住宅購入、特に注文住宅の購入の場合、お金が必要となるタイミングが「建物竣工前」となります。一方で、住宅ローンは建物完成時に一括して振り込まれるのが原則となっています。

そのため、注文住宅を建てる場合、完成前にかかる諸費用について手元資金で手当てをするか、どこからか融資を受けて対応する必要があります。

その融資として本融資(住宅ローン)の前に利用されるのが「つなぎ融資」「分割融資」です。この2つは本融資前に利用するローンとなりますが、返済方法や金利、手数料などの性質が大きく異なります。

注文住宅建築の資金スケジュールとともに、つなぎ融資と分割融資の違い、メリット・デメリット、そして2026年現在注目されている第3の選択肢についてしっかりと理解しておきましょう。ちなみに、分譲マンションや建売住宅など、引き渡し時にのみお金が必要という場合にはこうした融資は不要です。

注文住宅の竣工前に必要なお金

注文住宅を建てる場合、「土地購入」「建築着工」「上棟」「建築竣工」という4つのタイミングでまとまったお金が必要になります。それぞれのタイミングで、それなりの金額を用意しなければなりません。

一方で一般的に住宅ローンの本融資が実行されるのは、最後の建物竣工時(引き渡し時)です。つまり、「土地購入」「着工」「上棟」というタイミングで必要になるお金は通常の住宅ローンでは対応できず、別の形で工面する必要があるわけです。

注文住宅を建てるときに必要なお金の流れ

仮に2,000万円の土地を購入して3,000万円の建物を建てるケースを想定しましょう。この時に必要なお金の流れを紹介していきます。

1)土地の購入

まずは建物を建てる土地を購入する必要があります。一般には土地を購入する契約時に手付金(購入代金の10%目安)の200万円を支払います。そして引き渡しの際に残金の1,800万円を支払って購入します。

ちなみに、不動産会社への仲介手数料や登記費用などもこの時必要になります。

2)建物の建築

続いて、購入した土地に建物を建てるときにかかる費用です。以下の金額は3,000万円の建物を購入する場合の支払い金額の一例です。

  1. 建築請負契約(手付金の支払い:300万円)
  2. 着工(着手金の支払い:300万円)
  3. 上棟式(中間金の支払い:900万円)
  4. 工事完了・竣工・引き渡しの登記(残金の支払い:1,500万円)

このように、注文住宅では何度かに分けて支払いが必要になります。

注文住宅の途中に必要なお金を借りる方法

このような費用を手元資金で出せればいいのですが、自己資金だけで全額対応できるという人は少ないでしょう。ほとんどの方は金融機関からお金を借りてくる必要があります。

その方法として代表的なのが「住宅ローンの分割融資(分割実行)」「つなぎ融資」という2つの方法です。それぞれ一長一短があります。今回はこれらの融資の特徴や利用方法、選び方などをまとめていきたいと思います。

分割融資とは?

分割融資は、住宅ローン申込時に融資総額を決めて、土地取得時や着工時など複数回に分割して融資を受けるというものです。民間の住宅ローンは多くがこの分割融資に対応しています。

契約自体は住宅ローン(本契約)の一部となります。そのため、適用される金利は住宅ローンの金利となります。

しかし、融資を受けるタイミングごとに抵当権の設定が必要となる場合があります。家が建っていない状態で土地に設定を行うため、住宅購入時の登録免許税の軽減措置が受けられず、結果として登記費用が割高になってしまうケースがある点がデメリットです。

また、銀行によって異なりますが、分割融資ができる回数は2回~3回(土地購入時と上棟式、建物竣工など)に制限されているケースが多く、手付金などの細かいお金は別で確保しなければならないこともあるので注意が必要です。

分割融資のメリット:住宅ローン控除と団信が適用可能

分割融資の大きなメリットとして、住宅ローンの本契約の一部とみなされるため、一定条件を満たせば住宅ローン控除(減税)の対象となることが挙げられます。2026年現在も最大13年間の控除が継続されているため、税制面で数十万円規模の恩恵を受けられる可能性があります。

また、融資実行時から団体信用生命保険(団信)に加入できる金融機関が多く、万が一の事態が建築中に起きた場合でも保障される安心感があります。

つなぎ融資とは?

つなぎ融資は、住宅ローンの本融資が実行される(建物が完成する)までの間の「つなぎ」として利用する一時的な融資です。住宅ローンを利用する銀行が貸し出す場合のほか、銀行以外(ノンバンク)でも利用できます。

つなぎ融資は住宅ローン契約とは「別」にローンを組むことになります。土地を購入後は土地が担保として機能しますが、建物着工前や建物完成前は建物部分についての担保が取れないため、金融機関側から見ると相対的に担保力が弱い状態での融資となります。

そのため、つなぎ融資のための事務手数料などがかかるほか、金利(一般的に年1.5〜4%程度)も住宅ローンと比べると高めに設定されています。

金利が安いネットバンク系の住宅ローンや、長期固定金利のフラット35は基本的に竣工時の一括融資となるため、手元資金で工面できない場合はつなぎ融資が必要となります。

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つなぎ融資を単独で提供している金融機関は少ないですが、フラット35のサービスを提供している機関は、フラット35を利用する人に限ってつなぎ融資を提供するというスタイルのところも多いです。

つなぎ融資のデメリット:団信・住宅ローン控除が対象外

つなぎ融資は住宅ローンとは別の短期借入となるため、原則として住宅ローン控除の対象外となります。また、基本的には団体信用生命保険(団信)の対象にもならないため(任意で金利上乗せで加入できる場合を除く)、建築中の死亡・高度障害リスクに備えるには別途生命保険等を検討する必要があります。

第3の選択肢「着工時一括融資」

最近では、つなぎ融資や分割融資のデメリットを補う第3の選択肢として「着工時一括融資」を提供する金融機関も登場しています。
これは、建物の着工時点で住宅ローンの全額を融資し、工務店等への支払いに必要となるまで、残りの資金を専用の定期預金などで金融機関が管理するという仕組みです。

融資回数が1回で済むため手数料や登記費用が抑えられ、手続きの手間も削減できるメリットがあります。対応している金融機関は限られますが、資金計画の選択肢の1つとして検討する価値があります。

つなぎ融資と分割融資の比較まとめ

まず、どちらがお得か?というのは一概には言えません。特徴を簡単に比較表にまとめました。

項目 つなぎ融資 分割融資(分割実行)
契約形態 住宅ローンとは別の短期ローン 住宅ローン契約の一部
金利水準 高め(年1.5〜4%程度) 住宅ローンの金利が適用される
手数料・費用 本融資とは別につなぎ融資用の手数料が発生 実行(分割)の都度、手数料・登記費用が発生
柔軟性 自由度が高く、複数回の支払いに柔軟に対応可能 銀行ごとに回数制限(2〜3回)など決まりがある
住宅ローン控除 原則として対象外 条件を満たせば対象となる
団体信用生命保険 原則対象外(別途上乗せ等で加入可) 融資実行時から加入できるケースが多い

【2026年最新】金利上昇局面における注意点

日銀の利上げ方針により、2026年現在は住宅ローン金利の上昇局面となっています。つなぎ融資の金利と住宅ローン(分割融資)の金利差が以前と比べて変化しているため、過去の常識に縛られず、「現在提示されている最新の金利水準」でしっかりとシミュレーションし直すことが極めて重要です。

まとめ:つなぎ融資と分割融資のどちらがお得かはケースバイケース

記事中の内容を読むだけだと、つなぎ融資は金利が高くて団信もつかないため不利という印象を持たれたかもしれません。

ただ実際のところ、つなぎ融資は金利が高めに設定されていても、本融資までの期間が短ければ利息負担は小さく済みます。分割融資を選んだ結果、複数回の登記費用や手数料がかさみ、総額ではさほど差が出ない、あるいは逆転するというケースも多々あります。

選択する際は、それぞれの融資手数料や登記費用、適用金利などを金融機関にしっかりと算出してもらい、比較して決めるようにしましょう。つなぎ融資にしても分割融資にしても、いずれのケースでも高額なお金を借りることになるので、手数料・金利ともにバカになりません。

注文住宅を建築するときは、工務店やハウスメーカーに資金スケジュールがどのようになっているのかを確認したうえで、銀行にも分割融資やつなぎ融資の相談をし、どのような資金プランを組むのが最適なのかを総合的に考えましょう。

選び方次第で数十万円の差が生じることも珍しくありません。

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ふかちゃん
マネーライフハック編集長。証券会社で個人向け金融サービスに従事した経験をもとに、2004年より金融・投資・クレジットカード・節約・ポイント活用に関する情報を発信しています。2011年からMoneyLifehackを運営し、2018年3月には月間200万PVを達成。金融サービスの提供側ではなく、利用者目線で実際に使って検証した一次情報をもとに、家計改善に役立つ情報を分かりやすくお届けしています。
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