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信用取引で気をつけたい金利と貸株料。長期の信用取引はコスト高!

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信用取引(株式投資)を行う場合に注意したいのがその「取引コスト」。取引コストというとどうしても売買手数料を思い浮かべる方も多いかと思いますが、信用取引の場合は金利と貸株料に注意が必要です。

あまく考えていると膨大な取引コストを支払っていたなんてことになりかねません。

今回は信用取引における取引コストを考えていきます。

信用取引の取引コストとは?

信用取引における取引コストは大きく「売買手数料」と「金利・貸株料」という二種類に分類されます。売買手数料というのは証券会社に対して支払う売買に対する委託手数料で、現物株の場合も同様です。

一方の「金利・貸株料」というのは信用取引を行うときに証券会社から借りる「現金」や「株式」を借りるために支払う金利コストとなります。

信用取引のしくみ
信用取引(Margin-Trading)とは、取引している証券会社から資金や株券などを借りて取引をすることができるというものです。通常の株取引が「現物取引」と呼ばれ、投資家自身の資金や株券で投資をするのと比較してこのように呼ばれます。
要するに、証券会社が投資家に信用(与信)を与えて、一定の金額の現金や株券を投資家に対して貸し出します。そして、投資家は借りた資金で株を売買したり、借りた株券を市場で売却してその後買い戻す事で差益(差損)を得たりします。

とまあ、信用取引は普通の株取引とは違い投資のための「資金」や空売りのための「株券」を証券会社から「借りて」取引するわけです。

借りる以上はそれに対する対価を支払う必要があります。それが「金利・貸株料」です。ちなみに、信用取引の買い(現金を借りる場合)を金利と呼び、空売りで株券を借りる場合を貸株料と呼びます。

 

信用取引の売買手数料と金利・貸株料

じゃあ、具体的に信用取引の取引コストを見ていきましょう。

下記のコストは2011年5月現在の数字となっております。最新の情報は証券会社の公式ページ等でご確認ください。あくまでも取引コスを理解するための例だと捕らえてください。

SBI証券
取引手数料(300万円取引時):400円
金利 / 貸株料:2.8% / 1.05%

GMOクリック証券
取引手数料(300万円取引時):100円
金利 / 貸株料:2.3% / 1.10%

楽天証券
取引手数料(300万円取引時):472円
金利 / 貸株料:2.85% / 1.10%

松井証券
取引手数料(300万円取引時):3,150円
金利 / 貸株料:3.1% / 1.15%

※2011年現在5月12日現在

さて、取引手数料については100円~3,150円までとかなり差があるように感じますね。また、金利についてみてみるとこちらも2.3%~3.1%とかなりの開きがあります。

どうですか?高いと思いますか?安いと思いますか?

お金を借りる金利と見ればそう高くはないと思います。ただ、信用取引はレバレッジ取引です。実際に運用する資金は預けている資金(証拠金)よりも大きいわけで、数百万単位、ひとによっては数千万単位の投資となるケースも多いでしょう。

そうなると信用取引の金利・貸株料はばかになりません。

具体的に300万円の信用取引(買い)をした場合の総取引コスを見ていきましょう。

ただ、このコストというのは簡単には計算できません。なぜなら金利というのは「借りている間だけ」かかるものだからです。取引を1日で終了させるのであれば1日分の金利しかかかりませんが、1ヶ月(30日)保有していれば30日分かかるからです。

 

期間別の信用取引取引コスト比較

具体的に投資期間別にそれぞれのネット証券の信用取引コストをみていきましょう。

証券会社 1週間(7日) 1ヶ月(30日) 6ヶ月(180日)
SBI証券 手数料:800円
金利:1610円
合計コスト:2410円
手数料:800円
金利:6900円
合計コスト:7700円
手数料:800円
金利:41400円
合計コスト:42200円
GMOクリック証券 手数料:200円
金利:1323円
合計コスト:1523円
手数料:200円
金利:5670円
合計コスト:5870円
手数料:200円
金利:34020円
合計コスト:34220円
楽天証券 手数料:944円
金利:1638円
合計コスト:2582円
手数料:944円
金利:7020円
合計コスト:7964円
手数料:944円
金利:42120円
合計コスト:43064円
松井証券 手数料:6300円
金利:1778円
合計コスト:8078円
手数料:6300円
金利:7620円
合計コスト:13920円
手数料:6300円
金利:45720円
合計コスト:52020円

手数料は往復(買い→決済)の往復で計算。

見てもらうと分かるように、短期であれば手数料と金利について費用面でそうたいした差はないのですが、期間が長くなれば長くなるほどその金額は大きくなっていきます。

信用取引を考えるのあればその手数料も当然ですが、金利・貸株料の数字についても注意を払っていく必要があります。(特に信用取引で長期的な投資を考える場合は重要です)

 

信用取引の金利コストは高い、あくまでも短期投資で

ここまで書いたように、信用取引の金利コストはかなり高いです。数日単位であれば手数料程度ではあるものの、これが1か月、2か月といったように長期化すればするほどコストが重くのしかかってきます。

ネット証券に限らず、多くの証券会社が現物株取引よりも信用取引の売買手数料(委託手数料)を低くしているのは、金利収入という収益があるからなのですね。もちろん、金利コストがかかるから信用取引はするべきでないというわけではありません。

  • レバレッジを効かせた効率的な運用が可能
  • 空売りによるショートポジションも持てる

というのは有効です。

あくまでも、信用取引はポジションの維持にそれなりの高いお金がかかっているということを忘れてはいけないというだけです。

信用取引で買いポジション、売りポジションを持つのであれば決済タイミングはなるべく早めにするということですね。現物株は言い方は悪いですが、“塩漬け”にしておくこともできます。一方で信用取引はそうした塩漬けは金利コストによって傷を広げていきます。

あくまでも短期投資であると割り切りましょう。

 

以上、信用取引で気をつけたい金利と貸株料。長期の信用取引はコスト高!ということをお話ししました。