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不動産売却の一括見積もり・比較サイト利用の注意点と問題点

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price不動産(一戸建てや分譲マンションなど)を売却しようと思ったとき、最近ではインターネットで一括見積もりサイトなどを活用する方も多いのではないでしょうか?

一度に複数の業者からの見積もりがを取得することができて便利な反面、自動車の一括見積もり、や保険の一括見積もりとはまた異なる問題点があります。

それは「業者が見積もり金額で買うわけではない」と言う点です。この点を理解した上で一括見積もりサイトは上手に活用しましょう。

見積もりする相手は「仲介業者」

まず、不動産業者というものは自己が相手方となり不動産を買う場合もありますが、通常は「仲介」となって、買い手と売り手をつなげます。

不動産を買いたい人、売りたい人を見つけてマッチングするわけです。

そして、一括見積もりサイトなどで見積もりを受ける業者も大半が不動産仲介業者です。これが何を意味するのかというと「見積もり額で売れる保証はまったくない」と言う点です。

一括見積サービスというのは不動産に限らず様々なサービスで存在していますが、大きな違いは「その業者自身が引き受けるかどうか?」です。

たとえば、「自動車保険は面倒くさがらず毎年見直し・比較をして得しよう」でもお勧めしている自動車保険の一括見積などは基本的にはその見積もりの金額で保険会社は保険を引き受けてくれます。

なのでできるだけ安いところを選べる見積もりサービスは魅力的です。

一方の不動産の売却見積もりの場合はその業者自身が購入するのではなく、第三者に販売するわけです。

つまりその価格(見積)はあくまでも、「このくらいの金額なら売れるんじゃないですかね。」という業者の考えに過ぎません。

なので、結果を見てみると業者の当初の見積もりとはまったく違う価格(多くは不利な価格)でしか売れなかったと言う事案が存在しているのです。

 

問題点1:見積もりを高めに出して顧客収集をするケースがある

第1の問題点は一括見積もりが不動産業者にとっての顧客を獲得するための数字であり、わざと高い値段を出すと言うことです。

高い値段を提示することによって「こんな値段で売れるなら売ろうかな!」という気持ちにさせるというのが一つ。もう一つは自社と専属専任契約(あるいは専任契約)を結んでもらうためです。

何度も書きますた、高い見積もりを出しても、業者はその金額で買うわけではありません。不動産業者自身の腹は痛まないんです。

 

専属専任契約(専任契約)とは?

不動産仲介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。

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仮に家を売るというケースで簡単に説明すると、専属専任媒介(仲介業者を1社に限定)、専任媒介契約(仲介業者を1社に限定するが、オーナーが買い手を自分で見つけるのはOK)、一般媒介契約(仲介業者を限定しない契約)となっています。

業者は当然ですが、確実に自社で仲介できる専属専任契約(あるいは専任契約)を結びたがります。そうしないと広告宣伝に力が入れられません!この契約さえとってしまえば、業者としては言い方は悪いですが「どうにでもなる」という部分があります。

 

問題点2:不動産業者は「売り手最適」を考えるわけではない

一括見積もりで高い値段を提示してきたA社と専属媒介契約を結んだとしましょう。

そしてA社はその物件を売るために努力しますが、問題となるのは「売り手のことだけを考えるわけではない」と言う点です。

なぜなら、不動産業者は「仲介」であり、自社で買い手と売り手の両方をあてがうこともできるからです。

不動産用語に「両手」と言う言葉があります。これは「両方から手数料」という意味で、一つの不動産仲介業者が買い手と売り手の両方を担当した場合、両者から手数料をもらえるというものです。

これが大きな問題の一つです。

不動産は仲介によってもらえる手数料の上限が決まっており、一般的にはその上限の手数料を取るのが慣習です。

業者としては利益最大化を考えるのであれば、買い手も売り手も自分で見つけるというのがもっとも合理的です。そのため、業者はできるかぎり「両手」が取れる取引をしようとします。

 

不動産一括見積サイト(査定サイト)の数字通りにならない

一括見積もりを利用して高い見積価格で顧客候補をゲット(専任媒介・専属専任媒介)したら、後は自社にその物件を買いたいという人が来るのを待つという戦略をとるのです。

ここにおける問題は「買い手を限定している(囲い込みをしている)」という点です。

本来であれば、自社の買い手にこだわらず、色々な業者に情報をオープンにする必要があります。需要と供給を考えれば買い手候補がたくさんいるほど、売り手にとっては有利な価格で売れる可能性が高くなります。

しかしながら、業者が「両手」にこだわることで買い手を制限し、結果として「売れるタイミングが遅くなる」「有利な価格で売れなくなる」という問題が生じるのです。

専属専任媒介や専任媒介だと情報の公開義務があるから大丈夫では?という異論もあるかもしれませんが、悪質な業者は他の業者から物件の問い合わせが入ると、「現在商談中です」などといって、実質上断りを入れ、自社に直接した買い手候補にだけ話をするといったところもあるようです。

なお、個人的にすごく期待しているのは「ソニー不動産」です。一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)中心ですが、会社として両手取引を禁止して、売り手専任のエージェントをつけるというやり方は高く評価できると思います。

両手禁止は会社の利益を削ることになるわけなので、大手といわれる不動産会社でも禁止しているところはありません。ソニー不動産が業界に大穴を開けてくれることを期待しています。

 

不動産売却の一括見積もり・比較サイトはあくまでも目安

不動産の一括見積もりサイトというのはこのような状況から「おおよその価格の参考値を知りたい」といった利用であれば問題ありませんが、その見積もりを100%信用することは出来ないということをまずは理解しておく必要があります。

 

実際に売るとき、大切なのは信頼できる仲介業者かどうか?

その上で、何よりも大切なのはその業者がどれだけ信頼できるか?ということです。

不動産市場は片方だけが情報を多く持っており、もう片方が情報を持っていないという、情報の非対称性の大きな「レモン市場」といわれています。

不動産のプロである不動産会社と、素人とでは正直に言って売買においては勝負になりません。そのため、売却を有利に行うためにはどれだけ信頼できる業者と信頼関係を構築できるか?という部分が大きくなります。

それゆえ冒頭の一括見積もりの「見積もり金額」にとらわれるのはほとんど意味のないことだと理解したうえで、本当に売却を検討しているのであれば、見積もりの場は「どれだけその業者が信用できるのか?」ということを探る機会にしましょう。

なぜその売却価格(見積価格)を提示したのかという理由はもちろん、その物件売却をあなたに任せたらどのような販売戦略で売却をする予定なのか?といった考え方などを確認するようにしましょう。

そういった意味で、不動産売却の一括見積サイトを利用するというのはよい方法だと思います。見積もり時には少なくとも「表面上の価格」ではなく、どうやって売るべきなのか?などの相談にしっかり乗ってくれる業者を選ぶようにしましょう。

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不動産という高額資産の売却。売り手も知識を持ってくことが大切

不動産の売却というと難しいように感じるかもしれませんが、売買に関する知識を売り手自身も持っておくことは大切です。

たとえば、分譲マンションの売却などであれば「収益還元法」を利用すれば、物件価格をある程度想定することも可能です。

収益還元法がすべてとは言いませんが、少なくとも物件売却の参考にはなるはずです、状況によって売却するのではなく、賃貸に出すという選択肢もあるかもしれません。

 

以上、不動産売却の一括見積もり・比較サイト利用の注意点と問題点を紹介しました。