副業の名義の問題とリスク。妻や夫、両親名義で副業するのは問題か?
最近では、インターネットなどを通じて副業をすることができるようになっています。こうした副業をするときには「名義」を自分自身ではなく、妻や夫、両親といった自分以外の別の人の名義で副業をする(収入を得る)ことを考えている人もいるかもしれません。
大きな理由としては「副業禁止の会社で働いている方」や「所得税や住民税などの税負担を小さくするため」といった理由で副業名義の変更を考えている方が多いかもしれません。
今回はそんな副業の名義を変えるときのメリット、デメリットや、最新の法律・税制(ペナルティの厳罰化や年収の壁の改正など)を踏まえた重大な問題点などを紹介していきます。
副業を自分の名義ではなく別の人の名義でする理由
最初にも書きましたが、副業の名義を自分自身ではなく別の家族名義でする理由としては「会社対策(副業禁止の会社)」や「税金上の問題(所得税や住民税)」、「扶養の問題」などがあげられるでしょう。
副業禁止の会社で働いている場合
政府が副業・兼業を推進し、大企業を中心に副業を認める会社も増えていますが、一方で副業を禁止する会社もまだまだ多く存在します。
インターネットなどでの副業・副収入の場合は、外から副業がばれるケースはそこまで高くはないと思いますが、税金の確定申告に伴う住民税額の変動による発覚のリスクも少なくはありません。
こうしたリスクを回避する方法の一つとして、自分ではなく妻や両親といった別人名義で副業をすればばれるリスクはなくなると考える人がいます。
所得税の税負担を減らしたい場合
続いてはより実利に近い考え方です。
日本の所得税制は累進課税制度が採用されており、下記のように所得が高くなるほど課せられる税率も高くなっていきます。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
たとえば、年間の所得が330万円を超える人は所得税率は20%なので追加的に100万円の副業所得を得たとすると、所得税で20%+住民税10%の負担で合計30%の税負担が生じることになります。
一方で年間の所得が195万円の人なら、所得税5%+住民税10%の負担の15%の税負担でよくなります(※上表参照)。
副業で所得がある場合、名義を所得税率の低い人の所得とすれば節税することができるということになります。
扶養に入れている妻を扶養のままにしておきたい場合
上記とは逆に、扶養に入れている妻が副業をしており、副業所得によって夫の税務上、社会保険上の扶養から外れてしまうことを予防するために名義を妻ではなく夫にしてしまうというケースもあるかもしれません。
特にサラリーマンの妻で社会保険上の扶養に入っている人(第3号被保険者)については、以下の記事でも紹介しているように優遇されている部分が大きいので、そうしたい気持ちもわかります。
副業の名義を自分以外とするときの注意点とリスク
まず、原則として所得税は「名義の如何にかかわらず所得の帰属者に課せられる」ということになっています。これを実質所得者課税の原則と呼びます。
なので、実際には全部自分がやっているけど、上記であげたような理由で名義を妻(配偶者)にしたり、両親にしたりといったことをするのは違法であり大きな問題です。
以下の記事でも述べたように、最近ではインターネットを使った副業も増えており、名義がかなりあいまいになっているのは事実です。
しかし、ウェブサイトやブログの運営などは実質所得者課税の原則から言えば、「意思決定者は誰か?」「誰が運営しているのか?」「誰が責任を負っているのか?」といったことによって判断されます。広告会社に登録されている名義や振込先だけで形式的に認められるものではありません。
また、こうした問題以外にも下記のような重大なリスクが生じるケースがあります。
扶養から外れてしまうかも知れないという問題
たとえば、妻を名義としているケースで、妻は専業主婦やパートの場合には稼ぎすぎることで扶養から外れてしまうかもしれません。妻の扶養については税法上の扶養と社会保険上の扶養があります。
これらについてはかつて「主婦がパートとして働くときの103万円、130万円(106万円)の壁の存在」や「2018年から配偶者控除の年収要件が150万円までに改正」でも紹介したように、所得の壁は法律の改正により度々変動してきました。
【2025年・2026年最新】年収の壁の大幅な変化
直近の税制改正等により、扶養の壁は大きく動いています。
- 税制上の壁(配偶者控除等):従来の103万円から2025年に123万円へ引き上げられ、さらに2026年には178万円への引き上げが方針として明記されています。
- 社会保険の壁(106万円の壁):月収8.8万円以上という要件が2026年10月に撤廃される予定です。これにより「週20時間以上」働くと収入額に関わらず社会保険への加入が義務付けられるようになり、社会保険の扶養から外れる人が急増する見込みです。
このように税金や社会保険の制度は激しく変化しており、妻の名義で副業をする場合は思わぬ税金や社会保険料の負担増に直結する可能性が高いため、安易な名義変更は非常に危険です。
税務調査のリスクとペナルティの厳罰化
前述の通り、副業収入は名義だけを変えればOKというわけではありません。税務調査等が実施され名義人だけを変えていたようなケースでは、修正申告をするように言われる可能性が高いです。
令和6年(2024年)の税制改正により、無申告に対するペナルティが大幅に強化されました。
- 無申告加算税の引き上げ:税額が300万円を超える部分に対する加算税率が15%から30%に引き上げられました。繰り返し無申告の場合はさらに+10%加算され最大40%になります。
- 重加算税のリスク:家族名義を使った所得の分散が「隠蔽・仮装」と認定された場合、最大50%の重加算税が課されます。
これに延滞税も加わるため、本来納めるべき税額の2倍近い負担を背負うケースも少なくありません。
もし妻が社会保険の扶養から外れることがバレた場合には、遡って保険料の納付が必要となります。また、健康保険の適用を受けた医療費の支払いなども遡って清算することになるので大変です。
フリーランス保護法(2024年11月施行)による発覚リスク
2024年11月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス保護法)」が施行されました。これにより、発注事業者には業務委託時の書面による取引条件の明示などが厳格に義務付けられました。
発注企業側もコンプライアンス遵守の観点から、「契約書の名義人」と「実際の業務遂行者」が同一であるかの確認を厳しく行うようになっており、実態の伴わない名義貸し・名義借りは企業側から契約を打ち切られる、あるいは税務署へ正確な支払調書が提出されることで発覚しやすくなっています。
本当に適法な「家族への業務委託」とは?
このように副業の名義については単純に考えてよい問題ではありません。ただし、名義を単に変更するのではなく、実態として適法に家族へ業務を委託・共同運営する体制を作ることは可能です。
家族名義で合法的に副業の収益を分散させるためには、以下の条件を明確に満たす必要があります。
- 業務の実態があること:名義人となった家族が、実際に業務を遂行し、意思決定や責任を持っていること。
- 契約と口座の一致:家族が自身の名義で発注元と契約を結び、報酬の振込先もその家族自身の口座であること。
- 適切な対価の支払い:業務の内容や労働時間に見合った適正な報酬が支払われ、契約書や帳簿が正確に整備されていること。
- 自身での確定申告:名義人となった家族自身が、その所得について責任を持って確定申告を行うこと。
中長期的には税務調査等のリスクが常に伴います。「お尋ね」があった時でも明確に実態を証明して回答できるような体制を作っておく必要があると言えるでしょう。
以上、副業の名義の問題とリスクについてまとめてみました。
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