はじめのかんぽはお得?返戻率、メリットとデメリット、向いている人を解説

「はじめのかんぽ」は、郵便局で相談できる、かんぽ生命の学資保険です。
ゆうちょ銀行の預金商品ではなく、途中解約時の解約返戻金や契約者の保障を含む保険商品です。
2026年5月2日時点の公式例では返戻率が約101.7%になる契約例がありますが、これは18年間の累計比率であり、年1.7%で増えるという意味ではありません。
受取時期、途中解約、インフレ、契約者に万一のことがあった場合の保険料払込免除を分けて判断します。
はじめのかんぽを選ぶ前の結論
- 教育資金を決まった時期に受け取り、契約者の万一にも備えたい家庭には候補になります。
- 公式例の返戻率約101.7%は18年間の累計で、比較用の年換算概算は約0.19%です。
- 途中解約では元本割れする可能性があるため、生活防衛資金を別に確保します。
- 払込免除の対象事由と免責は、加入する契約の保障設計書と約款で確認します。
- 教育資金の全額を学資保険へ固定せず、預貯金やNISAと役割を分ける方法が現実的です。
はじめのかんぽとは
はじめのかんぽは、かんぽ生命が取り扱う学資保険です。
全国の郵便局やかんぽ生命の窓口で相談できますが、預金保険制度で保護されるゆうちょ銀行の定期預金ではありません。
子どもの進学時期に合わせて学資金を受け取り、契約内容に応じて契約者の死亡や所定の重度障がいなどへ備えます。
| コース | 主な受取時期 | 向いている家庭 |
|---|---|---|
| 大学入学時 | 17歳満期または18歳満期 | 入学金などのまとまった支出に備えたい |
| 各学校の入学時 | 小学校、中学校、高校、大学の入学前と満期 | 進学ごとの制服や教材にも備えたい |
| 大学入学時と在学中 | 18歳から21歳まで | 大学4年間の授業料や生活費を分けて受け取りたい |
満期年齢、学資祝金の時期、10歳払込済などの選択肢はコースごとに異なります。
「17歳満期」や「10歳払込済」がすべてのプランで選べるわけではないため、子どもの生年月日と入学時期に合わせて設計します。
2026年5月2日時点の保険料と返戻率
かんぽ生命の商品ページには、2026年5月2日時点の保険料例が掲載されています。
基準保険金額500万円、全期間払込、18歳満期、被保険者0歳、口座払込みの場合、契約者30歳男性の月額保険料は22,750円です。
18年間で216回払うと、払込総額は4,914,000円です。
返戻率の計算例
5,000,000円÷4,914,000円×100=約101.75%
同じ条件で契約者30歳女性の場合、月額保険料は22,700円です。
払込総額は4,903,200円となり、500万円を受け取る前提の返戻率は約101.97%です。
| 契約者 | 月額保険料 | 払込総額 | 返戻率 |
|---|---|---|---|
| 30歳男性 | 22,750円 | 4,914,000円 | 約101.75% |
| 30歳女性 | 22,700円 | 4,903,200円 | 約101.97% |
保険料と返戻率は、契約者の年齢と性別、子どもの年齢、満期、払込期間、保険金額、特約の有無で変わります。
現在の公式例を、過去に加入した契約の解約返戻金や満期金へ当てはめることはできません。
返戻率101.7%を年1.7%と考えない
返戻率は、受取総額を払込保険料総額で割った累計の比率です。
18年間で約1.7%増える契約例を、毎年1.7%ずつ増える金融商品と比べると判断を誤ります。
返戻率約101.75%
18年間の払込総額4,914,000円に対し、500万円を受け取る累計比率です。
年換算概算約0.19%
毎月末に22,750円を216回払い、18年後に500万円を一括受取すると仮定した比較用の内部収益率です。
年換算約0.19%は、特約、配当、税効果を含めない単純な比較用概算です。
契約で保証される運用利率ではなく、払込免除という保険機能の価値も数字に含めていません。
預金金利や投資信託の期待収益率と比べるときは、元本の扱い、途中換金、保障、価格変動を同じ条件にそろえます。
はじめのかんぽのメリット
はじめのかんぽの役割は、高い利回りを狙うことより、使う時期が決まった教育資金を計画的に準備し、契約者の万一へ備えることです。
| メリット | 内容 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 受取時期を選べる | 大学入学時、各学校の入学時、大学在学中などから選べます | 受験料や入学金の支払日より前に受け取れるか |
| 積み立てを続けやすい | 毎月の保険料として払い、生活費と分けて管理できます | 収入が下がっても払える月額か |
| 契約者の万一へ備える | 契約内容に応じて以後の保険料払込みが免除されます | 対象事由、免責、保障開始日 |
| 生命保険料控除 | 条件を満たす保険料は一般生命保険料控除の対象です | 控除額と実際の減税額を混同しない |
| 対面で相談できる | 郵便局やかんぽ生命の窓口で設計を確認できます | 特約なしと特約ありの見積もりを分ける |
保険料払込免除は契約内容を確認する
学資保険には、契約者が死亡した場合などに、以後の保険料払込みが免除される設計があります。
対象となる重度障がいの状態、免責、特約の有無は契約内容で異なります。
「どのような場合でも払込免除になる」と考えず、加入する契約の保障設計書、契約概要、注意喚起情報、約款で対象事由を確認します。
途中解約とインフレのデメリット
はじめのかんぽを検討するときは、満期時の返戻率より、満期まで払い続けられるかを先に判断します。
| デメリット | 家計への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 途中解約 | 解約時期と契約内容によって、解約返戻金が払込総額を下回ります | 年ごとの解約返戻金表を受け取り、緊急資金を別に持ちます |
| インフレ | 受取額が同じでも、教育費の上昇で実質価値が下がります | 長期資金の一部をNISAなどへ分けます |
| 資金の固定 | 急な支出へ預貯金のように使えません | 教育資金と生活防衛資金を別口で管理します |
| 特約の保険料 | 保障を増やすと払込総額が増え、貯蓄性が下がります | 基本契約と特約を分けて見積もります |
| 受取時期のずれ | 入学金の支払日より学資金が遅いと一時的に資金不足になります | 推薦入試など早い入学手続も想定します |
途中解約すると必ず元本割れするとは限りませんが、特に契約初期は払込総額を下回る可能性があります。
自分の契約でいつ100%へ到達するかは、申込時に交付される解約返戻金の推移で確認します。
既契約者が解約を検討する場合も、2026年の新規契約例ではなく、加入時の設計書と現在の解約返戻金で判断します。
医療特約を付ける前の確認
はじめのかんぽには、災害保障、医療保障、先進医療保障などの特約を付けられる場合があります。
保障を一つにまとめたい家庭には便利ですが、教育資金の準備を主目的にするなら、特約後の払込総額で返戻率を計算します。
子どもの医療費は、自治体の助成で自己負担が抑えられる地域があります。
地域の助成、勤務先の保障、すでに加入している保険、貯蓄で負担できる額を確認し、保障の重複を避けます。
特約なし、必要な特約だけ、すべての特約という複数の見積もりを取り、保険料差と受けられる保障を比べると判断しやすくなります。
預貯金とNISAとの使い分け
教育資金を一つの商品だけで準備する必要はありません。
使う時期と価格変動へ耐えられる期間に応じて、預貯金、学資保険、NISAへ分けます。
近い時期に必ず使う分
預貯金で確保します。
受験料や入学金など、値下がりさせられない資金です。
契約者の万一へ備える分
学資保険を検討します。
払込免除の条件と受取時期を合わせます。
長期で変動を許容できる分
NISAでの積立を検討します。
入学時期が近づいたら段階的に現金化します。
NISAは利益が非課税になる一方、元本保証ではありません。
大学入学の直前に相場が下がる可能性があるため、使う5年ほど前から必要額を確認し、値動きのある資産を段階的に現金へ移す方法があります。
学資保険、預貯金、NISAの配分は「教育資金をNISAと学資保険で準備する方法」で比較しています。
2027年に始まる予定の子ども向け制度は「こどもNISAの仕組みと注意点」で確認できます。
はじめのかんぽが向く家庭
主たる収入者に万一があっても教育資金を残したい家庭には、払込免除を持つ学資保険が候補になります。
投資の値動きを避け、決めた時期に金額が分かる仕組みを重視する家庭にも合います。
手元にあるお金を使ってしまいやすく、保険料として分けたほうが積み立てを続けやすい家庭にも使いやすい方法です。
一方、返戻率の高さを最優先する家庭、途中で自由に引き出したい家庭、収入変動が大きい家庭には合わない場合があります。
まず数か月分の生活費を預貯金で用意し、途中解約を避けられる月額へ抑えます。
緊急資金の作り方は「生活防衛資金はいくら必要か」で整理しています。
契約前のチェックリスト
- 学資金と満期保険金の受取総額を確認します。
- 基本契約だけの払込保険料総額と返戻率を計算します。
- 特約を付けた後の払込総額と保障内容を確認します。
- 入学金の支払日より前に学資金を受け取れるか確認します。
- 契約者の払込免除について、対象事由と免責を確認します。
- 契約年ごとの解約返戻金と、払込総額を上回る時期を確認します。
- 収入が下がっても満期まで払える月額かを家計で試算します。
比較するときは、受取総額だけでなく、同じ契約者年齢、子どもの年齢、満期、払込期間、特約条件にそろえます。
月額保険料が低いプランでも、払込期間が長ければ総額が大きくなる場合があります。
よくある質問
はじめのかんぽはゆうちょ銀行の商品ですか?
ゆうちょ銀行の預金ではありません。
郵便局で相談できますが、引受保険会社はかんぽ生命です。
預金の金利ではなく、保険料、保険金、解約返戻金、保障内容で判断します。
返戻率101.7%なら年1.7%で増えますか?
年1.7%ではありません。
公式男性例の101.75%は18年間の累計比率です。
毎月払いと18年後の一括受取を仮定した比較用の年換算概算は約0.19%ですが、契約上の保証利率ではありません。
途中解約すると必ず元本割れしますか?
解約時期と契約内容で異なります。
特に契約初期は払込総額より解約返戻金が少なくなる可能性があるため、自分の設計書にある年ごとの金額で確認します。
契約者が死亡すると必ず保険料が免除されますか?
加入する契約の保障設計と約款に定めた条件を満たす必要があります。
死亡以外の重度障がい、対象事由、免責を含め、申込前に書面で確認します。
出生前でも加入できますか?
父または母を契約者とする場合、出生予定日の140日前から申し込める取扱いがあります。
契約可能なコースと条件は、出産予定日を基に見積もりで確認します。
受取時に税金はかかりますか?
契約者、保険料負担者、受取人の関係と受取方法で所得税や贈与税の扱いが変わります。
子どもを受取人にするだけで有利になるとは限らないため、契約者と受取人を決めるときに税区分を確認します。
返戻率と保障を分けて決める
はじめのかんぽは、教育資金を決めた時期に準備し、契約者の万一へ備えたい家庭の選択肢です。
2026年5月2日時点の公式男性例は返戻率約101.75%ですが、18年間の累計であり、高利回りを示す数字ではありません。
加入前には特約なしの返戻率、払込免除の条件、途中解約返戻金、受取時期を同じ設計書で確認します。
教育資金を預貯金、学資保険、NISAへ分け、満期まで払い続けられる範囲だけを保険へ回す方法が使いやすいです。
保険料例と商品内容は2026年5月2日時点の「かんぽ生命 はじめのかんぽ」を基にしています。
実際の保険料、保障、解約返戻金は契約者ごとの見積書と保障設計書で確認します。
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