個人向け国債は買い替えると得?中途換金と新発債を同じ日で比較する計算ツール

買ったときより新しい個人向け国債の金利が高くなると、「いったん中途換金して買い直した方が得では」と考えたくなります。ところが、今の国債を換金すると調整額が差し引かれ、新発債も発行後1年間は原則として換金できません。

比べるべきなのは金利の数字だけでなく、同じ日に使える手取り額です。旧債を続ける場合と、今換金して新発債を買う場合を、使う予定の日で比較します。

先に保有回号と額面を確認し、財務省または取扱金融機関の中途換金シミュレーションで「今日換金した場合の受取額」を調べます。新発債の発行日から1年以内に使う資金なら、原則として買い替え候補から外します。

買い替え比較ツール

このツールは、新発の固定3年または固定5年を対象とする概算です。旧債は変動10年でも入力できますが、将来の利子と比較日の換金額は保有する人が仮定を置いて入力します。変動10年の将来利率を確定値として扱いません。

中途換金額の見積日と、ツールの「見積もりを取った日」は同じ日にそろえてください。

入力した金額は計算画面の中で処理し、サイトには送信・保存しません。実際の利払日、端数、経過利子、税務上の調整まで再現する見積書ではありません。差が小さいときほど、取扱金融機関で実額を確認してください。

入力欄には何を入れる?

入力欄 調べ方と注意点
旧債の額面・発行日 保有明細で回号を確認する。額面は1万円単位。
今日の中途換金額 財務省のシミュレーションか取扱金融機関で、経過利子と調整額を反映した受取見積額を確認する。
旧債を保有した場合の将来受取総額 今日から比較日までに受け取る利子と、比較日の換金・償還見込みを足す。過去に受け取った利子は両案で共通なので含めない。
新発の発行日・利率 募集ページで、申し込む回号の発行日と税引前年率を確認する。募集開始日と発行日は違う。
比較日 住宅購入など、実際に現金が必要になる日を入れる。

旧債の比較日までの受取額を正確に出せない場合は、低めと高めの2通りを入力して差額の幅を見ます。特に変動10年は、金利が変わるたびに将来利子が変動します。

1 使う日を決める

新発債の発行日から原則1年以内なら、買い替えを見送る。

2 同じ日に比較する

旧債の保有継続額と、今日の換金額を使った新発債の受取見込みをそろえる。

3 差額と不確実性で決める

差が小さければ見積り誤差や利率変動も考慮する。

金利が高いだけでは買い替えが有利とは限らない

個人向け国債を中途換金すると、原則として額面と経過利子相当額の合計から、直前2回分の利子相当額を基にした中途換金調整額が差し引かれます。利子は税引後で受け取るため、調整額の計算には税引前利子相当額の0.79685倍を使います。

新発債にも同じ中途換金ルールがあります。旧債の調整額だけを計算して、新発債を比較日に換金するときの調整額を忘れると、買い替え案を高く見積もってしまいます。

さらに、新発債は発行から1年間、原則として中途換金できません。死亡や災害救助法の適用を受けた大規模災害などの例外を、予定している資金需要の前提にしない方がよいでしょう。

仮の条件で差額を見てみる

例えば、額面100万円の旧債を今換金した受取額が99万7,000円で、比較日まで持った場合の将来受取総額が103万円と仮定します。新発の固定3年は税引前年率1.0%、発行から比較日まで2年、買付額は1万円単位で99万円、残り7,000円は現金です。

発行日を2026年10月15日、比較日を2028年10月15日とすると、ツールの日数計算による新発債の税引後利子は概算1万5,799円です。比較日に中途換金するなら、直前2回分の利子相当額として年率1年分、概算7,889円を差し引きます。したがって買い替え案の受取見込みは約100万4,910円で、旧債継続案の103万円を約2万5,090円下回ります。

これは実在の回号や現行利率を示す例ではありません。実際の利払日や経過利子、端数処理が違えば受取額も変わります。旧債の将来受取見込み、新発利率、比較日を変えると結論も変わります。

換金前に確認する順番

取扱金融機関への確認リスト

  1. 保有回号、発行日、額面と今日の中途換金額を確認する。
  2. 新発債の募集期間、発行日、利率、買付単位を確認する。
  3. 使う予定日が新発債の発行後1年より後か確認する。
  4. 旧債を継続した場合の比較日までの利子と換金・償還見込みを確認する。
  5. 差額が口座管理費用や資金移動の手間に見合うか判断する。

保有中の国債の一部だけを1万円単位で中途換金する選択肢もあります。生活防衛資金まで一括で新発へ移さず、近く使う分は預金などで確保する方法も検討できます。

今後の募集名称について、財務省は2026年12月募集分から「個人向け国債プラス」へ変更すると案内しています。個人も引き続き購入でき、基本的な商品性は変わらないとされています。

関連して確認したい記事

制度と計算の根拠:財務省の中途換金シミュレーション、個人向け国債の商品性に関するFAQ、商品名変更のお知らせ。2026年9月25日時点の公表内容です。募集利率は回号ごとに変わるため固定値を掲載していません。

ABOUT ME
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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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