%など)で預けていた定期預金を中途解約して預け替えることの損得を検討する際は、以下の計算が必要です。
- 中途解約によって失う利息:(当初の約定利率 - 中途解約利率) × 預入済み期間
- 高金利預金で新たに得られる利息: 新金利 × 残り期間
この2つを比較し、新たに得られる利息が失う利息を上回るのであれば、預け替え(乗り換え)が有利になります。ただし、この場合も「再預け入れ時の金利は将来も保証され続けるわけではない」という点には注意して判断してください。
定期預金の解約に必要な物
定期預金を窓口で解約する際に必要なものは下記の通りです。なお、まとめて数千万円を解約したいというような高額な出金を行う場合には、現金の準備などの都合があるため、事前に銀行(解約に行く支店)へ連絡しておくとスムーズです。
- 通帳
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、顔写真付きのマイナンバーカードなど)
- 暗証番号(覚えておけばOK)
- 印鑑(※印鑑不要の銀行も急増しています)
銀行の印鑑レスと営業時間の柔軟化について
これまで銀行窓口といえば「印鑑が必須」で「営業時間は15時まで」というのが常識でしたが、現在は大きく変化しています。
ネット銀行はもともと印鑑不要ですが、実店舗を持つ銀行でも、顔写真付きの本人確認書類があれば印鑑なしで解約できる銀行が増加しています。たとえばイオン銀行では、2026年5月末をもって個人向けの印鑑届出制度を廃止するなど、印鑑レスの動きが加速しています。印鑑が必要かどうかは各銀行や口座の開設方法によって異なりますので、事前に公式ホームページ等で確認しましょう。
また、窓口の営業時間についても、一般的には15時(午後3時)までが多いものの、17時や18時まで営業している銀行や、土曜日に窓口を開けている支店も増えています。
オンラインならネット上で解約も可能
定期預金の解約はオンライン(インターネットバンキングや公式アプリ)でも可能です。窓口に行かずにほぼ手間なしで解約でき、普通預金口座へ即時出金可能なケースがほとんどです。非常に便利になっていますので、ネットバンキングを開設している場合はぜひ活用してください。
本人以外が解約する場合の手続き
原則として定期預金の解約は本人が行う必要があります。
ただし、本人が病気や怪我などで銀行や郵便局に行くことができず、誰かに頼んで下ろしてもらうというケースもあるでしょう。こうした場合は、委任状などを用意すれば一定の解約に応じてくれるところも多いですが、引き出す金額などによっては難しいケースもあるようです。
昔はややおおらかなところもありましたが、近年では銀行も法改正や特殊詐欺対策によって本人確認がかなり厳密になってきています。
委任状に最低限必要な情報
- 預金者本人の氏名・住所
- 登録印鑑による押印
- 委任内容(定期預金の解約および払戻し等)
- 代理人の氏名・住所
また、預金者本人と代理人との関係を示すことができる証明書(戸籍謄本など)が別途必要になるケースもあります。手続きの過程で、銀行から預金者本人に対する電話確認などが行われる場合もあります。
細かい対応については各銀行・郵便局等で異なりますので、本人以外が解約する場合は、必ず事前に各銀行の窓口やコールセンターへお問い合わせの上、必要書類を準備するようにしてください。
定期預金の名義人が亡くなった場合(相続)
預金者本人がお亡くなりになった場合、銀行がその事実を知った時点で口座は凍結され、通常の解約や引き出しはできなくなります。
ご遺族が相続によって定期預金の解約・払い戻しを受けるには、法定相続人全員の同意書や戸籍謄本(除籍謄本)、遺産分割協議書などの専門的な書類が必要となります。この場合は委任状だけでは対応できず、正式な相続手続きとなるため、早めに取引銀行の窓口へご相談されることを強くおすすめします。
本人確認ができないけど、定期預金に入れたお金が必要な場合
定期預金を直接解約するのではなく、口座貸越(当座貸越)というサービスを利用する方法があります。
定期預金と普通預金がセット(1つの通帳)になっている総合口座の場合は、定期預金を担保として、その一定割合の範囲内で普通預金から自動借入を受けることができます。
仮に100万円の定期預金があれば、一般的に90万円(定期預金残高の90%)を限度に出金できます。この場合、普通預金の通帳の残高には「マイナス○○円」と表示されます。貸越には所定の金利がかかりますが、カードローンなどと比べると低金利で借りられます。とはいえ、あくまで借金になりますので、長期間マイナスのまま放置するのは得策ではありません。
なお、ネットバンク(ネット専業銀行)などでは口座貸越のサービスを提供していない銀行もあります。
途中解約が一切できない定期預金もある
通常の定期預金は上記のように中途解約をすることができます。
ただし、一部の定期預金については原則として解約が一切できないものがあります。「新型定期預金」や「仕組預金」などと呼ばれるものです。代表的なものとして、満期が変動するタイプの定期預金などが該当します。
こうした仕組預金は、通常の定期預金よりも比較的高い金利が付くのが魅力ですが、預金者側からの途中解約ができないといったリスクがあります。仕組預金の詳しいリスクについては以下の記事でも解説していますので、こうした預金を検討している方はお気を付けください。
どうしても資金が必要で解約したいという場合、銀行側が例外的に解約に応じる可能性もあります。しかし、こうしたタイプの定期預金は「オプション取引」というデリバティブ取引の仕組みが組み込まれており、中途解約の際には解約ペナルティ(損害金)が発生し、結果として元本を大幅に下回る(元本割れする)可能性が非常に高いため、細心の注意が必要です。
他人名義の口座や相続、仕組預金のような特殊なケースを紹介してきましたが、通常の定期預金を本人が解約する場合であれば、銀行窓口に通帳とキャッシュカード、身分証明書を持参すれば、あっという間に解約することができます。そこまで面倒な手続きではありません。
以上、定期預金の解約の方法、解約に必要な書類、本人以外が解約する方法や金利上昇時の考え方について解説しました。
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