全東信の破産で投資家は何を確認する?償還済みID943と回収待ち5ファンド
全東信に関連するソーシャルレンディングのファンドを保有していた人は、最初に投資案件IDを確認します。
オルタナバンクの対象6ファンドは、すべて同じ状況ではありません。
ID943は元本償還と分配が済んでいます。
一方、ID889、ID918、ID991、ID992、ID1006は、全東信からの回収状況が分配や償還に影響するファンドです。
「担保付き」「取引状況は正常」という表示だけで判断せず、契約上の返済原資、運用報告、実際の入出金を照合してください。
回収額が確定していない資金を、近く使える生活費として見込まないことも必要です。
情報の基準日:2026年10月11日。
- マイページの運用予定表で、投資案件ID、運用残高、償還予定日を控える。
- ID943は償還と分配の入金を照合し、ほかの対象5本は回収状況の通知を確認する。
- 契約書面、運用報告、通知、入出金履歴を保存し、不明点は投資した事業者へ問い合わせる。
対象6ファンドはID943と残る5本で対応が違う
オルタナバンクが公表している対象は、次の6ファンドです。
ファンド名が似ているため、「クレカ早期決済代行」という名称だけで照合せず、IDまで確認します。
【3ヶ月毎分配】国内分散短期運用型はID943です。
【元利金一括】クレカ早期決済代行事業短期支援ファンドはID889、ID918、ID991、ID992、ID1006が対象です。
| 対象ファンド | 公表済みの状況と確認事項 |
|---|---|
| ID943 | 2026年7月31日に運用終了と元本償還。8月12日に分配実施。 元本の償還額と分配金の入金を、取引履歴で照合する。 |
| 残る5本 | 全東信からの回収状況が分配と償還に影響。最終的な金額と時期は未確定。 保有ID、未償還の金額、運用報告、今後の通知を確認する。 |
ID943は、全東信からの回収状況にかかわらず、SAMURAI ASSET FINANCE合同会社が営業者へ返済義務を負うリコースの建付けです。
7月31日の第4報で元本償還、9月8日の第5報で8月12日の分配実施が案内されています。
残る5本は、営業者への返済原資が全東信からの回収金に限定されるノンリコースの対象です。
ID943の償還実績から、ほかの5本も同じ時期に全額戻るとは判断できません。
償還と分配は実施済み。
取引履歴と入金額を照合し、相違があれば事業者へ確認します。
回収に左右される5ファンド。
未償還額と続報を記録し、資金の使用予定を見直します。
分岐はオルタナバンクの対象ファンドについてのものです。別のサービスのファンドへ、そのまま当てはめないでください。
「担保付き」は全東信への貸付が担保で守られている意味ではない
第5報では、対象ファンドの担保は、営業者のSAMURAI CAPITAL MANAGEMENT1号合同会社(SCM)から、運営者のSAMURAI ASSET FINANCE合同会社(SAF)への貸付に設定された質権と説明されています。
SAFから全東信への貸付は無担保です。
つまり、募集ページの「担保付き」という言葉だけでは、全東信の資産から優先的に回収できることや、投資元本の保全まで判断できません。
契約書面では、誰が誰に貸し付け、その債権のどこに担保があるのかを見ます。
第4報ではSCMが質権を実行し、SAFの全東信に対する貸付債権を取得したと案内されています。
今後の債権届出や回収を進める直接の債権者はSCMです。
先取りで受領していた利息相当額の移転も公表されましたが、その事実だけで対象5ファンドの最終償還額や回収時期が確定したわけではありません。
画面の「正常」と実際の償還状況を照合する
第5報は、償還期日を過ぎてもマイページの取引状況が「正常」のままの場合があり、表示の更新に日数を要することがあると説明しています。
表示だけを根拠に、予定どおり入金されたと判断しないでください。
まず運用予定表から投資案件ID、運用残高、償還予定日を控え、運用報告と実際の取引履歴を並べます。
不一致があれば、対象ID、表示画面、予定日、確認できた入金をまとめて、投資した事業者へ確認します。
ID943の保有者も、案内に記載された元本償還と分配が自分の取引履歴に反映されているかを見ます。
分配金の照合では、税引前の金額と実際の入金額を混同しないよう、支払通知も保存します。
回収待ちの5ファンドでは、償還予定日を過ぎた金額を次の投資や生活費に充てる前提を見直します。
回収率を予想して追加投資を決めるのではなく、現在使える資金と、返還時期が未確定の資金を分けて管理します。
バンカーズの保有者は自分の契約書面と運用報告で対象を確認する
バンカーズは7月6日、同社が募集を取り扱った貸付型ファンドの融資先である全東信の破産手続開始を公表しました。
契約締結前交付書面に従い、営業者が融資債権の管理と回収を行う方針です。
この公開告知には、投資家ごとの対象ファンド名、回収額、償還日までは記載されていません。
オルタナバンクの6つのIDを、バンカーズの対象一覧として使わないでください。
バンカーズの保有者は、保有ファンドの契約締結前交付書面、マイページの運用報告、個別通知で対象と最新の状況を照合します。
問い合わせる場合も、ファンド名と契約上の営業者、未償還額、直近の案内日を先に整理すると、確認したい点を伝えやすくなります。
借り手への回収交渉は営業者に任せる
投資家が匿名組合契約で出資する立場と、全東信に対する貸付債権者の立場は異なります。
貸付の回収交渉や債権届出を自分で進めず、契約上の営業者による対応と報告を確認します。
金融庁は、借り手が法人で、匿名組合契約のスキームであり、投資家と借り手の接触を禁止する措置などがある場合の解釈を示しています。
その禁止事項に反して貸付に関する接触をすると、投資家が貸付行為を行っていると評価され、貸金業法違反となるおそれがあります。
全東信の連絡先を探して返済を求めたり、破産管財人に自分を直接の貸付債権者として扱うよう求めたりする前に、保有ファンドの契約と事業者の案内を確認してください。
自分の保有額、通知の内容、マイページの不一致について、投資した事業者に確認することとは区別します。
損失の申告を考える人が準備する書類
オルタナバンクの第5報は、ノンリコースの対象ファンドについて、ファンドの終了を待たずに損失として処理できる可能性にも言及しています。
ただし、投資家全員について、申告する年や損失額を確定した説明ではありません。
申告を検討する人は、匿名組合契約の書面、投資額、償還と分配の履歴、年間取引報告書、全東信に関する通知をそろえます。
所轄の税務署や税理士には、損失を認識できる時期、算入できる金額、ほかの所得との扱い、申告の要否を確認します。
未償還の表示額を、そのまま確定した損失額として申告書に転記しないようにしてください。
資料の確認と申告の準備は進めつつ、税務上の判断とファンドの最終的な回収額を分けて扱います。
今後の続報で確認したいこと
回収待ちのファンドでは、回収額、分配と償還の時期、手続きの進捗を確認します。
第5報では、破産手続が終結していない段階の最終損失額や回収率、確定的な時期を示せないと説明されています。
次の通知が届いたら、対象ID、発表日、予定額、予定日、必要な手続きを前回の案内と比べて保存します。
具体的な期限や提出依頼がある場合は、その期限を自分の予定にも登録してください。
対象6ファンド以外について、オルタナバンクは全東信への貸付を含んでいないと案内しています。
ただし、別のファンドに固有の信用リスクまでなくなる説明ではありません。
今後の投資では、利回りや運用期間だけでなく、返済原資、最終資金需要者、担保の範囲も見て判断します。
参考情報
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