税金が安くなるということで知られている「ふるさと納税」や「iDeCo(イデコ)」が近年話題で、いろいろなメディアで取り上げられています。
そうした中で、税金(所得税や住民税)だけでなく、フリーランス・自営業者にとって大きな負担となっているのが「国民健康保険料」だと思います。所得に応じて高くなる国民健康保険料はふるさと納税や401kを利用したら安くなるのでしょうか?
そもそも国民健康保険料はどうやって決まるのか?
そもそも国民健康保険料というものは、サラリーマンの場合「給与所得控除後の所得」、自営業やフリーランスなら確定申告の時に売上から必要経費を差し引いた「所得金額の合計」で計算されます。
これに対して、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、自営業の場合「所得金額の合計」から税金計算のために差し引く「所得控除」の項目になりますので、いくらiDeCoの掛け金を積んだとしても国民健康保険料は安くなりません。
ふるさと納税の場合は、計算された税額から寄付額が控除される税額控除という性質であるため、こちらも健康保険料には関係ありません。
そのため国民健康保険料を節約(低くするため)に、ふるさと納税やiDeCo(イデコ)の掛金を払っても関係ないという事になります。
わかりやすく図解
個人事業主やフリーランスの場合、売上から必要経費を差し引いたものが「所得金額」となります。そしてその所得金額から各種所得控除(基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除などなど)を差し引いた金額が課税所得となります。
- 売上(収入)-必要経費(損金)=所得金額
- 所得合計の金額-各種所得控除=課税所得
- 課税所得×税率=所得税(住民税)額
- 税額-税額控除=実際の納税額
このとき、国民健康保険料(税)は「所得金額」で決定されます。
一方の税金(所得税や住民税)については所得金額から各種所得控除を差し引いた「課税所得」で決定されるわけです。
そのため、ふるさと納税や401k(個人型確定拠出年金)とも「税金(所得税・住民税)」に対する節税効果はあっても、国民健康保険料に対する節約効果はないわけです。
国民健康保険料を安くする方法はないの?
こうした条件では「倒産防止共済」には一定の効果があります。こちらは、掛け金が「必要経費」として扱われるためです。
必要経費となりますので、「所得金額」から差し引くことができます。そのため、国民健康保険料(税)も安くなるわけです。このほか事業税も安くなります。
その一方で課税の繰り延べにしかならないという点も考えておく必要があります。必要経費となる分、掛金の払戻を受ける場合は「事業所得」として扱われることになります。
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