住宅ローン控除で借りるほど得?「実質マイナス金利」を判断する前の確認点

「住宅ローン金利より控除率が高いから、借りるほど得になる」。
以前の低金利期には、こんな説明を見かけました。
しかし、金利と控除率の引き算だけでは、実際の負担は分かりません。
控除は支払う税金の範囲などに制限があります。
年末残高と年間の利息計算の元本も同じではありません。
追加で借りる判断では、実際に増える控除額から利息と追加費用を引いて確認します。
「実質マイナス金利」はローンそのものの金利ではない
銀行に支払う住宅ローンの利息がなくなるわけではありません。
控除による税負担の軽減が、その年の利息を上回る状態を「実質マイナス金利」と呼ぶことがあります。
控除期間が終われば、その軽減はなくなります。
2026年入居の基本的な控除率は年0.7%です。
過去の年1%という条件は、現在の新規購入にはそのまま使えません。
既に返済中の人は入居年に対応する控除率と残りの控除期間を使います。
控除率をそのまま差し引けない3つの理由
- 対象となる借入限度額を超えた部分は、借入額を増やしても控除が増えない。
- 所得税等の額が少なければ、計算上の控除額を使い切れない。
- 控除は年末の対象残高で計算する一方、利息は返済中の残高などで計算する。
数字で確認:控除を使い切れないと見え方が変わる
以下は仕組みを理解するための仮定です。
年末の対象残高3,000万円、控除率0.7%、年間の支払利息30万円、当年分として比較する費用を0円とします。
金利の単純な掛け算ではなく、返済予定表にある利息の合計を使う点が大切です。
| 確認項目 | 控除を使い切れる例 | 税額の制約がある例 |
|---|---|---|
| 計算上の控除額 | 21万円 | 21万円 |
| 実際の減税額 | 21万円 | 12万円と仮定 |
| 支払利息 | 30万円 | 30万円 |
| 減税を差し引いた利息負担 | 9万円 | 18万円 |
どちらもローンの元本返済は別に必要です。
この表は返済額全体でも、借り入れから完済までの総損益でもありません。
取得時の融資手数料、保証料、登記費用、団体信用生命保険の上乗せ金利なども、契約に合わせて加えます。
頭金を減らして借入額を増やすなら「増える部分」で計算
追加で借りるか考える順番
例えば融資手数料が借入額の2.2%という契約なら、借入額を100万円増やすだけで手数料は2万2,000円増えます。
すべての銀行がこの料金体系ではありませんが、最初にかかる費用を省くと比較を誤ります。
手元資金を残すことには、修繕や失業時の支出に対応できる価値があります。
一方、使う予定のない資金を残すために長く借り続ければ、利息負担も続きます。
「控除があるから」だけで借入額を増やさず、必要な現金と追加コストを分けて考えます。
返済中の人は年末の控除と来年の利息を同じ期間で比較
年末直前に繰り上げ返済すると、その年の控除が下がる場合があります。
ただし、年を越せば必ず得とは限りません。
待っている間の利息、返済日、残高の上限、実際の税額を含めて比較します。
将来の変動金利を一定と置いた試算は予測ではありません。
現在の金利に加え、金利が1ポイント上がった場合も試算しておくと、控除終了後を含めた返済の重さが見えます。
参考情報(2026年9月22日確認)
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