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マンションPBR、マンションPERとは何か?マンション価格の分析方法

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東京カンテイという会社が先月26日発表したた「マンションPBR」という指標を読みました。

マンションPBRは首都圏、近畿圏、中部圏における「過去10年間に販売されたマンション価格」と「新築マンション価格」とを比較した指標です。今回はこの公表されたマンションPBRの数値データから読めるマンション購入(投資)のポイントを見ていきたいともいます。

ちなみにPBRやPERは株式投資の世界で使われる“PBR(株価純資産倍率)”と“PER(株価収益率)”という指標をマンション価格に当てはめたものです。

マンションPBRの計算方法

マンションPBRは株式投資におけるPBRとは少し異なります。

マンションPBR=中古マンション価格÷新築マンション価格

過去10年間に販売されたマンションの70㎡換算価値を駅ごとに算出し、その流通価格が新築時価格の何倍になっているのかを示す指標となっています。そのため、マンションPBRは「駅ごと」に求められることになります。

公表データはこちらから
首都圏(PDF)
中部圏(PDF)
近畿圏(PDF)

今回発表された2012年版は2002年から2011年に分譲されたマンションの平均価格が、今何倍になっているのかということを示しているわけです。

たとえば、首都圏のケースなら、平均マンションPBRは0.93倍ということですので、2002年~2011年に販売されたマンションの平均価格が7%下落しているということを意味するわけです。

 

マンションPBRから読める、買いエリアと売りエリア

ただ、首都圏でみてもかなりの差があることがわかります。

たとえば、上位では外苑前:1.46倍 、銀座1丁目:1.40倍 、銀座線三越前:1.35倍となっておりますので、これらの地域では、新築マンション購入時点よりも中古マンションの売却価格が大きく上昇しているということを意味しているわけです。

一方、同じ首都圏でも作草部(千葉県):0.54倍、吹上(埼玉県):0.59倍、勝田台(千葉県):0.64倍というように価値が半値に近いほど下落している地域もあるわけです。

具体的な倍率については、上記PDFファイルをご一読ください。
マンションPBR上位陣を見てみると「都心部」がずらりと並んでおり、逆にPBR下位陣を見てみると「周辺部」がずらりと並んでいることが分かります。

これだけを単純にみると「マンションを買うなら都心の都心部を買うのがおすすめ」と判断できるようです。

ただし、PDFにも書かれていますが、都心であるはずの「赤坂見附:0.7倍」「西永福(杉並区):0.71倍」のように、PBRが低い地域もあるという点は注意が必要でしょう。

 

PBRが高い地域は買いなのか?

PBRが高い地域というのは、新築で買っても中古で売った方が高く売れる地域ということです。

つまり、こうした地域の新築マンションを買えばより高い価格で売れるわけですよね。

たとえば外苑前ならマンションPBRは1.46倍ということですので、今のうちに買っておけば将来には、購入価格よりも高額で売ることができる(できた)わけです。

しかしながら、この数字を盲目的に信じてはいけません。

まず、マンション価格についてはこうしたプレミアムが上乗せされた形で販売されます。赤坂見附のマンションPBRが0.7倍というのは、販売時点で考慮していたプレミアムが大きすぎたということなのでしょう。つまり、割高な価格で売られていたと分析できるわけです。

逆に、外苑前は過去10年間においては評価されていなかったものが、評価されることによって近年になってプレミアムが付いてきた(高まった)と考えるべきです。

今後の不動産投資、マンション購入を考える上でマンションPBRはあくまでも参考数値程度にとどめるべきだと思います。

一方で、東京都心部はその他の地域と比較すると価格下落は緩やかであるという点は大きなアドバイスになるかと思います。マンションPBRの下位陣を見てみると、一部に東京都心部が入っているものの、大半は周辺部です。

つまり、マンションの資産価値(売却価格)の下落率はどうしても周辺部の方が高くなる傾向が強いということがいえるでしょう。

ちなみに、首都圏のデータを元にお話ししてきましたが、他の地方である近畿圏や中部圏でもほぼ同じようなことがいえるデータが出ています。

 

マンションPBRは過去のデータに過ぎず、これからはわからない

また、マンションPBRというのは過去10年前にそのマンションを買っていたらどうなった?という話です。

PBRが高いというのは、あくまでも10年前にマンションを買っておけばよかったね。という指標になるわけです。

これからもその地域の価格が上昇するということを保証するものではありません。この点は勘違いしないでほしいところです。

マンションPBRが高いということは、その地域の不動産が買われすぎているという話の証左であるともいえるわけで、現在の価格が割高であるとも言えるかもしれないのです。

 

もう一つの指標、マンションPERとは何か?

マンションの収益性に注目した指標がマンションPERです。

マンションPER=マンション価格÷年間賃料

にうよって計算されます。株式投資におけるPERと同じように何年でこのマンションを購入したモトを取ることができるか?という数字になりますね。収益還元法にも近い考え方です。

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面白い指標ではあると思いますが、単純ではないと思います。

実際にはマンションは購入したら終わりではなく、様々なメンテナンス費用が掛かります。

など。なので、投資回収としてみるのではなく、買いたいと思っているマンションが複数ある場合の比較材料として使うことをお勧めします。

この使い方も株のPERと同じですね。

 

以上、マンション買うならやっぱり都心部?マンションPBR、マンションPERを読むというお話でした。