自分が預けている銀行が倒産したら自分の預金はどうなってしまうのか?そんな不安をお持ちの方も多いかもしれません。銀行預金というものは、経済における金融(お金の流れ)において重要な役割を持つ社会的なインフラです。そのインフラの信頼性を確保するためには様々な取り組みが行われています。

私たちが銀行に預けている預金は「預金保険」という公的な保険によって保護されています。万が一、銀行が倒産するなどした場合も一定の範囲で保護されます。この一定の範囲というのがいわゆるペイオフと呼ばれるものです。今回はこの銀行預金の預金保険の保証内容とペイオフについて詳しく紹介していきます。

預金保険とは何か?

預金保険とは、私たち個人が加入する保険ではなく、銀行が加入している保険制度です。預金を預かる銀行(金融機関)が対象となり、金融機関が保険料を支払って加入しています。保険を引き受けているのは「預金保険機構」です。

万が一、金融機関(銀行)が破綻した時には、預金者を保護するために主に2つの方式が用意されています。

1. 資金援助方式(橋渡し方式など)
破綻した金融機関の事業を、救済金融機関や橋渡し銀行などに引き継ぎ、預金保険機構が資金援助を行う方式です。金融システムの混乱を避けるため、多くの場合こちらの方式が優先してとられます。

2. 保険金支払方式(直接支払い・ペイオフ方式)
預金保険機構が、預金者に対して直接保険金(定額保護)を支払う方式です。

どちらの方式がとられた場合でも、後述する一定の範囲内で預金は確実に保護される仕組みになっています。

預金保険の対象となる金融機関(銀行)

保護の対象となる金融機関は下記の通りです。なお、郵便貯金(ゆうちょ銀行)は平成19年10月の民営化に伴い対象金融機関となりました。

  • 日本国内に本店のある銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 信金中央金庫
  • 全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫連合会
  • 商工組合中央金庫

なお、上記以外の農業協同組合、漁業協同組合、農林中央金庫は預金保険の対象ではありませんが、別の「農水産業協同組合貯金保険制度」という類似の別制度で保護されています。

また、証券会社は「日本投資者保護基金」、保険会社は「保険契約者保護機構」という別の保護システムが存在します。

預金保険の対象と定額保護(ペイオフ)

預金保険によって私たちの預金は保護されており、万が一の場合も安心できるというわけですが、何が何でも全部保護されるというわけではありません。

現在の預金保険は定額保護が基本であり、預金商品や預金残高によっては一部がカットされる可能性もあります。ご存知の方も多いと思いますが、それがペイオフと呼ばれる定額保護の仕組みです。

たとえば、普通預金の場合は1つの金融機関につき、預金者1人当たり元本1000万円までとその利息が定額保護の対象となっています。ただ、すべての預金がペイオフの対象となるわけではなく、預金の種類によってペイオフ対象のものとペイオフ対象外のものがあります。

ペイオフの対象となる預金とその内容

下記の預金商品については一つの銀行につき、元本1000万円までとその利息が保護の対象となります。
ネット銀行などのネット定期なども下記に含まれます。普通に銀行に預金をするという場合は下記の普通預金や定期預金が中心となります。ゆうちょ銀行の定額貯金や定期貯金などもこちらに入ります。

  • 普通預金・定期預金
  • 貯蓄預金
  • 通知預金
  • 納税準備預金
  • 定期積金
  • 別段預金(利息付きのもの)
  • 元本補てん契約のある金銭信託
  • 金融債(保護預かり商品)

ペイオフ対象外の預金とその内容

少しややこしいのですが、ペイオフ対象外となる預金商品には二つの種類があります。
一つは「全額保護される」対象外、もう一つは「全く保護されない」対象外という両極端な仕組みです。

ペイオフ対象外(全額保護) ・当座預金
・利息の付かない普通預金(決済用預金)
ペイオフ対象外(保護なし) ・外貨預金
・外貨定期預金
・譲渡性預金
・仕組み預金の内「オプション」に相当する部分

まずは、全額保護の対象という意味でのペイオフ対象外という商品は、決済用預金と呼ばれる「当座預金」などが該当します。こちらは主に企業の決済のために利用される預金です。

決済用預金として全額保護されるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 無利息であること
  • 要求払い(いつでも引き出し)ができること
  • 決済サービス(口座振替など)を提供できること

近年では「決済用普通預金」などの名称で、個人でも簡単に利用できるようになっています。これは完全にペイオフ対策として機能する預金です。

一方の保護対象外(全く保護されない)としては「外貨預金(外貨定期預金)」が挙げられます。こちらは保護対象外なので、万が一銀行が破綻した場合には、1000万円以下の預金であっても保護の対象となりません。

個人的に外貨預金をあまりお勧めしない理由は、外貨預金は利息が低いわりに、こうした銀行の信用リスクを直接負っているからです。

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預金保険の定額保護(ペイオフ)の基本的なルールとQ&A

ここからは、銀行に万が一のことがあり、ペイオフが発動された時の基本的なルールや、疑問に持たれることが多い項目についてQ&A形式で回答していきたいと思います。

1000万円を超えた部分の預金はどうなるの?

こちらは、破綻した銀行の体力(残りの財産)に従って配分されることになります。

残余財産に従って預金者に対して公平に財産が配分されます。どのくらい戻ってくるかについては銀行の財産次第ということになります。この配分については裁判所等によって法的に処理され、他の債権者(預金者)と公平・公正な支払が行われることになります。

住宅ローンやカードローンなどの債務(借金)がある場合はどうなるか?

こちらは銀行の約款にもよりますが、預金者が申し出をすることで相殺(そうさい)をすることが可能です。たとえば、1000万円の住宅ローン残高があり、1500万円の定期預金があるという場合は、1000万円のローンを差し引いた残りの500万円が預金残高となります。

この場合、500万円の預金という扱いになるため、全額保護されることになります。

家族名義の預金で合計すると1000万円を超える場合はどうなるか?

基本的には1人あたり(名義ごと)で考えられます。夫の口座と妻の口座にそれぞれ800万円ずつの預金がある場合、いずれも1000万円以下なのでそれぞれが全額保護の対象となります。

ただし、実質的に同一人物の資金である「名義借り」と判断された場合は、本人(1名)の預金として合算してカウントされる場合もあります。ちなみに、名義預金はペイオフとは関係ありませんが、税務上のリスク(贈与税など)が生じることもあります。

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事業用の預金はどうなるか?

個人事業主の場合で、事業用の預金口座と個人用の預金口座を同じ銀行に2つもっている場合は、同一人物の預金として合算されて計算されます。個人口座に800万円、事業用の口座に1000万円が入っている場合は1800万円の預金として扱われます。

一方で、個人と法人は別人格として扱われます。山田太郎さんの個人口座に800万円、株式会社○○代表取締役山田太郎の法人口座に1000万円という場合は、両方とも全額保護されます。

別の支店に口座を持っている場合はどうなるか?

A銀行が破綻した場合、A銀行内のすべての口座が名寄せ(合算)されて、1名当たり1000万円までの保護となります。仮にB支店に800万円、C支店に600万円の預金がある場合は名寄せされ、1400万円の預金があると計算されます。

そのため、1000万円までは保護されますが、残りの400万円は銀行の残余財産による配分となります。

銀行で買った投資信託や国債はどうなるのか?

投資信託や国債は、銀行の固有財産とは別に「分別管理」されているので、預金保険の枠組みとは無関係に全額保護されています。

万が一、銀行による使いこみなどの不正があったとしても、投資信託については証券会社などが加入する「日本投資者保護基金」によって保護される仕組みになっています。

銀行で買った生命保険や年金はどうなるのか?

銀行の窓口で契約した生命保険などの保険契約は、銀行とではなく生命保険会社と直接契約しているため、生命保険会社自体が破綻していない限り問題はなく、保険契約はそのまま継続されます。

万が一、保険会社が倒産した場合でも「保険契約者保護機構」によって別に保護されるシステムが存在します。

ペイオフ対策は必要なのか?

1000万円を超えるような預金を持っている方が考えることの一つが「ペイオフ対策」ではないでしょうか?
このペイオフ対策と言うものは必要なのでしょうか?大切な資産を守るための「万が一への備え」として、やはり重要だと言えます。その一方で極端に複雑な方法を取る必要はなく、比較的簡単に対策をすることが可能です。

対策1)複数の銀行に預金を分散させる

ペイオフによる保護は「一つの銀行につき1000万円+利息」が保護対象です。
逆に考えると、複数の銀行に預金を分散すれば、その銀行の数だけ保護対象となる金額の枠を引き上げることができます。

仮に5000万円の現金がある場合、1つの銀行に全額預けたら、万が一の時には4000万円分がリスクにさらされることになります。一方で、5つの銀行に1000万円ずつ分散して預金しておけば、万が一どれかの銀行が倒産しても預金はすべて全額保護されることになります。

また、万が一銀行が破綻した場合には、1000万円以下の預金であっても一時的に預金の引き出しが制限される場合があります。そうした緊急時でも、当面のお金が利用できるように複数の銀行へ資金を分散しておくことは非常に有効です。

対策2)国債のような預金ではない安全な資産を買う

数千万円~1億円くらいなら複数の銀行に分散しても管理できますが、仮に10億円の現金がある場合、完全に分散させると100の銀行口座を持つ必要が出てきます。こうなってくると管理の手間が膨大になります。

そこまでの多額の資金を保有している方で、どうしてもペイオフ対策をするというのであれば、国債(個人向け国債)のような資産を購入するのも一つの手です。国債は国が満期の元本を保証している債券なので、円ベースでの安全性は極めて高く、低リスクな資産となります。

個人的には、多額の資金のペイオフ対策を行うのであれば、この個人向け国債への投資が最もおすすめです。

個人向け国債に興味がある方は、下記のリンクもぜひご覧ください。

ちなみに、日本の国債発行残高の大きさなどから「国債も危ないのでは?」と考えている方もいるかもしれませんが、「円ベース」で考えると国債は最も安全な資産です。そもそも日本国が破綻するということは、日本円の価値そのものも暴落するということを意味しています。

日本の国債は信用できず資産をおいておくべきでないと考えるのであれば、円ベースの資産ではなく、外貨ベースの資産か金(ゴールド)などのコモディティ資産を保有するべきということになります。

以上、銀行預金や定期預金で知っておきたい、預金保険とペイオフのしくみと対策でした。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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