ANA SFCの制度見直しとスーパーフライヤーズカードの特典

ANA SFCは、ANAの上級会員サービスをカード会員として継続利用できる点で、長く人気があったカードです。

ただし、2026年7月時点では「一度取ればずっと同じ特典を使える」と考えてSFC修行を始めるのは危うくなっています。

ANAはスーパーフライヤーズカードの制度改定を発表したあと、多くの意見を受けて改定内容の見直しを検討しており、詳細は2026年9月末までにあらためて案内するとしています。

この記事では、ANA SFCの特典、取得条件、2028年4月予定の制度見直し、今からSFCを目指すべき人を整理します。

この記事の要点

  • ANA SFCは、ダイヤモンドサービスまたはプラチナサービスのステイタスを獲得した人などが申し込める、年会費有料のクレジットカード機能付きカードです。
  • 2026年7月時点の案内では、ANAは2028年4月からSFCのサービスリニューアルを予定しています。
  • 発表済みの内容では、ANAカード、ANA Payの年間決済額300万円以上でSFC PLUS、300万円未満でSFC LITEに区分されます。
  • ただし、ANAは改定内容の見直しを検討しており、最終的な詳細は2026年9月末までに再案内される予定です。
  • これからゼロからSFC修行を始めるなら、9月末の再案内を待ってから費用をかける判断が現実的です。

ANA SFCとは

ANA SFCは、ANAスーパーフライヤーズカードの略称です。

通常のANAカードとは違い、誰でも申し込めるカードではありません。

ANAの案内では、スーパーフライヤーズカードは「ダイヤモンドサービス」メンバーまたは「プラチナサービス」メンバーが申し込める、クレジットカード機能付きで年会費有料のカードです。

ANAグループ運航便への搭乗で100万ライフタイムマイルに到達した場合も、ダイヤモンドサービスやプラチナサービスのステイタスを問わず申し込み対象になります。

かつてSFCは「年会費を払い続ける限り、上級会員に近い特典を維持できるカード」と説明されることが多いカードでした。

しかし、ANAが制度リニューアルを予定しているため、現在は「今後も完全に同じ条件で維持できる」とは考えないほうがよい状況です。

SFCで使える主な特典

SFCの価値は、クレジットカードの還元率そのものよりも、空港と搭乗時の優遇にあります。

2026年7月時点の現行特典では、予約、空港、ラウンジ、マイル関連の優遇がまとまっています。

特典 読者にとっての価値 注意点
ANA LOUNGEの利用 普通席やエコノミークラスでも、対象便搭乗時に航空会社ラウンジを使える点が大きな魅力です。 ANA SUITE LOUNGEとは別です。利用できるラウンジは搭乗便、空港、区分で変わります。
優先チェックイン 混雑する空港で手続き時間を短縮しやすくなります。 すべての空港や便で同じ扱いになるわけではありません。
手荷物受け取りの優先 到着後の待ち時間を短くしやすくなります。 空港や運航状況によって体感差があります。
手荷物許容量の優遇 出張、長期旅行、家族旅行で荷物が多い人ほど使いやすい特典です。 国内線と国際線、提携航空会社で条件が異なります。
優先搭乗 早めに機内へ入り、荷物収納や座席周りの準備をしやすくなります。 優先搭乗の順番は搭乗クラスやステイタスで変わります。
スター アライアンス・ゴールド ANA以外のスター アライアンス加盟航空会社でも、ラウンジや優先サービスを使える場面があります。 制度見直し後のSFC LITEでは、発表済み内容だとスター アライアンス・シルバー相当になります。
フライトボーナスマイル ANA便を有償搭乗する人は、通常よりマイルを貯めやすくなります。 カードの種類によって積算率が変わります。

SFCは「プラチナサービスそのもの」ではありません。

ラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗など多くの特典は近いものの、ダイヤモンドサービス限定の特典や一部のプレミアムメンバー特典とは扱いが異なります。

SFCを取ればANAの全サービスが最上位になる、という理解は正確ではありません。

SFCの取得条件

SFCに申し込む代表的なルートは、ANAのプラチナサービス以上のステイタスを獲得することです。

飛行機利用のみでプラチナサービスを獲得するには、年間50,000プレミアムポイントが必要で、そのうち25,000ポイントはANAグループ運航便の利用分である必要があります。

ダイヤモンドサービスは年間100,000プレミアムポイント、そのうち50,000ポイントがANAグループ運航便の利用分です。

もう一つのルートは、ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達することです。

短期間で現実的に狙いやすいのはプラチナサービスの達成ですが、普段から出張や旅行でANA便に乗らない人が狙う場合は、航空券代をかけてプレミアムポイントを稼ぐ「SFC修行」になります。

SFC修行の費用やルートの考え方は、次の記事で詳しく整理しています。

ANAのSFC修行とは?スーパーフライヤーズカード取得の条件・費用・ルートを徹底解説ANAのSFC修行の目安とされるのが「スーパーフライヤーズカード(SFC)」という特別なANAカードを作ることができる、ANAプラチナ会...

SFCの制度見直しで発表されている内容

2026年7月時点で、ANAはスーパーフライヤーズカードの制度改定について、改定内容の見直しを検討しています。

そのため、2028年4月からの制度はまだ最終確定として扱わないほうがよいです。

ただし、ANAの制度変更ページには、年間決済額に基づく2つの区分、SFC PLUSとSFC LITEの考え方が掲載されています。

区分 判定の考え方 発表済みの主な扱い
SFC PLUS ANAカード、ANA Payの年間決済額300万円以上 ANAラウンジ利用、スター アライアンス・ゴールド、5,000マイル特典が案内されています。
SFC LITE ANAカード、ANA Payの年間決済額300万円未満 ANAラウンジは利用不可、スター アライアンス・シルバー相当が案内されています。ANAグループ運航便搭乗時は、ラウンジ以外の各種サービスをこれまで通り利用できるとされています。

発表済みのスケジュールでは、2026年12月16日から2027年12月15日までの判定期間を経て、2028年4月から新しい区分でのサービスが始まる流れです。

ANAカードの本会員が保有するカードと、そのカードに付随する家族カードの利用分は、判定額に合算されます。

一方で、年会費、各種手数料、キャッシング、電子マネー利用分、ANAカードからANA Payへのチャージ金額などは対象外として案内されています。

100万ANAライフタイムマイルに到達している人は、ANAカード、ANA Payの年間決済額にかかわらずSFC PLUSの対象とされています。

2026年7月時点の読み方

発表済み内容を前提にすると、SFCは「取得して終わり」ではなく、取得後もANAカードやANA Payの利用実績によってサービス区分が変わる制度へ向かっています。

ただし、ANAが見直しを検討しているため、300万円判定やラウンジ利用条件が最終的にどうなるかは、2026年9月末までの再案内を待つ必要があります。

今からSFC修行をするべきか

今からSFCを目指すかどうかは、現在のプレミアムポイント、今後のANA利用頻度、年間300万円決済を無理なく達成できるかで判断が分かれます。

特に、SFC取得だけを目的に航空券代をかける人は、制度の再案内前に大きな支出を決めにくい状況です。

読者の状況 判断 理由
すでにプラチナ到達が近い 取得を検討しやすい 追加コストが小さく、SFC申込資格を得る価値が残りやすいためです。
仕事や旅行でANA便に継続して乗る 制度見直し後も価値が残りやすい ラウンジ以外にも優先チェックイン、手荷物優遇、ボーナスマイルなどを使う場面があるためです。
年間300万円以上をANAカードやANA Payで無理なく使える SFC PLUSを狙いやすい 発表済み内容では、SFC PLUSならラウンジとスター アライアンス・ゴールドを維持しやすくなります。
ANA便にほとんど乗らない 急いで始めにくい 制度見直し後は、年会費と修行費用に対して使える特典が限定される可能性があります。
ラウンジだけが目的 再案内を待つほうがよい 発表済み内容では、SFC LITEになるとANAラウンジを利用できません。
家族カードで家族にも特典を使わせたい 条件確認後に判断したい 発表済み内容では家族カードの利用分は本会員の判定額に合算され、家族カードのサービス内容は本会員と同じとされていますが、最終案内で扱いが変わる可能性を見ておく必要があります。

今からゼロの状態でSFC修行を始める場合、2026年9月末までの再案内を見てから費用をかけるほうが判断しやすいです。

一方で、すでに出張や旅行でプレミアムポイントを積み上げていて、あと少しでプラチナに届く人は、SFCの申込資格を取っておく選択肢も残ります。

SFCカード選びの考え方

SFCは、通常のANAカードにスーパーフライヤーズ会員資格が付いたカードです。

そのため、SFC取得後も年会費、マイル移行コース、フライトボーナスマイル、家族カード年会費、国際ブランドの使い勝手を見てカードを選ぶ必要があります。

カード 本会員年会費 向いている人
ANAスーパーフライヤーズカード一般カード 11,275円 年会費を抑えてSFC資格を維持したい人向けです。
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード 16,500円 マイル移行のしやすさ、フライトボーナス、維持コストのバランスを取りたい人向けです。
ANAダイナース スーパーフライヤーズカード 34,100円 ダイナースの付帯サービスや決済枠を重視する人向けです。
ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード 34,100円 ANAグループ利用時のポイント付与やアメックス特典を重視する人向けです。
ANAスーパーフライヤーズ プレミアムカード 77,000円から198,000円 年会費よりもマイル還元、付帯サービス、フライトボーナスを重視する人向けです。

SFC修行を始める前に、将来切り替えたいANAカードの審査に通っておく考え方もあります。

プラチナに到達してから希望カードの審査に落ちると、せっかく得た申込資格を活かしにくくなるためです。

ANAカード全体の選び方は、次の記事で整理しています。

ANAのマイルが貯まるANAカードとその選び方、おすすめクレカを比較 ANA(全日空)のマイルを貯めたいと考える方の多くにとって重要なアイテムとなるのがANAが発行しているクレ時とtカード「ANAカード」...

SFCとJGCの違い

ANAのSFCとよく比較されるのが、JALのJGCです。

どちらも航空会社の上級会員サービスをカード会員として継続する仕組みとして知られていましたが、JALはJAL Life Statusプログラムの導入により、JGCの入会条件を通算実績重視へ移しました。

ANAもSFCのサービスリニューアルを予定しており、航空会社の上級会員制度は「短期間の修行で取得し、その後はほぼ維持する」モデルから、継続利用を重視する方向へ動いています。

ANAとJALのどちらを選ぶかは、マイルの貯めやすさだけでなく、よく使う空港、よく乗る路線、提携航空会社、今後の制度変更まで含めて見る必要があります。

JGCの基本は、次の記事で確認できます。

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SFC取得後の注意点

SFCは魅力的なカードですが、維持費と制度変更リスクを無視して取得するカードではありません。

まず、SFCは年会費有料のカードなので、毎年のコストがかかります。

一般カードでも本会員年会費は11,275円、ゴールドカードでは16,500円、プレミアムカードではさらに高額になります。

家族カードを作る場合は、家族会員年会費も加わります。

次に、SFCの特典はすべての旅行で同じように使えるわけではありません。

搭乗する便、空港、利用する航空会社、運賃、ラウンジの運用によって、使えるサービスは変わります。

そして、2028年4月予定の見直しにより、今後はSFCを持っているだけではラウンジやスター アライアンス・ゴールドを維持できない可能性があります。

「SFCなら何でも安心」ではありません。

SFCの価値は、ANA便やスター アライアンス便に乗る機会がある人ほど高くなります。

飛行機にあまり乗らない人、ラウンジだけが目的の人、年間決済額を無理に作る必要がある人は、取得費用と年会費に見合うかを慎重に見たほうがよいです。

よくある質問

SFC LITEになるとSFC会員資格はなくなりますか?

発表済みのFAQでは、年間決済額が300万円に届かなくても退会扱いにはならないとされています。

ただし、SFC LITEではANAラウンジを利用できず、スター アライアンス加盟航空会社利用時はスター アライアンス・シルバー資格に準ずるサービスになると案内されています。

家族カードの利用分は300万円判定に入りますか?

発表済み内容では、ANAスーパーフライヤーズカード本会員が保有するカードと、そのカードに付随する家族カードの利用分が合算対象です。

家族カードのサービス提供内容は、本会員と同じと案内されています。

SFC入会直後はSFC PLUSですか?

発表済み内容では、100万ライフタイムマイル到達者を除き、新規入会時は一律でSFC LITEスタートです。

ただし、プレミアムステイタスの有効期間中は、現在のプレミアムステイタスのサービスもあわせて利用できると案内されています。

300万円判定に含まれない支払いはありますか?

発表済み内容では、年会費、各種手数料、キャッシング、カード付帯電子マネー利用分、ANAカードからANA Payへのチャージ金額などは対象外です。

ショッピング利用でも、決済データの到着時期、払い戻し、カード番号変更、ブランド変更により扱いが変わる可能性があります。

今からSFC修行を始めるなら何を待つべきですか?

費用をかけてゼロから始めるなら、2026年9月末までに予定されている再案内を待つのが現実的です。

すでにプラチナ到達が近い人や、ANA便に継続して乗る人は、SFCの申込資格を得る価値が残りやすいです。

次に読む記事

SFCを取るか判断するには、カード、マイル、ラウンジ、JGCとの違いをまとめて見ると判断しやすくなります。

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マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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