所得税などの税制における項目で多く登場するのが「生計を一にする」「同一生計」という言葉です。扶養控除などでは納税者と生計を一にすることなどが条件とされており、様々な項目で判断材料となっています。

一方でこの「生計を一にする」「同一生計」という基準や定義は微妙にあいまいなところがあります。今回はそんな「生計を同一にする」という概念はどのような基準や定義、目安があるのかを検証していきたいと思います。

生計を一にするというのは税務上で重要

税制の要件の中によく出てくるのが「同一生計」「生計を一にする」という表現です。2026年現在、以下の控除や制度を利用する場合に“生計を一にする”ことが要件となっています。

  • 親族の扶養控除
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 障害者控除(同一生計の家族が障害者の場合)
  • 小規模企業共済等掛金控除(確定拠出年金の拠出)
  • ひとり親控除(生計を一にする子の所得要件あり)
  • 寡婦控除(扶養親族の所得要件あり)

このように、多くの税制優遇を受けるための重要な判断基準となっています。

生計を一にするとは?

生計を一にするというのは同居して生活費を負担しているような状態というのは非常にわかりやすいです。

タックスアンサーによると下記のように明示されています。[平成27年4月1日現在法令等]

生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

明確な基準があるわけではないのですが、たとえ別居しているような場合であっても、「常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます」と書かれています。

つまり、仕送りをしていたり、病院の入院費用や介護費用などを負担しているというのであれば「生計を一にする」と判断できるということなのでしょう。

大学生などは別居(下宿)していてもまず生計は一と判断

たとえば大学生になって子供が下宿しているというケース。こちらは原則としてほぼ間違いなく生計を一にすると考えることができます。

ただし、仕送りや学費負担などを親は一切せずに、子供が働きながら学校に行っている勤労学生ケースなどは生計を一にするとはいえないでしょう。

【2026年新設】特定親族特別控除について

2026年(令和8年)から従来の扶養控除の仕組みが大きく変わり、19〜22歳の子供向けに「特定親族特別控除」が新設されました。

これは所得が62万円超〜123万円以下(年収136万円超〜188万円以下)の扶養親族について、段階的に38〜63万円の控除を受けられる新制度です。大学生の子供を持つ方は直接的に関係する制度ですので、ぜひ確認しておきましょう。

所得のある同居家族と生計の関係

たとえば、親と子供が同居しており、子供は働いてはいるという場合を考えてみましょう。親元にいて同一の住居で起居を共にしているわけなので生計を一にすると判断するのが基本といえそうです。

もちろん、子供の収入が一定額を超えていれば、同居して生計を一にするとは認められても、税法上の扶養控除などは利用することはできません。2026年(令和8年分)からは、扶養親族の合計所得金額要件が62万円以下(年収136万円以下)に引き上げられています。そのため、年収136万円を超えると扶養控除の対象から外れることになります。

一方で、医療費控除などのように生計を一にすることを要件とする税制等は利用可能です。

別居している親族で生計を一にするとの判断は?

親に仕送りをしていれば別居でも扶養控除で節税できる」などでも紹介している通り、所定の条件を満たしていれば別居していたとしても自分の親を被扶養者(扶養される者)として、扶養控除を受けることが可能です。

その場合には生計を一にするというために、仕送りや療養費などを負担していることが必要になります。

なお、療養費などをあなたが負担しており、それによって生計を一にすると判断できる場合は別居親族の医療費であっても「医療費控除」などの形で申告して節税することも可能です。

お小遣いでも生計を一にするといえるか?

毎月1万円を両親に仕送りをして、その小額の仕送りをもって、自分は両親を扶養していると主張するのは無理筋でしょう。この金額では扶養というよりお小遣いレベルになってしまいます。

じゃあ、いくら仕送りを送れば「扶養している(生計を一にしている)」といえるのか?と言われると、個々の状況により異なるとしか言えません。明確な基準を税務署も提示しません。

たとえば、毎月30万円以上の仕送りをしていても両親が年金で十分に暮らせておりそのお金に手を付けていないような場合、扶養されていると判断はされないかもしれません。

逆に毎月5万円しか仕送りをしていなくても両親の収入が少なく、その仕送り(お金)で生活を成り立たせていると判断されれば生計を1にすると判断されるかもしれません。

実務上のポイント

  • 仕送り額が被扶養者の年間収入を超えている必要はありませんが、生計の主たる部分を担っているという実態が必要です。
  • 生活費や教育費を親から子(あるいは子から親)に渡す仕送りは原則として贈与税がかからず(非課税枠)、生計を一にするための実態証明にもなります。

重要なのは客観的に見て扶養されているかという証拠も重要

税務署や市区町村などから扶養の事実を確認したいと問い合わせを受けて、それに回答できるだけの明確な客観的事実が必要になります。

そうしたときに「盆と正月に帰ったときに生活費として現金を渡していた」と貴方が主張されてもそれを証明できるものがないと、否認される可能性もあります。

自分自身で作った記録などでもいいですが、できればより客観性のある記録が好ましいです。具体的には記録の残る支払方法(仕送り方法)です。実務上、一括送金よりも毎月定期的な振込の方が証明力が高く望ましいとされています。

おすすめの方法は、両親が生活費の出し入れに使っている銀行口座に毎月お金を仕送りしておけば、生活費のためのお金を払っていると主張しやすいと思います。

一方で、同じ振込でも貯金用の銀行口座で、結果的に両親がそのお金に手を付けていなかったという場合、“仕送りがなくても生活できている=扶養されていない”と判断されるかもしれません。

重要なのは実態です。

別居両親への毎月の仕送りは定額振込が便利

別居する両親へ毎月、仕送りをするというのであれば、ネット銀行の「定額自動振り込みサービス」を利用すると便利です。

住信SBIネット銀行の自動入金と自動振込(送金)で効率的な預金管理住信SBIネット銀行は、数あるネットバンクの中でも資金管理をする「ハブ(中継役)」として大変魅力的な銀行となっています。それは「定額自動...

自動で送金をしてくれるので、送金忘れがありませんし、銀行振込として確実に毎月“記録”を残してくれますので、後日税務署等から確認があった時も、そうした事実を主張することができます。

たとえば住信SBIネット銀行の場合、現在のスマートプログラムでは他行宛振込手数料は77円が基本ですが、ランクに応じて月1〜20回が無料になります(2026年5月改定)。条件を満たして無料枠を活用すれば、送金コストを抑えつつ確実な記録を残すことが可能です。今回のような仕送りに使いたいときに特に便利ですので、上手に活用してください。

以上、生計を一にする、同一生計の基準、定義、目安は何か?というお話でした。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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