「お盆玉(おぼんだま)」という言葉をご存じでしょうか。聞きなれない言葉のように感じる方もいるかもしれませんが、ここ数年で認知度が定着しつつある言葉です。お正月にもらうお年玉のお盆バージョンといえるのが、このお盆玉です。

主にお盆休みなどに帰省した子どもたちに、祖父母や親戚が渡すお小遣いのことを最近ではお盆玉と呼んでいます。実際に夏が近づくと、文具店や量販店などでは「おぼんだま」と書かれた専用のポチ袋が数多く並ぶようになり、この時期の定番として定着しています。

お盆玉は常識・マナーなのか?気になる最新の認知度

お盆玉お盆玉という習慣は、現在どれくらい一般に広がっているのでしょうか。お盆玉を命名した株式会社マルアイが2025年に実施した最新の認知度調査(20代〜60代の男女4,797名対象)によると、お盆玉の認知度は全体の約3割(約26〜30%)という結果が出ています。また、別機関の調査でも認知率は約39.5%となっており、爆発的な広がりではないものの、夏の習慣として一定の割合で定着していることが伺えます。

ここでお正月のお年玉とお盆玉の違いを整理しておきましょう。お年玉については「お正月に歳神様(毎年正月に各家にやってくる来方神)にお供えをしたお餅(鏡餅)を参拝者に対して分け与える」という深い歴史や宗教的風習からできたものですが、お盆玉にはそうした歴史的・宗教的な背景はありません。

お年玉の由来と渡し方のマナー、相場と金額の決め方年始にかけて気になるのが、子どもや孫、あるいは親戚に渡すことになる“お年玉”ではないでしょうか。大人になると親戚とのお付き合いについても...

お盆玉はあくまでも、夏休みに遊びに来てくれた子どもたちに手渡す、自発的なお小遣いという位置づけになります。そのため、「お盆だから絶対に渡さなければマナー違反になる」という性質のものではありません。

お盆玉はいつから使われだした?言葉の由来

お盆玉という言葉は、2010年に山梨県の祝儀用品などを扱う老舗文具メーカー「株式会社マルアイ」が名付けた造語です。

お盆に田舎に帰省した子どもや孫、また祖父母にお小遣いをあげるという新しい習慣を広げる為に、2010年より夏の風物詩をデザインしたポチ袋を「お盆玉」として販売を始めました。 「お盆玉」の名称はマルアイで作った造語で、商標登録をされています。

お盆玉という言葉がメディアで取り上げられる機会が増えた一方で、ポチ袋などの文房具製品に「おぼんだま」「お盆玉」と明記して製造・販売するためには、商標権を持つマルアイ社の許諾が必要となります。そのため、大手のECサイトなどで公式に「お盆玉」と記載して販売されているポチ袋の多くはマルアイ社の製品となっています。他社は「おこづかい」「なつのおくりもの」といった異なる名称のポチ袋で対応しているケースが一般的です。

なお、マルアイ社のお盆玉ポチ袋は、全4シリーズ16種(うち新作14種)にのぼる大幅なデザインリニューアルが行われており、夏らしい爽やかなイラストの袋が店頭を彩っています。

【最新データ】お盆玉の相場・平均額はいくら?

最新の市場調査によると、お盆玉の総額としては1,000円〜4,999円の価格帯が主流となっています。ただし、渡す相手の年齢や学年によって具体的な目安金額は異なります。子どもの年齢に合わせた一般的な相場の目安を以下の表にまとめました。

対象年齢・学年の目安 お盆玉の相場目安
幼児・保育園・幼稚園 500円 〜 1,000円
小学校低学年・高学年 1,000円 〜 3,000円
中学生 3,000円 〜 5,000円
高校生 5,000円 〜 10,000円
大学生 5,000円 〜 10,000円(※あげない選択肢もあり)

近年の物価高の影響を受けつつも、多くの家庭ではお盆玉の金額を「据え置き」または「増額」して対応しているという傾向も見られます。おじいちゃん、おばあちゃんが孫に渡す金額としては、お正月のようにお祝い事が重なる時期ではないため、お年玉よりはやや控えめか同等程度の現実的な金額が選ばれているようです。

お盆玉を渡す相手の変化

また、お盆玉の動向における特徴として、「渡す側の多様化」が挙げられます。以前は「祖父母から孫へ」という図式が一般的でしたが、最新の調査では20代〜30代の若い親世代の約5割近くが「自分の子どもや甥・姪にお盆玉をあげる」と回答しています。親から子へ、あるいは若い親戚から子どもへと、渡す側の年齢層が広がっているのが実態です。さらに、一部では日頃の感謝を込めて、孫から祖父母へ「逆贈り」として夏のお小遣いやプレゼントを渡すという双方向のコミュニケーションの形も見られるようになっています。

「お盆玉なんて迷惑…」と感じる方へ

子どもやもらう側の学生にとっては嬉しいお盆玉ですが、あげる側の大人からすれば「お盆の帰省でお供え物や交通費もかかるのに、さらに出費が増えるのは困る…」「お盆玉なんて迷惑な習慣だ」と感じてしまうこともあるかもしれません。

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しかし、そこまで過度に心配する必要はないと言えます。マルアイ社の最新の実態調査でも、「今年の夏にお盆玉をあげる予定がある」と回答した割合は全体の約3割程度となっています。この数値は、数年前のあおぞら銀行による調査(帰省してきた孫にお小遣いをあげる割合:約32〜33%)と比べてもほぼ同水準で横ばいです。

つまり、お盆玉という言葉が認知される前から、実家に帰省してきた孫にお小遣いを手渡していた層が一定数存在し、その行為に「お盆玉」という新しい名前がついたに過ぎない、と解釈できます。

そのため、お盆休みに親戚の子どもたちと集まる機会があったからといって、甥っ子や姪っ子全員に対して義務のようにお盆玉を用意しなければならないわけではありません。周囲の親戚間で「お盆のお小遣いはなしにしよう」「一律1,000円にしよう」などと事前にルールを決めておくことで、お互いの金銭的な負担や気まずさを防ぐことができます。

習慣が広まることへの複雑な心境を持つ方も少なくありません。「孫が来てくれて嬉しいからお小遣いをあげる」という本来の温かい気持ちが、「お盆玉がもらえるから行く」という目的意識に変わってしまっては少々寂しいものです。金額の多寡ではなく、夏休みの楽しい思い出づくりの一環として、無理のない範囲で活用していくことが大切です。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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