セルフメディケーション税制とは?対象医薬品、医療費控除との違い、使い方

セルフメディケーション税制は、対象の市販薬を一定額以上買った年に使える所得控除です。
通常の医療費控除と似ていますが、対象になる支出、控除額、使える条件が違います。
この記事では、2026年7月時点の制度内容をもとに、対象医薬品、医療費控除との違い、確定申告での使い方を整理します。
この記事の要点
- 制度の対象期間は、国税庁の説明では平成29年1月1日から令和8年12月31日までです。
- 対象医薬品の購入額から1万2000円を引いた金額が所得控除になり、控除額の上限は8万8000円です。
- 通常の医療費控除とは選択制で、同じ年に両方を併用することはできません。
- 対象商品はレシートに対象商品である旨が表示され、厚生労働省の対象品目一覧でも確認できます。
セルフメディケーション税制の仕組み
国税庁のセルフメディケーション税制の説明では、健康の保持増進と疾病予防のための一定の取組を行っている人が、対象医薬品を購入した場合に所得控除を受けられます。
対象期間は、平成29年1月1日から令和8年12月31日までです。
控除額は、対象医薬品の購入額から1万2000円を差し引いた金額で、上限は8万8000円です。
| 対象医薬品の年間購入額 | 控除額 | 所得税10%、住民税10%の場合の節税目安 |
|---|---|---|
| 1万2000円 | 0円 | 0円 |
| 3万円 | 1万8000円 | 約3600円 |
| 5万円 | 3万8000円 | 約7600円 |
| 10万円 | 8万8000円 | 約1万7600円 |
所得控除なので、購入額がそのまま戻るわけではありません。
控除額に所得税率と住民税率をかけた分だけ、税負担が軽くなる仕組みです。
対象になる人と一定の取組
この制度は、対象医薬品を買っただけでは使えません。
その年に健康の保持増進と疾病予防のための一定の取組を行っている必要があります。
- 勤務先の定期健康診断を受けた。
- 自治体や健康保険組合の健康診査を受けた。
- 人間ドックやがん検診を受けた。
- 予防接種を受けた。
一定の取組にかかった費用そのものは、セルフメディケーション税制の対象医薬品購入額には入りません。
確定申告では、明細書を作成し、必要に応じて取組を行ったことを説明できる書類を保存します。
対象医薬品の見分け方
厚生労働省は、セルフメディケーション税制の対象品目一覧を公表しています。
対象商品は、購入時の領収書やレシートにセルフメディケーション税制の対象商品である旨が表示されます。
一部の商品には、パッケージに共通識別マークが表示されています。
ただし、同じように見える風邪薬や胃腸薬でも、対象になる商品と対象外の商品があります。
ドラッグストアで買う場合は、対象マークだけでなく、レシートに対象表示が入っているかを確認して保管します。
医療費控除との違い
セルフメディケーション税制は、通常の医療費控除の特例です。
同じ年に、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を両方使うことはできません。
| 比較項目 | セルフメディケーション税制 | 通常の医療費控除 |
|---|---|---|
| 対象支出 | 対象の市販薬 | 診療費、治療費、薬代など |
| 足切り額 | 1万2000円 | 原則10万円または総所得金額等の5% |
| 控除上限 | 8万8000円 | 200万円 |
| 併用 | 通常の医療費控除とは選択制 | セルフメディケーション税制とは選択制 |
| 向いている人 | 病院代は少ないが、市販薬をよく買う人 | 医療費全体が大きい人 |
病院代や歯科治療費が多い年は、通常の医療費控除のほうが有利になりやすくなります。
一方で、医療費が10万円に届かない年でも、対象の市販薬が1万2000円を超えていればセルフメディケーション税制を検討できます。
通常の医療費控除の基本は、次の記事で整理しています。
病院で処方してもらう場合と市販薬を買う場合
病院で診察を受けて処方薬をもらうほうがよいか、市販薬で対応するほうがよいかは、税金だけでは決められません。
症状が重い、長引く、繰り返す場合は、自己判断で市販薬を使い続けるより、医療機関で相談するほうが適切です。
軽い症状で、対象医薬品を家族分も含めて定期的に購入している家庭なら、レシートを保管しておく価値があります。
節税額は数千円から1万円台になりやすいため、無理に薬を買い足して控除を増やす制度ではありません。
確定申告での使い方
セルフメディケーション税制を使うには、確定申告で明細書を添付します。
対象医薬品のレシートは、商品名、金額、対象表示、購入日が分かる形で保管します。
会社員でも、年末調整だけではこの控除は受けられません。
確定申告の基本や電子申告の流れは、次の記事が参考になります。
失敗しやすいポイント
- 対象外の市販薬まで合算してしまう。
- レシートを捨てて、対象商品か確認できなくなる。
- 通常の医療費控除と二重に使えると誤解する。
- 予防接種や健康診断の費用を対象医薬品購入額に入れてしまう。
- 節税目的で不要な薬を買い足してしまう。
この制度は、普段から市販薬を使う家庭の税負担を少し軽くする制度です。
家計上は、必要な薬を買い、レシートを残し、年末に通常の医療費控除と比べる使い方が現実的です。
参照した情報と確認日
この記事は、2026年7月5日に次の情報を確認して更新しています。
- 国税庁「特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき」
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制について」
次に読むと役立つ記事
通常の医療費控除を確認したい人はこちらです。
確定申告の基礎を確認したい人はこちらです。
所得税や住民税の控除を整理したい人はこちらです。
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