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万が一のための生活防衛資金を貯めておく必要性とそのメリット

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急な質問ですが、明日から1円もお金が入ってこなくなるとしたら、あなたたちはどのくらい生きていくことができますか?

この質問に対して、1カ月とか2カ月といったごく短い期間しか生活できないと答えた方は注意が必要です。今回は家計における「生活防衛資金」「生活資金」に関するエントリーです。

投資という観点においても、仕事や万が一の際のリスク対策としても生活防衛資金という考えはとても大切なものだと考えています。

また、リスクヘッジといった予防的な考え以外にも防衛資金を準備しておくことで大きなメリットもあります。

今回はそんな、万が一に備えた生活防衛資金をためておく必要性とそのメリットを紹介していきます。

生活防衛資金とは?

生活防衛資金というのは、万が一のために自分や家族の生活を防衛するための資金という意味でつかわれます。今は色々な所でこの表現を使っていますが、源流(?)は木村剛氏の書籍「投資戦略の発想法」が出所かと思います。私もこの本を読んでなるほどと思って記事化しました。

たとえば、リストラ・倒産・病気・怪我・大規模災害による罹災など様々な要因によって収入が断たれてしまった場合に、自分と家族が生活していくための資金ということになります。幅があるものの6カ月程度~2年程度の生活費(年収ではありません)を生活防衛資金としてためておくことが推奨されています。

ちなみに、生活防衛資金として貯めているお金はどのくらいの人生のリスクに対応できるのかを考えてみると以下のようになると分析します。

  • 6カ月
    病気や怪我などで一時的な収入が亡くなったとしても対応できる期間
  • 1年間
    失業したとしてもある程度余裕をもって再就職先を探せる期間
  • 2年間
    病気+失業のように不幸が重なっても生活再建に余裕のある対応が可能な期間

というように考えることができると思います。たとえば、毎月20万円の生活費がかかっている家計の場合、2年分の生活防衛資金なら480万円という計算になります。

生活防衛資金と生活費

生活防衛資金は2年程度の生活費としていますが、ためておくべき金額は「生活費」となります。

ですから、生活費を引き下げる、節約することができれば必要となる生活防衛資金も小さくて済むわけです。

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上記の記事では収入と支出の家計診断と、支出を減らすためのテクニックや考え方を書いております。こちらもご一読いただければと思います。

独身者と家庭持ちは大きい

ちなみに、上記は基本「家庭持ち(夫婦+子供)」の前提です。独身者であれば生活資金自体はもっと少なくて済むでしょう。病気やケガで会社を休むという場合でも「傷病手当金」などを利用すれば最低限のお金は手に入ります。失業しても失業給付(失業保険)がありますよね。なので、生活防衛資金といっても十万~数十万もあれば十分といえるかもしれません。なのでさほど意識しなくても大丈夫ですね。

一方で、家庭持ちであれば必要になる資金は大きくなりますので、意識して現預金として貯蓄しておく必要があります。

 

生活防衛資金はどうやって用意しておく?

生活防衛資金において重要な要素は「流動性」の高い金融商品が向いています。流動性というのはキャッシュ(現金)として容易に引き出すことができるということです。

中でも一番向いているのは「預貯金」でしょう(仕組預金は除く)。

たとえ、定期預金であっても損をすることなく解約をすることができ、最短即日で現金化が可能です。また、ATMネットワークを通じてどこでも資金を引き出すことが可能です。

換金するのにものすごく時間がかかるようなものや、急いで換金しようとすると損をするようなもの(不動産など)は生活防衛資金向けではありません。

  • 現金、普通預金
  • 定期預金
  • 証券会社のMRFやMMF
  • 個人向け国債(1年以上経過)

等が挙げられますね。下に行くほど流動性は低くなります。

最も流動性の高い保管方法は「普通預金」

流動性が高く安定している生活防衛資金の置き場所は「普通預金」でしょう。銀行の窓口やATMがあれば自由に引き出すことができます。

先の災害の際にも銀行は預金者に対して一定の預金の引き出しに無条件で応じるなどの柔軟な対応を取ってくれました。こういったことを考えても、生活安定のための生活防衛資金の預け先としては普通預金がお勧めです。

少しでも普通預金を高金利で運用するには?

そうはいっても普通預金は金利が低いし……と思われるかもしれません。たしかにその通りです。一方で生活防衛という意味でも安定的な普通預金は活用したいところです。

じゃあ、金利が高い銀行に預金すればいいじゃないですか。ということで候補に挙がるのは

※いずれも2019年8月1日時点。それぞれ「○○適用」としている通り上記の金利が適用されるには簡単な条件を満たす必要があります。詳しくは「普通預金の金利が高い楽天銀行とイオン銀行を徹底比較」をご覧ください。

タンス預金はあまりおすすめしません

上記の災害のリスクなども考えると、自宅に多額の現金を残しておくというのもあまりお勧めしません。自宅に現金を保管することを「タンス預金」といいますが、防犯面でも災害という意味でもあまり、現金を保管しておくことにメリットはありません。

タンス預金のリスクについては「タンス預金をおすすめしない理由とタンス預金のメリットの嘘(間違い)」でも詳しく紹介しているのでこちらもご参照ください。

株式や投資信託などの有価証券は生活防衛資金になる?

たとえば、「株式」のようにその気になれば市場で売却すれば(元本割れの可能性はあっても)現金化できるような金融資産は防衛資金に含まれるのか否か、という考えがあります。

個人的には、生活防衛資金は基本的に現金預金のような元本保証の流動性が高い商品で運用することをお勧めしています。

理由は生活防衛資金に手を出すときが、相場が最悪の状況だったらどうするのか?というリスクを抱えてしまうのです。

不謹慎と思われるかもしれませんが、仮に生活防衛資金を株で運用していたとします。

そして、先の震災のような大規模な災害に罹災したとします。その上で、被災からの立ち直りのために株を売って生活防衛資金に手を付ける場合を考えてみます。

震災の翌営業日の日経平均株価は、3/14は633円安、3/15は1015円安とたった2日で1600円も値下がりしているわけです。こうした状態のときに、状況もわからないまま株を売らなければならないという選択をしなければならないリスクもあるわけです。

個人的には生活防衛資金は流動性・元本保証性が高い現金預金を一番に押します。投資するとしても流動性と元本が高い可能性で確保できる商品を一定額は保有しておくべきだと考えています。

ただ、こうした混乱は続いても数か月くらいと考えるのであれば、数か月分の生活防衛資金は現預金として置き、残りの部分は国内株や投資信託のような投資商品で運用してもよいと考えています。

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投資や運用も大切だけど現金は生命線

キャッシュイズキング(Cash is King)という言葉があります。投資は将来のために必要なことかもしれません。

老後には2000万円、3000万円が必要などと言われており、そのためになんとか投資をして増やしていかなければならない……と強迫観念をお持ちの方もいるかもしれません。

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その一方で、今を生きるため、今何かあった時のための方が、将来よりも大切なはずです。今に対する備えをしっかりと持つことで、逆にリスクを負って将来のための行動ができる場合もあります。

お金があったら投資!投資!投資!という主張もありますが、最低でも一定期間は暮らせる生活防衛資金を持つことが、将来にとってもプラスになると私は考えます。

 

生活防衛資金を十分に確保しておくことによるメリット

最後に、生活防衛資金を十分に準備できている状況が家計にとってどのようなメリットがあるのかを紹介していきます。

生活防衛資金があれば無駄な保険を解約できる

生命保険・医療保険は損をする金融商品」で紹介したように生命保険や医療保険といった保険は期待的に考えると損をします。なので家計をよりスリムにしたいなら保険への加入は最小限にするべきです。

でも、万が一があった時のことを考えると保険が必要です。

ところが、2年分の生活防衛資金を貯めることができたとしましょう。そうすれば、一般的な医療保険(入院保険)はほぼ不要になるはずです。

そうすれば、支払っている保険を節約することができ、結果的に月々の支出トを減らすことができ、フリーキャッシュフローが増え、運用や貯蓄に回せるお金を増やすことができます。

人生でリスクのある決断をすることができる

人生において、リスクをとった決断が必要な場面があります。

特に収入に関する部分は大きな決断が必要です。独立したい、転職したい、移住したいなど色々な決断をする際に、一定の生活防衛資金があれば、その決断をやりやすくなるでしょう。

 

生活防衛資金と将来必要になるお金

生活防衛資金というのはあくまでも名目であって、お金に色を付けて管理する必要はないと思います。

単純に生活費の6カ月~2年程度は流動性の高い現金や国債などの低リスク資産で保有しておけば万が一の場合も、生活が破綻させずに済むというお話です。

また、生活防衛資金と一緒に考えておきたいお金が、将来必ず必要になるお金です。

  • 子どもの進学にかかる諸費用(入学金)
  • 車などの大型消費財の購入費用
  • マイホーム購入等の頭金

こういった支払いが予定されているような場合は、生活防衛資金だけでなく、これらも必要になる時期に応じて低リスク資産で運用するようにしましょう。

以上、万が一のための生活防衛資金を貯めておく必要性を紹介しました。