奨学金・学生ローン PR

大学進学前に知っておきたい奨学金の種類と基礎知識

記事内にプロモーションを含む場合があります

books教育費は人生における三大費用の一つに数えられ、中でも大学生時期の子どもに一番お金がかかります。

大学の授業料は私立大学だけでなく、国立大学でも上昇している一方で家計所得は伸びていません。そのため、多くの家庭で大学生の子がいる家計は赤字となっているはずです。

その赤字をサポートするものの一つが「奨学金」で、利用者は年々増加しています。

日本学生支援機構の調査では全体の50%以上が何かしらの奨学金を利用しているということです。その一方で奨学金についてあまり知らずに申し込みをして将来苦労するという人も増えています。

今回は奨学金を利用して大学進学を考えている方やその保護者の方に、奨学金の仕組みやルールを紹介していきます。

そもそも奨学金とは?

奨学金とは学生が勉強をするためにかかるお金を支援することで経済的理由による学びの機会の喪失を防ぐというものが目的のお金です。

この奨学金というのは大きく「貸与型」と「給付型」の二つに分類されます。この二つは同じ奨学金であっても大きな違いがあります。

 

貸与型奨学金

奨学金の大半はこちらで、低利あるいは無利息でお金を借りて、学費に充てて将来働き出してから返済をするというタイプです。

奨学金という名前ではありますが、内容としては教育ローンと性質的には同じです。教育ローンとどう違うのか?というと以下のような点が異なります。

日本国内で最大の奨学金機関であるJASSO(日本学生支援機構)はこちらの貸与型となっています。

 

教育ローンと貸与型奨学金の違いは?

大きく違うのは利息と返済者です。

利息(金利)は教育ローンよりも日本学生支援機構(JASSO)の第2種奨学金の方が低めです。教育ローンもそんなに金利は高くありませんが、奨学金と比較すると大きく違います。

また、返済義務者も異なります。教育ローンの場合は返済をするのはローンを借りた人である、両親などが返済義務者となりますが、奨学金の場合は、奨学金を受けた学生が就職後に返済する形となります

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/cardloan/13893″]

  • 奨学金は学生が返済するが、教育ローンは保護者が返済
  • 奨学金は金利が安い(国の教育ローンも高くはないが)
  • 奨学金は金利の発生が卒業後から発生するので負担は小さい

 

給付型奨学金

将来の返済が不要な奨学金制度。完全にもらえるお金となります。

各大学ごとに用意されていたり、企業や財団などが提供しているものがあります。貸与と異なり財源が必要となるため、募集人数が少なかったり、給付を受けるための条件が厳しめ(成績優秀者や生活困窮者など)となっていることが多いです。

給付する側からするとお金を上げることになるのでハードルは高い上、応募者も多く競争は激しいです。

 

日本で使える奨学金制度の特徴

以下は日本で利用できる代表的な奨学金制度です。それぞれに特徴がありますので、しっかりと内容を把握しましょう。

 

日本学生支援機構の奨学金

大学進学時の奨学金という場合は、この日本学生支援機構の奨学金を指す場合が多いです。

無利息型となる1種と、有利子型の2種の2タイプがあります。
また、2018年より一定の要件を満たした人向けに「返済不要型の奨学金(給付型奨学金)」も始まっています。

いうような批判も大きくなり、返済が不要な給付型が新たに創設されました。

表にすると以下のような形になります。

給付型 貸与型
第1種(無利子) 第2種(有利子)
対象数 2万人 15万人 26万人
対象家計基準 住民税非課税世帯
生活保護世帯
747万円以下 1100万円以下
月額 2万円~4万円
進学先や通学形態により異なる。
2万円~6万円
進学先や通学形態により異なる。
3万円
5万円
8万円
10万円
12万円
からの選択

まず、給付型の奨学金は人数が少ない上、求められる学生成績評価(A以上)となり、両親の経済力が大きく問われます。住民税非課税世帯または生活保護世帯という事で、経済的に厳しい世帯向けとなっています。

貸与型となる第1種、第2種についても条件があります。

第1種奨学金の方が受給条件(所得基準や本人の成績)が厳しく評価されます。一方の第2種奨学金は受給条件が緩やかです。2002年くらいまでは無利息型の第1種奨学金の方が利用者は多かったのですが、それ以降は有利子型の第2種の利用者の方が増えています。

これらは給付型の奨学金ではなく、ベースは貸与型なので、将来学生自身が返済する必要があります。

 

就職後の返済が滞るとブラックリストになることも

JASSO(日本学生支援機構)の奨学金はあくまでも「貸付」です。

学校を卒業して就職したら返済をしなければなりません。返済が滞ってそれを放置すると信用情報に「事故情報」が記録されることがあります。そうなるとクレジットカードや将来の住宅ローンを組む時などの障害になることもあるので注意しましょう。(参考:クレジット・ローンの事故情報(ブラックリスト)はいつ消える?確認は?

JASSO(日本学生支援機構)では、経済的な理由で奨学金の返済ができない場合には、猶予などを設けてくれる場合もありますので、経済的に困窮して奨学金の返済ができない場合は、放置するのではなくまずは相談するようにしましょう。

[bloglink url=”https://money-lifehack.com/cardloan/4493″]

 

経済的な利点は大きいが慎重に考えたい新聞奨学生

朝日新聞や毎日新聞といった新聞社が実施している奨学金制度があります。新聞奨学生とよばれ、学費を新聞社が負担してくれる代わりに、在学中は新聞の販売店で新聞配達等を行う必要があります。新聞配達によるお給料も受け取ることができるので、両親に負担をかけることなく、進学が可能という経済的な利点の大きな制度です。

その一方で新聞販売店での業務が過酷という声もよく聞きます。販売店によって温度差が大きいという声もありますが、織り込み、朝刊(朝刊・夕刊)の配達、集金、勧誘といったように様々な業務に従事することになります。

新聞奨学生を辞める時には「奨学金の返還」が必要となるため、やめたくても止められないという状況になる可能性もあります。

経済的なメリットは大きいですが、注意すべき点も大きい奨学金制度と言えるでしょう。

 

大学や自治体、企業などの奨学金は情報が少ないが有利な制度も多い

大学や自治体、企業などが実施している奨学金は給付型といって将来の返済が必要ないタイプの奨学金もあります。
ただ、前述の通り条件が厳しい以外にも、自分から積極的情報を収集をしないと、募集情報すら見つからないというケースが多いです。

進学前に学校長の推薦が必要となるような場合もあり、高校在学中から申請が必要となるケースもあれば、大学進学後に申し込みができるものもあります。
応募資格についても、両親の所得基準、高校の成績、大学の成績、進学大学による制限、学部による制限、あるいは小論文の提出や面接などが必要となるなど様々です。

・各大学の奨学金情報
進学先(予定先)の大学のホームページなどを見ると情報が見つかるはずです。特に私立大学(難関私立大学)ほど奨学金が充実してることが多いようです。

・都道府県関連の奨学金情報
「福岡県 奨学金」「武蔵野市 奨学金」のようなキーワードで検索するなどして情報を探してみましょう。現在の住まいではなく、進学先がベースとなることが多いです。

・企業や財団が実施する奨学金情報
JT国内大学奨学金、電通育英会大学奨学金、マイナビ進学奨学金、北田記念財団奨学金などのように様々な情報があります。条件が厳しい場合もありますが、受け取ることができればかなりの金額を給付されるケースもあるので上手に調べて活用しましょう。

 

奨学金の仕組みを知り、自分にあったものを活用しよう

奨学金については「卒業後に奨学金の返済が厳しくて困っている」といったようなネガティブな報道が多いです。

一方で大学進学をするために必要な資金が足りずに、本当は勉強したいのに大学に行けない……という人を金銭的にサポートする制度としては極めて有用です。

教育ローンなどのサービスと比べると利息負担などが格段に小さいからです。

また、メチャクチャ優秀な方であれば、大学や企業などが実施している給付型の奨学金制度もあります。

上手く制度を理解して活用するのが正しい奨学金の使い方といえるでしょう。

 

以上、大学進学で知っておきたい奨学金の基礎知識でした。