ご祝儀・香典・お礼のお金の渡し方と封筒マナー結婚式のご祝儀、葬儀の香典、日常の立て替え金の返金、ちょっとしたお礼など、大人になると「現金を相手に渡す」場面は意外と多いです。

お金は金額そのものだけでなく、包み方、封筒の選び方、お札の向き、渡すときの一言で印象が大きく変わります。細かい作法をすべて暗記する必要はありませんが、「慶事」と「弔事」と「日常の返金」は分けて考えるのが基本です。

この記事では、ご祝儀・香典・普段のお礼や返金で恥をかかないためのお金の渡し方を、実用重視で整理します。

先に結論:お金の渡し方はシーンで変える

  • ご祝儀・お祝い:新札を用意し、祝儀袋に入れて袱紗で持参する
  • 香典・不祝儀:新札は避け、香典袋の向き・折り方を弔事用にする
  • 立て替え金の返金:小さな封筒やポチ袋に入れ、金額を確認しやすく渡す
  • 郵送する場合:現金を送るなら現金書留を使う
  • キャッシュレス:相手や主催者が指定している場合は便利だが、冠婚葬祭では慎重に

シーン別・お金の渡し方早見表

まずは全体像です。迷ったら、この表の「基本形」に合わせておけば大きく外しにくいです。

シーン お札 入れ物 渡し方 注意点
結婚式・出産祝いなど 新札 ご祝儀袋 袱紗から出して両手で渡す 袋の格と金額を合わせる
香典・法事など 新札は避ける 不祝儀袋・香典袋 弔事用の袱紗で持参 折り方・お札の向きが慶事と逆
立て替え金の返金 普通のお札で可 白封筒・ポチ袋 一言添えて渡す 封はせず、金額を確認しやすく
会費・集金 ぴったり用意 封筒があると丁寧 名前と金額を添える お釣りが出ないようにする
現金を郵送 用途に合わせる 現金書留 郵便局窓口から送る 普通郵便・レターパック・宅配便は不可

ご祝儀・お祝い金を渡すときのマナー

結婚式、出産祝い、入学祝い、発表会など、おめでたい場面で渡すお金は「事前にきちんと準備した」という印象が大切です。

ご祝儀は新札を用意する

ご祝儀やお祝い金では、シワや折り目のない新札を使うのが基本です。「この日を楽しみにして、前もって準備していました」という気持ちを形にする意味があります。

新札は銀行やゆうちょ銀行の窓口、両替機能のある金融機関などで用意できます。直前にコンビニATMで引き出しても新札が出るとは限らないため、結婚式など日程が決まっているものは早めに準備しておきましょう。

新紙幣・旧紙幣が混ざるときの考え方

2024年7月3日に一万円・五千円・千円の新紙幣が発行されています。新紙幣と旧紙幣のどちらが絶対に正しいというより、袋の中で新旧がバラバラに混ざらないよう、できるだけ同じ種類・同じ向きでそろえると丁寧です。

内袋へのお札の入れ方

ご祝儀袋は、お札を入れる内袋と、それを包む外包みで構成されているものが多いです。

  • お札の向き:内袋の表面にお札の表面が向くように入れる
  • 肖像の位置:肖像画が上側、つまり袋の入り口側に来るようにする
  • 金額の書き方:内袋の表面中央に「金 参萬圓」のように書く
  • 住所・氏名:内袋の裏面左下などに記載する

金額の表記は、一般的には「壱」「弐」「参」「萬」などの大字を使うと改ざんされにくく、フォーマルな印象になります。ただし、最近は袋に記入欄があるものも多いので、袋の様式に合わせれば十分です。

外包みの折り方は「下側を上に重ねる」

慶事のご祝儀袋では、外包みの後ろ側を折るときに、上の折り返しに対して下の折り返しを上に重ねます。「喜びを受け止める」「上を向く」と覚えると間違えにくいです。

袱紗は明るい色、または紫が無難

ご祝儀袋をそのままバッグやポケットに入れると、折れたり汚れたりしやすくなります。会場には袱紗に包んで持参しましょう。

慶事では赤、ピンク、オレンジ、えんじなどの暖色系がよく使われます。紫は慶弔どちらにも使いやすいため、ひとつだけ用意するなら紫の袱紗が便利です。

香典・不祝儀を渡すときのマナー

お通夜、葬儀、告別式、法事などの不祝儀は、ご祝儀とは逆になる作法が多くあります。迷ったときは「慶事とは反対」と覚えると整理しやすいです。

香典の金額相場や表書きについてはこちらも参考になります。

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香典では新札を避ける

香典では、新札をそのまま入れるのは避けるのが一般的です。あまりに準備が整いすぎていると、「不幸を予期していた」という印象につながりかねないためです。

手元に新札しかない場合は、一度折り目を入れてから包めば問題ありません。逆に、汚れすぎたお札や破れたお札も失礼になるため、ほどよくきれいなお札を選びましょう。

不祝儀袋のお札の向き

不祝儀袋の内袋へお札を入れるときは、ご祝儀とは逆に考えます。

  • お札の表面:内袋の裏面側に向ける
  • 肖像の位置:肖像画が下側、袋の底側に来るようにする
  • 意味合い:悲しみで顔を伏せる、という考え方

外包みは「上側を下にかぶせる」

弔事の外包みは、慶事とは逆に、下の折り返しを先に折り、その上から上の折り返しを重ねます。「悲しみが下へ流れる」「頭を垂れる」と覚えると分かりやすいです。

慶事と弔事で迷いやすいポイント

  • お祝いは新札、香典は新札を避ける
  • お祝いは明るい色の袱紗、弔事は寒色系の袱紗
  • ご祝儀の外包みは下側を上に、香典は上側を下に
  • どちらも相手に向きをそろえて両手で渡す

受付での渡し方:相手が読める向きで差し出す

結婚式や葬儀の受付では、袋をそのまま差し出すのではなく、袱紗から取り出して相手が読める向きにして渡します。

  1. 受付の少し手前で袱紗を取り出す
  2. 受付係の前で袱紗を開き、袋を取り出す
  3. 袱紗をたたみ、その上に袋を乗せる
  4. 袋の文字が相手から正しく読める向きに回す
  5. 両手で差し出し、短い言葉を添える

結婚式なら「本日はおめでとうございます」、葬儀なら「このたびはご愁傷さまでございます」といった短い一言で十分です。長く話すより、落ち着いて丁寧に渡す方が印象はよくなります。

日常の返金・お礼で現金を渡すときのマナー

友人にランチ代を立て替えてもらった、会費をまとめて払ってもらった、仕事でちょっとした謝礼を渡すなど、日常の現金のやり取りでは冠婚葬祭ほど厳密な作法は不要です。

ただし、現金を裸のまま手渡しするのはできれば避けるのが大人の気遣いです。数百円〜数千円でも、小さな封筒やポチ袋に入れて渡すだけで印象が変わります。

日常の返金で意識したいこと

  • お釣りが出ないよう、ぴったり用意する
  • 封筒の表に「ランチ代」「会費」など用途を書いておく
  • 封はせず、相手がその場で確認しやすくする
  • 「念のため金額を確認してね」と一言添える

封筒がない場面でどうしてもすぐ渡す必要があるなら、「裸のままで失礼します」と一言添えましょう。ティッシュやきれいなメモ用紙に軽く包むだけでも、そのまま差し出すより丁寧です。

目上の人に現金を渡すのは慎重に

日常のお礼として、目上の人へ現金を直接渡すのは基本的に慎重に考えたいところです。現金は「生活を援助する」「金銭的に補う」という意味合いを持ちやすく、相手によっては失礼に受け取られる可能性があります。

上司、恩師、取引先、親戚の年長者などへお礼をするなら、現金よりも品物、商品券、ギフトカード、菓子折りなどの方が自然なケースが多いです。商品券を渡す場合も、専用封筒や包装に入れて渡しましょう。

現金を郵送するなら現金書留を使う

遠方の相手にお祝い金やお悔やみのお金を送りたい場合、普通郵便やレターパックに現金を入れて送るのは避けましょう。現金を郵送するなら、日本郵便の現金書留を使うのが正式な方法です。

日本郵便では、現金を送る場合は現金書留を使うこと、現金封筒を使用することが案内されています。現金書留なら、のし袋や手紙を同封できる場合もあるため、遠方の相手へ気持ちを添えて送る場面に向いています。

詳しい送金方法の比較はこちらで整理しています。

お金を送る方法と手数料を比較。銀行振込・スマホ送金・現金書留の使い分け家族への仕送り、友人への精算、お祝い金など、お金を送る方法を手数料・着金スピード・相手に必要な情報で比較。銀行振込、ことら送金、PayPay、現金書留、定額小為替、宅配便で現金を送れない理由まで解説します。...

現金書留そのものの仕組みはこちらも参考になります。

現金書留と一般書留、簡易書留の違いと使い分け。ついでに特定記録郵便との比較書留(かきとめ)は郵便の一つで正式には「書留郵便」といいます。郵便局では書留について「現金書留」「一般書留」「簡易書留」という3つのサー...

キャッシュレスご祝儀・送金アプリはあり?

最近は、オンライン結婚式や会費制パーティー、事前決済サービスなどで、キャッシュレスご祝儀や事前決済を利用するケースもあります。受付の混雑を減らせる、現金管理の負担を軽くできる、新札を用意しなくてよいといったメリットがあります。

一方で、親族や年配の方が多い式、格式を重視する場面、主催者から指定がない場面では、従来どおりご祝儀袋を持参する方が無難です。

キャッシュレスで渡す前に確認したいこと

  • 主催者側がキャッシュレス決済を案内しているか
  • 手数料が誰の負担になるか
  • メッセージや名前が正しく伝わるか
  • 親族・目上の人に違和感を持たれない場面か

まとめ:お金の渡し方は「金額」より「扱い方」で印象が決まる

お金を渡す場面では、金額の多寡だけでなく、相手への敬意や気遣いが見られます。

  • お祝いは新札を用意する
  • 香典は新札を避け、慶事と逆の作法を意識する
  • 日常の返金でも封筒やポチ袋に入れる
  • お釣りが出ないように準備する
  • 現金を郵送するなら現金書留を使う
  • キャッシュレスは相手や場面に合わせて使う

作法は相手を縛るためのものではなく、相手に余計な気を遣わせないためのものです。迷ったときは「相手が受け取りやすいか」「確認しやすいか」「場に合っているか」を基準にすれば、大きな失敗は避けられます。

参考情報

ABOUT ME
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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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