収入と所得の違い。年収・税込年収・手取り・課税所得をわかりやすく解説【2026年版】
「年収はいくらですか」「所得はいくらですか」「手取りはいくらですか」。どれもお金に関する言葉ですが、税金や社会保険、補助金、ふるさと納税の上限額を考えるときには意味がまったく違います。
この記事では、収入、所得、年収、税込年収、手取り、課税所得の違いを、会社員・個人事業主の両方に分けて整理します。2025年分以降の給与所得控除の改正も反映しています。
まず結論:収入と所得の違い
収入は「入ってきたお金の総額」、所得は「収入から必要経費や給与所得控除などを差し引いた金額」です。
| 言葉 | 意味 | 会社員の例 | 個人事業主の例 |
|---|---|---|---|
| 収入 | 入ってきたお金の総額 | 源泉徴収票の支払金額 | 売上高 |
| 所得 | 収入から必要経費等を引いたもの | 給与収入-給与所得控除 | 売上-必要経費 |
| 課税所得 | 所得から所得控除を引いたもの | 所得税率をかける前の金額 | 同左 |
| 手取り | 実際に受け取る金額 | 給与から税金・社会保険料を引いた額 | 売上から経費・税金・保険料等を払った後の資金 |
税金の計算では「収入」ではなく「所得」や「課税所得」を使うことが多いです。
年収・税込年収・額面・手取りの違い
年収・税込年収・額面
会社員の年収は、一般的には税金や社会保険料が引かれる前の支給総額です。源泉徴収票では「支払金額」にあたります。基本給、残業代、賞与、各種手当などを含みます。
「税込年収」「額面年収」もほぼ同じ意味で使われます。住宅ローン、クレジットカード、賃貸審査などでは、この税込年収を聞かれることが多いです。
手取り
手取りは、給与から所得税、住民税、社会保険料、雇用保険料などが差し引かれた後、実際に振り込まれる金額です。
生活実感に近いのは手取りですが、税金や給付金の判定では手取りを使わないことが多いです。「手取りが同じでも、扶養控除や住宅ローン控除の有無で税額が違う」ことがあるためです。
給与所得とは?
会社員や公務員の給与は、税金計算上「給与所得」に分類されます。給与所得は、給与収入から給与所得控除を差し引いて計算します。
給与所得控除は、会社員にとっての概算経費のようなものです。スーツ代や通勤に関する細かい経費を一つずつ申告しなくても、収入に応じた控除が認められています。
2025年分以降の給与所得控除
令和7年分以降の給与所得控除は、最低額が65万円になりました。国税庁の速算表では、給与収入が190万円以下の場合、給与所得控除額は65万円です。
| 給与収入 | 給与所得控除額(令和7年分以降) |
|---|---|
| 190万円以下 | 65万円 |
| 190万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 |
| 360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
| 660万円超 850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円 |
給与収入300万円なら、給与所得控除は98万円、給与所得は202万円というイメージです。
個人事業主の収入と所得
個人事業主やフリーランスの場合、収入は売上、所得は売上から必要経費を差し引いた金額です。
たとえば、売上1,000万円、必要経費700万円なら、所得は300万円です。売上だけを見ると大きく見えますが、利益がどれだけ残っているかは所得を見ないとわかりません。
会社員の「年収500万円」と、個人事業主の「売上500万円」は同じ意味ではありません。個人事業主は経費、社会保険、税金、事業資金も考慮する必要があります。
課税所得とは?
課税所得は、所得から所得控除を差し引いた金額です。所得税率はこの課税所得に対してかかります。
主な所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除、iDeCoの小規模企業共済等掛金控除などがあります。
所得税の大まかな流れ
収入 - 給与所得控除・必要経費 = 所得
所得 - 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 - 控除額 = 所得税額
所得税額 - 税額控除 = 実際の税額
ふるさと納税・給付金・扶養判定で使う数字は違う
お金の制度では、同じ「年収」でも見る数字が違います。
- ふるさと納税:住民税所得割や所得控除の影響を受ける
- 扶養控除:合計所得金額で判定することが多い
- 配偶者控除・配偶者特別控除:本人と配偶者の所得で判定する
- 児童手当・給付金:制度ごとに所得制限や算定方法が異なる
- 住宅ローン審査:税込年収や返済負担率を見ることが多い
「手取りが少ないから対象になるはず」「年収が低いから大丈夫」と自己判断せず、制度ごとの判定基準を確認しましょう。
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まとめ
収入は入ってきたお金の総額、所得はそこから経費や給与所得控除を差し引いた金額、課税所得は所得から所得控除を差し引いた金額です。手取りは生活実感に近い一方、税金や制度判定では別の数字が使われます。
税金、ふるさと納税、扶養、住宅ローン、給付金を考えるときは、どの数字を見ているのかを確認することが大切です。
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