財布を落としてしまう……。かなりのアンラッキーな出来事になりますが、気を付けていたとしても自分の身に降りかかってきてしまうかもしれません。落としてしまった、なくしてしまったのであれば、もう仕方がありません。見つかることを祈りつつ、落とした財布を悪用されてしまわないように各種手続き・対応をとっていきましょう。
今回は不幸な出来事ですが、財布を落としてしまったとき、紛失したときの対応と、その時に見つかる確率を高める方法を紹介していきます。
財布がない!と気が付いたらまずどうする?
まずは落ち着いてください。なくしたと思っても実はどこかに置き忘れている、あるいは自分の持ち物のどこかに紛れ込んでいるという事もあります。財布を落として、カード類の停止手続きをすると面倒なことになりますし、場合によっては再発行手数料などがかかる場合もあります。
- カバンの中などをもう一度探してみる
- 最後に財布を確認したのはいつか?
- それからどこに移動したか?立ち寄ったか?
- 落とす可能性があるとしたらどういう場合か?
- 盗難の可能性はないか?
この辺りを考えて、お店などに置き忘れている可能性があるのであれば、それらのお店に電話をしみてるのもよいでしょう。
また、盗難(スリを含む)が考えられる場合は紛失とは異なった手続きが必要になります。
警察署に遺失届(被害届)を出す
そうこうやっても財布が見つからない場合、まずは警察に連絡をして届け出を出します。
- 遺失届(紛失した場合)
- 被害届(強盗やスリなどの盗難被害にあった場合)
ちなみに、強盗は別としてスリやこっそり財布が荷物から抜き取られているケースなどのように盗難なのか紛失なのかはっきりしない場合は逸失届を勧められます。
日本は落とし物・財布が見つかる確率が高いって本当?
日本の場合、落とした財布などの落とし物について届けられる可能性は高いです。以下は東京都(警視庁)のデータです。
財布については375,797件の遺失届が出されており、財布を拾ったという人の届け出の件数が343,606件とほぼ拮抗しています。こう考えるとかなりの財布の広いものが届けられているという事になります。
上記の表は届けられた財布がどのように扱われたかです。219,662件が持ち主のものに届けられてます。前述の遺失物として届けられた件数が375,797件とすると落とした財布が届け出をしたら見つかる確率は58%とかなり高いです。
一方で取得者引渡というのは落とした人が現れなかったために拾い主の人に財布(現金)が渡されているというケースです。60,741件もあります。
何が言いたいかというと、財布を落としたらあきらめずに警察に遺失届を出しましょうという話です。遺失届を出しに行ったら、その時点での取得物の確認も行ってくれるはずなので、その時すでに届いているという期待もありますしね。
遺失届の出し方とその時のポイント
警察で手続きをするのは紛失届という方もいますが、正しくは「遺失届(いしつとどけ)」となります。警察署以外にもご近所の交番でも出すことができる書類です。
財布を落として遺失届を出すときには以下のポイントを押さえておきましょう。
- 財布の特徴をしっかりと伝える
- 財布に入っているものなどできるだけ正確に描く
様式は上記になりますが、物品の特徴のところはできるだけ細かく書いたほうが後日、届けられたときにあなたの物だとわかる確率が高くなるはずです。
財布に入っていたものをリスト化しよう
遺失届を出すときあるいはその前に財布に入れておいたものを冷静にリスト化しておきましょう。
これは遺失届に記入するという意味以外にも、これから行うクレジットカードやきゃしゅカードなどの停止手続きでも必要になります。
- 免許証などの証明書類
- クレジットカード
- キャッシュカード
- 電子マネー・交通ICカード
- 会員証
- ポイントカード類
- 現金の金額
遺失届を出すことで自分がそのタイミングで無くしたことも証明できる
遺失届は警察にその時点であなたが財布を紛失しているということを証明することにもなります。後日悪用されていたことが判明した場合などの時にも、無くしたと届け出をした日時が証拠の一つとなります。
クレジットカード・キャッシュカード・電子マネーの利用停止と再発行
ここからは作業になります。心配な場合は警察に届け出をする前に行っても構いません。利用停止と再発行の手続きをしておきましょう。
クレジットカードは届けを出せばひとまずは安心
クレジットカードを落とした場合、不正利用される可能性があります。財布ごと落としているなら氏名もわかるので、お店で不正に買い物をしてサインはあなたの物を真似ることで成りすましができてしまいます。
ただ、クレジットカードについては不正利用についての保険(盗難保険)がありますので、万が一の場合も不正に利用されたのであればあなたにとっての実害はありません。ただし、被害に遭わないのがベストなので早めに連絡をしましょう。
また、暗証番号決済をされた場合は補償されません。財布の中に入れている個人情報で暗証番号が推測されるようなときは要注意です(そもそもそんな暗証番号はダメです)。
停止をするとそのカードは後で見つかったとしても使えなくなります。新しいカード番号で再発行されますので、カードの自動引き落としなどをしていた場合は再手続きが必要になります。
キャッシュカードも銀行に連絡をして止めてもらう
銀行のキャッシュカードも危険ですね。銀行の紛失センターなどに連絡をしてカードを使用不能にしてしまいましょう。
こちらもキャッシュカードの盗難やコピーなどでの不正利用に関しては「預金者保護法」という法律によって保護されています。
ただし、預金者の過失度合いによって補償の範囲が変わってきます。
重大な過失・・・補償されない
軽い過失・・・被害額の75%
故意・重大な過失がない・・・全額保護(100%)
暗証番号が誕生日や電話番号などで落とした財布の身分証明書などから推測されて不正出金となった場合は過失とみなされる可能性があります。
なお、最近の銀行のキャッシュカードにはブランドデビットといってクレジットカードと同じようにお店で直接決済できる機能が付帯したものもあります。不正利用はクレジットカード同様に補償されますが、万が一の場合もあるので早めの手続きをしましょう。
電子マネー・交通系ICカードは不正利用される前なら戻せる
電子マネーや交通系ICカードについて、ポストペイ型(後払い型)についてはクレジットカードと同じ様に利用を止めることが重要です。一方でnanacoや楽天Edy、WAONといったプリペイド型電子マネー、同じようにプリペイド型のSuicaやPASMOなどの交通系ICカード、ブランドプリペイドカードはどうでしょうか?
知らない方も多いのですが、主要な電子マネー、交通系ICカードは記名型タイプであれば手続きをすれば利用を停止して、さらに残高を新たなカードに移してもらうこともできるのです。
主要どころの電子マネーや交通系ICカード、ブランドプリペイドカードでは紛失時の残高移行対応していないのは楽天Edyくらいです。
会員証などのうち悪用されそうなもの(レンタルビデオ等)も手続きを
レンタルビデオの会員証や図書館カードのようにそれを使って何かを借りることができるといったものは、悪用されないとも限りませんので利用停止の連絡をしておきましょう。
他の会員カードも気になる方は発行店舗に連絡しておきましょう。
運転免許証や健康保険証の再発行
運転免許証については本人が運転免許センターに行って行います。代理人はダメです。
財布を一緒に無くしているはずなので、別の本人確認書類と警察に提出した遺失届も一緒に持っていくようにしましょう。最近のIC免許証では4桁の数字2組の暗証番号も必要です。
健康保険証については社会保険加入者の場合(家族を含む)は勤務先を通じて行います。国保(国民健康保険)の場合は市区町村の役所で行います。
紛失前にできる財布の見つかる確率を高める方法
最後はなくす前にできる無くした財布の見つかる確率を高める方法を紹介します。
まず、紛失する前にできることとしては紛失防止タグを使うという方法があります。紛失防止タグはスマホなどと連動させることで紛失を知らせてくれたり、あるいは最後にどこで通信が途切れたのかを教えてくれます。なので、落とした時、置き忘れたときにスマホ通知が入るので、紛失すること自体の予防にもなります。
私はMAMORIOという商品をカギと財布に使っています。正直、レビューにもあるように誤作動もありますが、多少のお守りになはなるでしょう。
2021年に販売されたAirTag(エアタグ)もよい感じです。日本はiPhoneユーザーが多いのでかなり正確に位置の取得ができています。
赤ちゃんの写真を入れておくとよい?
少し古い2009年の調査です、イギリスで財布を拾ってくれた人が届けてくれるかの実験が行われたそうです。その中で最も特筆する結果となったのが「赤ちゃん」の写真が入っているケースなのだそうです。その割合はなんと88%だったそうで、これはかなり期待できるのかもしれません。
赤ちゃんの写真というのは拾った人の心情になにか訴えかけるものがあるのでしょうか。
まとめ。何はともあれ迅速に行動しよう
財布を落としたというときの対応としてはやはり、早めに警察に届け出をするという事が王道です。
なんだかんだで日本では結構な件数で届けてくれるようなので、どうせ届かない……とあきらめるのではなく早め早めに遺失届を提出しましょう。そのうえで、カード会社や銀行、電子マネーなど早めに連絡することで被害に遭うリスクを減らせたり、電子マネーのように残高を取り戻したりすることができる場合もあります。
以上、財布を落とした時・紛失時にやるべき対応と見つかる確率を高める方法についてまとめてみました。
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