近年、様々なポイントプログラムが「永久不滅ポイント運用」「dポイント投資」「楽天ポイント投資」といったように、貯まったポイントを使った投資・運用サービスを始めています。

こうしたポイント投資を利用する際に気になることの一つが「税金」です。ポイント投資をした結果、利益が生じた場合、その利益に対する税金はどのように扱われるのでしょうか。また、確定申告は必要になるのでしょうか。

今回は、国税庁の公式見解も踏まえながら、そんなポイント投資とその税金の仕組みについて詳しく紹介していきます。

ポイント投資とは?

クレジットカードの利用やショッピングなどで貯まったポイントを、疑似的あるいは直接的に投資することができるサービスです。「ポイント運用」と呼ばれることもあります。

2016年ごろから複数のポイントプログラムが、ポイントを使った投資(運用)のサービスを展開し始めました。これらはいわゆる単なるゲーム(バーチャル投資)ではなく、実際の株価や投資信託の基準価額に連動してポイントが増減する本格的な仕組みを持っています。

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ポイント投資での儲けってどういう扱いになる?

ポイント投資・運用は「投資」なわけですから、運用がうまくいけば利益が出ることになります。そうして出た利益は税務上、どのように扱われるのでしょうか?

結論から言えば、利益が出た場合、その利益は当然に課税対象となります。ただし、ポイント運用の「やり方」によって税金のかかり方(課税区分)が異なります

ここで重要なのは、それが「ポイントのまま疑似運用されるのか」、それとも「ポイントを円(現金)に換金して実際の金融商品に投資をしているのか」という違いです。

ポイントのまま運用されるパターン(疑似運用)

まず一つ目は、ポイント投資が「ポイントのまま」運用されるケースです。手持ちのポイントを投資(運用)に回し、増減した結果を再び「ポイントとして」受け取ることができるタイプのサービスです。

例えば、100ポイントを投資して、それがうまくいき105ポイントになって戻ってくるというタイプです。下記のようなサービスが該当します。

この場合、ポイントはあくまで「ポイントのまま」で増減します。その上で利益が確定(ポイントを引き出し)した場合、それはそのサービスを提供している企業から新たにポイントをもらったのと同じ扱いになります。

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国税庁の見解:引き出したポイントは「一時所得」国税庁は2020年に「個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」という公式見解を公表しています。これによれば、通常の買い物による値引きポイントは課税対象外ですが、キャンペーン等で獲得したポイントや、こうした運用によって増えたポイントは「使用時(引き出して消費した時)」に一時所得として課税対象になると明記されています。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価、資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得のことです。計算式は以下のようになります。

総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

その上で、算出された一時所得の金額の「2分1」にあたる金額を、給与所得などの他の所得と合算して総合課税の対象とします。

つまり、このタイプの疑似運用は、運用益(増えたポイント)を含めた一時所得の合計が年間50万円の特別控除額を超えない限り、実質的に課税されない(非課税に近い)といえます。ただし、投資金額が非常に大きくなり、特別控除額を超えるような利益を出した場合は確定申告が必要となります。

ポイントを円(現金)に換金して投資をするパターン

二つ目は、ポイントを使って実際の「金融商品」に投資をする場合です。ポイントを利用して、証券会社を通じて投資信託や株式といった有価証券を直接購入する仕組みです。

買付時にはポイントを使用しますが、売却するときは「現金(日本円)」で戻ってくることになります。「ポイントを現金に換算して投信などを買う」というイメージです。代表的なサービスとしては下記があります。

  • 楽天ポイント投資(楽天証券)
  • Vポイント投資(SBI証券)
  • Pontaポイント投資(三菱UFJ eスマート証券)

この場合は、ポイント投資ではありますが、ポイントとして運用するわけではなく、「ポイントを日本円(現金)に交換して投資をしている」という扱いになります。

したがって、運用による利益に対する税金の扱いは、通常の現金で金融商品を購入した場合と全く同じです。株式や投資信託を売却して得た利益に対しては「譲渡所得」として20.315%の税金(申告分離課税)が発生します。特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、自動的に税金が引かれるため確定申告は不要です。

重要:ポイントで買った株式の「取得費」の計算に注意
国税庁の公式見解によると、証券会社でポイントを使って株式や投資信託を購入した場合、二重の処理が必要になります。
ポイント使用相当額は「一時所得」の総収入金額に算入される(※年間50万円の特別控除あり)。
購入した株式等の取得価額は「ポイント使用前」の金額(ポイント分を含む全額)で計算する。
例えば、1万円分のポイントを使って1万円の株を買った場合、その株の取得費は0円ではなく「1万円」として将来の譲渡益計算に用います。確定申告の際にはこの扱いに十分注意してください。

ポイント投資は「ポイントのまま運用」が税制上有利?

というわけで、ポイント投資と一口に言っても、その利益(儲け)に対する税金の扱いは二通りに分かれます。

税制上有利なのはどっちか?と聞かれたら、利益が少額(一時所得が年間50万円以下)に収まる範囲であれば、約20%の税金が確実にかかる証券会社の投資よりも、ポイントのまま運用するタイプ(一時所得扱い)の方が有利といえそうです。

ただ、めちゃくちゃ利益が出るようなケース(運用益だけで年間50万円以上など)では総合課税の対象になり、確定申告をする必要が出てきます。

【参考】確定申告が必要になる具体的な金額の目安
一時所得としてポイント運用益の課税が実際に発生するのは、他の一時所得(懸賞の当選金やふるさと納税の返礼品など)と合算して50万円(特別控除)を超えた場合です。
さらに、他に一時所得がない一般的な給与所得者(会社員)の場合、実質的に確定申告と納税が必要になるのは、運用益が146万円を超え、課税所得が基礎控除等の枠を上回る水準になった場合が目安とされています。

実際にそこまで利益を出すには、数百万円相当の莫大なポイントを運用する必要があるため、一般的な利用者にとってはあまり現実的ではないと言えそうです。しかし、仮にポイント長者の方でそのような大規模運用をされている方がいらっしゃる場合は、税金の計算にご注意ください。

また、もしポイント長者の方がこの記事をご覧になっているのであれば、万が一のことも考えておく方が良いと思います。ポイントは基本的に「相続」ができないケースが多いからです。

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以上、ポイント投資・ポイント運用で儲けたときの税金の扱いについてまとめてみました。ご自身の利用しているサービスが「疑似運用型」なのか「証券口座での買付型」なのかをしっかりと把握し、賢くポイントを増やしていきましょう。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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