証券会社手数料無料化の流れが進む!各社の手数料無料の対応状況のまとめ
大手証券会社が株式投資や投資信託などの投資に対する手数料の無料化を進めると発表して以降、証券業界の手数料競争はかつてないほど激化しています。
当初、2020年1月に大手ネット証券5社が投資信託の販売手数料を無料化したことを皮切りに、現在では国内株式の売買手数料の完全無料化や、新NISAにおける恒久的な手数料無料化など、その対象は大きく拡大してきました。
投資家にとっては取引コストが下がるため非常に歓迎すべき話ですね。そんな証券会社の手数料無料化の流れと、2026年現在に至るまでの最新動向について徹底的に紹介していきます。
証券会社手数料無料化の流れ
この手数料引き下げの流れは止まらないのでしょう。先行する米国ではいち早く手数料無料の証券会社が登場していました。日本でも実はスマートプラスという証券会社が手数料無料での株式取引サービスをスタートさせています。
さて、証券会社の手数料無料化については、歴史的に見て以下のような商品の順で進められてきました。
- 投資信託販売手数料無料化
- 信用取引の売買手数料無料化
- 個別株式の売買手数料の無料化
上ほど実施する証券会社の負担は小さいので上の方から順番に進んできました。一方で下に進むほど、証券会社にとっての収益面での負担は大きくなります。
2020年1月からの投信の販売手数料無料化と新NISA対応
大手ネット証券(SBI証券、楽天証券、三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)、マネックス証券、松井証券)については、2020年1月で一斉に投資信託の「販売手数料(購入時にかかる手数料)」を無料化しました。
最近のインデックスファンドなどでは、販売手数料無料のノーロードファンドが一般的となっていますが、かつては1~3%程度の販売手数料のかかる投資信託もあり、これらも無料化されました。
- SBI証券:2020年1月無料化
- 楽天証券:2020年1月無料化
- 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券):2020年1月無料化
- マネックス証券:2020年1月無料化
- 松井証券:2020年1月無料化
信用取引の売買手数料無料化
株式の信用取引の手数料も無料化する証券会社が出ています。
実は信用取引というのは、証券会社にとっては金利収入(買方金利/貸株料)が見込めるため、売買手数料を無料化したとしても収益というもの自体は確保できます。そのため、手数料無料には現物の個別株投資よりは踏み切りやすいとされます。
信用取引の売買手数料については、実はSMBC日興証券が数年前から無料化していたりします。
- SBI証券:2019年12月16日~信用取引でのETF、REITの手数料無料化
- 楽天証券:2019年12月16日~信用取引での国内ETFの手数料無料化
- 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券):2019年1月完全無料化
- マネックス証券:2019年12月9日~信用取引でのETF、REITの手数料を実質無料化
- 松井証券:1日の約定代金50万円までは現物・信用問わず無料(25歳以下は全額無料)、またNISA口座での国内株式手数料は恒久無料化されています。
当時、思い切ったのは旧auカブコム証券(現:三菱UFJ eスマート証券)ですね。
一方で信用取引売買の依存度が大きい松井証券などはすぐには完全無料化に踏み切れなかった背景があります。
株式売買(個別株)の手数料無料化
個別株式の売買の手数料無料化は証券会社にとっては非常に大きな影響を生むことになります。
以下の表は2015年の大手証券(総合)、中小の地場証券、ネット証券(大手5社)の営業利益の内訳を示したものです。委託手数料というのが株の売買手数料です(変容しつつある証券会社の収益構造・大和総研資料より作成)。
| 上場証券 | 中小証券 | ネット証券 | |
|---|---|---|---|
| 委託手数料 | 31.6% | 50.5% | 41.5% |
| 引き受け・売り出し手数料 | 1.7% | 0.2% | 0.6% |
| 募集手数料 | 19.7% | 11.5% | 3.2% |
| 金融収入 | 3.0% | 6.2% | 28.6% |
| トレーディング収入 | 29.1% | 18.2% | 10.8% |
個別株の手数料収入は「委託手数料」と呼ばれる部分で大手ネット証券5社の営業利益の41.5%を占めていました。これをゼロにしようとするのは正直言って大きすぎる痛みを伴うことになります。
国内株取引の売買手数料の「完全無料化」への進展
ネット証券各社は段階的に売買手数料の無料化枠を拡大してきました。
- SBI証券:1日100万円までの手数料無料化(過去)
- 楽天証券:1日100万円までの手数料無料化(過去)
- 松井証券:1日の約定代金50万円以下の手数料無料化(現在も維持、25歳以下は全額無料)
SBI証券、楽天証券、松井証券はいずれも一日定額制の手数料で、従来10万円程度までだった手数料無料の枠を拡大し、投資金額が小さい方なら国内株式の売買手数料を実質無料化することが可能でした。
2021年4月20日からはSBI証券が先駆けて国内株取引手数料の無料化を打ち出しました。まずは25歳以下を対象にして国内現物株手数料の全額をキャッシュバックする形を始め、後に完全無料化を目指す方針を示していました。
【2026年最新】ついに実現した完全無料化の現状
各社の無料化競争はさらに進展し、現在では以下のようになっています。
- SBI証券:2023年9月末より「ゼロ革命」として、約定金額にかかわらず国内株式の売買手数料を完全無料化しました(※各種交付書面の電子交付設定が条件です)。
- 楽天証券:2023年10月より「ゼロコース」を導入し、国内株式(現物・信用)の手数料を完全無料化しました。
- マネックス証券:新NISA口座における日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料をすべて無料化しました。ただし、これはNISA口座限定であり、特定口座や一般口座では所定の手数料(約定代金の0.495%など)が発生します。
- GMOクリック証券:2025年9月1日より、条件なしで国内株式(現物・信用)および投資信託の取引手数料を完全無料化しました。
- 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券):2024年6月に新NISAの単元未満株(プチ株)手数料を無料化。さらに2026年5月18日より国内株式取引手数料を無料化すると発表しました。無料化の条件としてSOR注文(スマート・オーダー・ルーティング:複数の取引所から最良条件を自動で選ぶ注文方式)の選択が必要となります。また、これに合わせて6月1日より信用取引の金利引き下げも実施されます。
外国株式の売買手数料および為替手数料の無料化
外国株式(米国株式)の売買手数料については2019年に大手ネット証券各社が手数料の引き下げ(最低手数料の撤廃)を行いました。
また2019年12月9日には大手ネット証券ではありませんが、DMM株(DMM.com証券)が米国株の取引手数料をいち早く無料化しています。この米国株無料化は現在も維持されていますが、DMM株は為替手数料が片道25銭かかる点がネックとなっています。
これに対し、SBI証券は「ゼロ革命」のさらなる一環として、2023年12月1日より米ドル/円の為替手数料を無料(0銭)にするという大きな改定を行いました。外国株式にかかるコストのさらなる引き下げ競争が起きており、投資家にとっては非常に有利な環境が構築されています。
【比較表】主要ネット証券の国内株手数料一覧
| 証券会社 | 国内株(特定口座) | 国内株(NISA口座) | 無料化の条件など |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 完全無料 | 完全無料 | 電子交付設定が必要 |
| 楽天証券 | 完全無料(ゼロコース) | 完全無料 | ゼロコースの選択が必要 |
| マネックス証券 | 有料(0.495%等) | 完全無料 | 無料はNISA口座のみ対象 |
| 松井証券 | 1日50万円以下無料 | 完全無料 | ボックスレート適用(25歳以下は全額無料) |
| 三菱UFJ eスマート証券 | 2026年5月18日〜無料予定 | 完全無料 | SOR注文選択が条件 |
| GMOクリック証券 | 完全無料 | 完全無料 | 条件なし(電話注文を除く) |
手数料を無料化の流れは止まらない
当時のSBI証券社長であった北尾吉孝氏(現在は退任)が「彼らよりも早くやらないといけない危機感でやっている」とインタビューで答えていたように、証券会社による手数料無料化という流れは完全に現実のものとなりました。
僕が手数料ゼロ化に向けて動きますと発言した理由は、2つある。1つは新規参入者のエントリーバリア(参入障壁)を高くすること。まあ、LINEが野村證券と一緒になって参入するような現象は、これからはなくなるでしょう。なぜなら、金融の顧客基盤がない中で、手数料ゼロの世界が広がっていけば、新規参入しても利益を上げるのは厳しいからね。
2つ目の理由は、これから起こる業界再編成に絡んだこと。すなわち、今がバリュエーション(同業界全体の企業価値)のピークになり得る。ここからどんどん手数料が下がっていけば、潰れるところも出てくるだろう。業績は減益になっていくだろう。そうなっていくと、生き残れるところがシェアを獲っていくことになる。
上記は北尾氏のインタビュー(2020年1月時点)です。体力のあるSBIだからできる力技でしたが、ネット証券サービスへの新規参入障壁を高くすることでライバルの参入を抑える狙いは見事に当たりました。
手数料無料化が進んだ結果、大手総合証券の対面口座の相対的な魅力は大きく低下しています。特に委託手数料(売買手数料)への依存度が大きい中小の証券会社はさらに厳しい立場に置かれています。
ネット証券でも体力のある大手は無料化の波に乗れていますが、規模の小さいネット証券にとっては対応が厳しく、証券会社間での合従連衡(統合や提携)も実際に進んでいます。
証券会社の収益モデルは転換期へ
「委託手数料が無料になって、証券会社はどうやって利益を出しているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
現在、手数料無料化を成し遂げた証券会社は、収益モデルの大きな転換を図っています。具体的には、信用取引の金利収入、FX(外国為替証拠金取引)のスプレッド収益、投資信託の保有残高に応じた信託報酬、さらには自社グループのポイント経済圏(Vポイントや楽天ポイントなど)と連動した金融サービスの提供による総合的な収益化です。
委託手数料という単一の収益源から脱却し、投資家への付加価値提供による多角的なビジネスモデルへと移行しています。
まとめ:口座開設するならどこがお得か?
我々投資家としては、この状況下ではある程度体力があり、無料化の恩恵をフルに受けられる「規模のあるネット証券」を利用するほうが間違いなく有利です。
国内株式の手数料ゼロ化が完全に進んだ今は、単に「手数料の安さ」で選ぶ時代から、「ポイント還元の魅力」「取引ツールの充実度」「米国株や投資信託の取扱数」で証券会社を選ぶ時代へとシフトしています。
ご自身のライフスタイルや貯めているポイントに合わせて、最適な証券会社を選択してみてください。
以上、各社の対応状況と最新のまとめを紹介しました。
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