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空き家の税金が高くなる!特定空家の基本と対応策、件数、統計

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desertedhouse空き家問題が日に日に大きくなっています。野村総研の推計によると2023年にも1397万戸もの空き家(空き家率21%)という恐ろしい状況が予想されると言うことです。空き家となっている原因に「更地にすると税金が高くなる」といったような構造的な問題もあることから空き家対策特別措置法が成立、2015年2月26日より施行されました。

これにより空き家の扱いはどのように変わるのか、また空き家を持つ人はどうするべきなのか?と言う点をまとめていきます。

特定空家等は固定資産税の優遇ゼロへ

空き家が放置されている理由の一つに、空き家を取り壊して更地にすると、固定資産税が増えるというものが挙げられていました。

更地にすると固定資産税が1/6に優遇されていた優遇が無くなるため、更地にせず空き家として建物を残したまま放置しているというもの。

それを受けて危険な空き家については「特定空家等」としてこの特定空家等は固定資産税の優遇をなくす。つまり本来の税金へと切り替えるとしたわけです。

結果として、特定空家等と認定されると固定資産税が6倍に跳ね上がる計算となるわけです。

 

特定空家等とは?

放置されている空き家は防災面、防犯面、衛生面、景観悪化などの面で周辺の住民にとっても看過できないもんだいとなっています。その一方で空き家といえど、所有者がいるため勝手に処分したいるすることが難しく、放置されてきました。

空き家対策特別措置法では、このような危険な空き家を「特定空家等」認定して、行政による立ち入り調査や命令、行政代執行ができるようにもしています。
前述の固定資産税の優遇除外もその一つです。

このようにすることで、空き家の解体や活用などを促進するというのが、空き家対策特別措置法の趣旨といえます。

 

空き家となる基準は?

特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう

実際の、空き家の判断をするのは市町村に任されており、基準として1年を通じて人の出入りが無い、電気ガス水道の使用が無いこと、が挙げられています。

その上で自治体が、建物の柱や梁、外壁、屋根など状況を確認して危険度が高いと判断されると「特定空き家」となります。

そして、特定空家に指定された後に自治体から改善の勧告を受けると、固定資産税の優遇措置が受けられず更地と同じ状況になります。(固定資産税が6倍)

なお、措置を命じられた者がそれに応じないとき、対応が不十分であったり期限内に完了する見込みがなかったりするときには、行政代執行法による措置をすることができます。

また、命令違反の場合は50万円以下の過料、立ち入り調査の拒否や妨害は20万円以下の過料という規定も設けられています。

 

空き家となっている建物はどうするべき?

まず、状態として使える状態というのであれば、誰かに貸す、あるいは売却するというのが最も無難な方法かと思います。

この辺りについては「実家が空き家になった時の対策と活用。空き家管理と賃貸と売却」でも紹介していますので参考にしてください。

また、どうしても売りたくないし、貸したくもないというのであれば、空き家の基準が1年留守であるということも考え、管理会社に依頼して建物を管理してもらうとういうのも一つの方法です。もちろん、管理料はかかりますので、そちらの出費は覚悟する必要があります。

これ以外、どうしようもない状況だというのであれば、取り壊すというのも選択になります。取り壊す時にかかる費用については一部を自治体による助成金で賄うことができます。

 

特定空き家の指定は解除可能

危険度が高いを修繕するなど特定空家と指定された要因を取り除けば、指定は解除されます。

今後利用する予定があるのであれば適切なリフォーム工事などを行いましょう。

 

残った土地はどうする?

ただ、残った土地はどうするのか?という問題は解決しません。売ればいいじゃない?と思われるかもしれませんが、建物が建てられない、そもそも土地に利用価値が無いなどの理由で売ろうにも売れない土地というものは確かにあります。

価格を下げれば売れる土地も多いですが、タダでも引き取ってもらえないという土地だってあります。

そのような土地はただ、税金だけを取られるお荷物になります。自治体に寄付をしようと思ってもそうした土地は無償でも受け取りを拒否されることが多いです。

そのような土地がある場合、八方塞がりとなります。

隣接地の所有者に格安で売る(譲る)などの方法もありますが、どうしようもない場合には相続が発生する時に「相続放棄」をするという方法があります。その場合は他の資産についても相続できないことになりますので、税理士などに相談した上で長期的なプランで手放す方法を考えるしかありません。

 

実際の特定空家の運用はどうか?

2015年(平成27年)にスタートしたの特定空家に関する制度ですが、導入されてはいるものの、自治体による苦慮が続いているようです。

ただ、制度開始から運用年数を経て、全国にある800万を超えるとされる空き家の件数からすれば数自体は少ないですが、勧告される件数も増えてきています(勧告=固定資産税の優遇が無くなる)。

  • 2015年:勧告57件
  • 2016年:勧告210件
  • 2017年:勧告285件
  • 2018年:勧告370件

今後も、「特定空き家等」と認定されそうな不動産をお持ちの方は管理、修繕補修、売却などを含めて早めに行動することをお勧めします。

いずれにしても、空き家対策についての動きは止められないと考えますので、該当しそうな方は早め早めの行動を心がけましょう。