収入と所得の違い

「年収はいくらですか」「所得はいくらですか」「手取りはいくらですか」。どれもお金に関する言葉ですが、税金や社会保険、補助金、ふるさと納税の上限額を考えるときには意味がまったく違います。

この記事では、収入、所得、年収、税込年収、手取り、課税所得の違いを、会社員・個人事業主の両方に分けて整理します。2025年分以降の給与所得控除の改正も反映しています。

まず結論:収入と所得の違い

収入は「入ってきたお金の総額」、所得は「収入から必要経費や給与所得控除などを差し引いた金額」です。

言葉 意味 会社員の例 個人事業主の例
収入 入ってきたお金の総額 源泉徴収票の支払金額 売上高
所得 収入から必要経費等を引いたもの 給与収入-給与所得控除 売上-必要経費
課税所得 所得から所得控除を引いたもの 所得税率をかける前の金額 同左
手取り 実際に受け取る金額 給与から税金・社会保険料を引いた額 売上から経費・税金・保険料等を払った後の資金

税金の計算では「収入」ではなく「所得」や「課税所得」を使うことが多いです。

年収・税込年収・額面・手取りの違い

年収・税込年収・額面

会社員の年収は、一般的には税金や社会保険料が引かれる前の支給総額です。源泉徴収票では「支払金額」にあたります。基本給、残業代、賞与、各種手当などを含みます。

「税込年収」「額面年収」もほぼ同じ意味で使われます。住宅ローン、クレジットカード、賃貸審査などでは、この税込年収を聞かれることが多いです。

手取り

手取りは、給与から所得税、住民税、社会保険料、雇用保険料などが差し引かれた後、実際に振り込まれる金額です。

生活実感に近いのは手取りですが、税金や給付金の判定では手取りを使わないことが多いです。「手取りが同じでも、扶養控除や住宅ローン控除の有無で税額が違う」ことがあるためです。

給与所得とは?

会社員や公務員の給与は、税金計算上「給与所得」に分類されます。給与所得は、給与収入から給与所得控除を差し引いて計算します。

給与所得控除は、会社員にとっての概算経費のようなものです。スーツ代や通勤に関する細かい経費を一つずつ申告しなくても、収入に応じた控除が認められています。

2025年分以降の給与所得控除

令和7年分以降の給与所得控除は、最低額が65万円になりました。国税庁の速算表では、給与収入が190万円以下の場合、給与所得控除額は65万円です。

給与収入 給与所得控除額(令和7年分以降)
190万円以下 65万円
190万円超 360万円以下 収入金額×30%+8万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+44万円
660万円超 850万円以下 収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円

給与収入300万円なら、給与所得控除は98万円、給与所得は202万円というイメージです。

個人事業主の収入と所得

個人事業主やフリーランスの場合、収入は売上、所得は売上から必要経費を差し引いた金額です。

たとえば、売上1,000万円、必要経費700万円なら、所得は300万円です。売上だけを見ると大きく見えますが、利益がどれだけ残っているかは所得を見ないとわかりません。

会社員の「年収500万円」と、個人事業主の「売上500万円」は同じ意味ではありません。個人事業主は経費、社会保険、税金、事業資金も考慮する必要があります。

課税所得とは?

課税所得は、所得から所得控除を差し引いた金額です。所得税率はこの課税所得に対してかかります。

主な所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除、iDeCoの小規模企業共済等掛金控除などがあります。

所得税の大まかな流れ
収入 - 給与所得控除・必要経費 = 所得
所得 - 所得控除 = 課税所得
課税所得 × 税率 - 控除額 = 所得税額
所得税額 - 税額控除 = 実際の税額

ふるさと納税・給付金・扶養判定で使う数字は違う

お金の制度では、同じ「年収」でも見る数字が違います。

  • ふるさと納税:住民税所得割や所得控除の影響を受ける
  • 扶養控除:合計所得金額で判定することが多い
  • 配偶者控除・配偶者特別控除:本人と配偶者の所得で判定する
  • 児童手当・給付金:制度ごとに所得制限や算定方法が異なる
  • 住宅ローン審査:税込年収や返済負担率を見ることが多い

「手取りが少ないから対象になるはず」「年収が低いから大丈夫」と自己判断せず、制度ごとの判定基準を確認しましょう。

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まとめ

収入は入ってきたお金の総額、所得はそこから経費や給与所得控除を差し引いた金額、課税所得は所得から所得控除を差し引いた金額です。手取りは生活実感に近い一方、税金や制度判定では別の数字が使われます。

税金、ふるさと納税、扶養、住宅ローン、給付金を考えるときは、どの数字を見ているのかを確認することが大切です。

参考:国税庁「給与所得」国税庁「給与所得控除」

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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