住宅ローンの借り換えは得?諸費用の回収と5年後の残債まで比べる方法
住宅ローンの借り換えは、金利を下げるだけでは成功とはいえません。
支払利息が減っても、手数料や登記費用がそれ以上なら負担は増えます。
まず現在の返済予定表と借り換え先の見積もりを、同じ完済時期で並べてみましょう。
判断の軸は「総費用を回収できるか」「返済の不確実性を減らせるか」「必要な保障が続くか」です。
金利差1%、残高1,000万円、残り10年という目安だけで決める必要はありません。
金利差0.6ポイントでも効果が出る例
残高2,000万円、残り20年、元利均等返済、ボーナス返済なしとします。
現在の年1.8%から年1.2%へ借り換え、費用60万円を現金で支払う仮定です。
両方の金利が完済まで変わらない計算で、実際の商品の提示ではありません。
| 比較項目 | 現在のローン | 借り換え後 |
|---|---|---|
| 月返済額 | 約99,293円 | 約93,774円 |
| 残りの返済総額 | 約23,830,370円 | 約22,505,858円 |
| 借り換え費用 | なし | 600,000円 |
月々の差は約5,519円、20年間の返済額の差から費用を引くと約724,512円の負担減です。
60万円÷月の差額では、費用回収の目安は約109か月になります。
ただし、途中で売却や完済をする場合は、この単純な回収月数では判断できません。
その時点の残債も比較する必要があります。
例えば5年で完済するなら、5年分の支払差に5年後の残債差を加え、費用を引いて確認します。
同じ仮定で5年後に完済する場合は、支払差約331,128円と残債差約212,589円を合わせ、費用60万円を引くと約-56,283円の負担減です。
完済時の手数料は別途加えます。
見積もりに入れる費用
- 新しいローンの融資事務手数料や保証料。
- 抵当権の抹消と設定にかかる登録免許税、司法書士報酬。
- 契約方法による印紙代など。
- 現在のローンの全額繰り上げ返済手数料。
- 保証料が戻る場合は、その額と返戻手数料。
- 団信の保障を追加する場合の上乗せ金利。
例えば融資手数料が借入額の2.2%なら、2,000万円で44万円です。
登記費用等はさらに必要になります。
諸費用を新しいローンに含められる銀行もありますが、借入額が増え、その費用にも利息がかかります。
現金払いの試算と混ぜないようにしてください。
返済期間を延ばしただけの「月額減」に注意
残り20年のローンを30年へ延ばせば、金利が変わらなくても月額は下がります。
家計を立て直す選択肢になることはありますが、総利息や退職後の返済期間が増える可能性があります。
「同じ20年での比較」と「期間を延ばす比較」を別々に出してもらいましょう。
団信と住宅ローン控除も引き継ぎを確認
借り換えでは通常、収入、物件、健康状態などの再審査があります。
今の団信に入れていても、新しい保障へ同じ条件で加入できるとは限りません。
保障範囲、免責期間、保険金が支払われる条件を見比べます。
住宅ローン控除は、借り換えれば利用期間が延長されるものではありません。
旧ローンの返済に充てることが明らかで、新しい借入れが10年以上などの要件を満たす必要があります。
諸費用を借りるなどして新しい借入額が旧残高より大きいと、年末残高をそのまま全額控除の計算に使えない場合があります。
借り換えを進める順番
- 返済予定表で、残高、残り月数、実際の適用金利、完済手数料を確認する。
- 現在の銀行にも金利や条件変更を相談する。借り換えと条件変更の費用を比較する。
- 候補先に、同じ完済時期の返済表と諸費用の明細を出してもらう。
- 団信と住宅ローン控除への影響を確認し、売却予定時点の残債まで比べる。
- 実行日まで金利が変わる可能性を確認し、最終の適用金利と費用で再計算する。
参考情報(2026年9月22日確認)
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